もずの独り言・はてなスポーツ+物置

半蔵ともず、はてなでも独り言です。

奈穂子様/稲垣重富

f:id:Hanzoandmozu:20191208064646j:plain

江戸は「煮アナゴ」なんだがな、ヨソの土地に行くと「焼アナゴ」なんてのがある。

ツメも江戸前に比べて甘いのが多いんだ。

オレァどっちも好きだぜ。

こりゃまたあたり一面キレイな向日葵だ。

下野烏山。

ここの藩主に稲垣対馬重富様って方がいなすった。

もともとは三河刈谷のお殿様でな、それが上総大多喜に転封になった。転封ってのはどんなお大名も嫌がるもんなんだ、家移りはゼニがかかるからな。

ところが大多喜に着いた重富様は「ここは狭くてイヤだ」って言って、たった20日で烏山に移った。変わったお殿様だぜ。

重富様は松の廊下のときに柳沢様(吉保)に「喧嘩は両成敗が基本」と面と向かって言ったお方でもあるんだ。

浅野様と吉良のジイサンの双方の言い分を聴いた目付の多門の旦那は若年寄重富様に「今一度、公平なお裁きをと上様に」って訴えた。

重富様も多門の旦那の言い分にも一理あると思って柳沢様んトコに行って「浅野どのだけ御処分というのは、喧嘩両成敗の原則から外れておりまする」と言った。

そしたら柳沢様は「上様の側用人たるワシの決めたことに不服があるのか」って言い返した。

そう言われちまったら重富様も引っ込むしかねえ。ま、でもよ、あの柳沢美濃守吉保に面と向かってモノ言ったんだから大したもんだな。

重富様は綱吉公の信任厚いお方でな、荻原重秀と京・長崎の経済視察を命じられたりもした。この経済視察は例のあのインチキ小判(元禄小判)の具合を見に行くためのものでな。こんなのは信用出来るのじゃねえと行かせられねえわな。

荻原重秀はこのインチキ小判を造った張本人だ。

いろいろと「えぴそーど」のあるお大名なんだよ、重富様は。

焼アナゴにわさびとかいわれを巻いて食うとイケるんだよ。アナゴはきゅうりばかりじゃねえんだぜ。

奈穂子サン、また。