もずの独り言・はてなスポーツ+物置

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奈穂子様/銭湯のはなし

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こんなに冷える日はしじみの味噌汁よ。

こいつは二日酔いにもいいんだぜ。

昨日越中守様(松平定信)の話をしたからな、今日はちょいとその越中守様の話をするぜ。

奈穂子サンにはちょいと理解しづれえ話かも知れねえんだがな、オレたちの時代の銭湯は混浴だった。老若男女、みんな一緒に入るんだ。

で、その混浴を、越中守様が「風紀紊乱だ」って言って禁止しちまった。いけねえよな、それは。

奈穂子サンは混浴なんて言うと「このドスケベ」って怒るんだろうけどな、オレたちの時代は混浴が当たり前だったのよ。

確かにな、ドスケベもいるにはいた。だから「触った、触らない」の揉め事もたまにはあった。え?何?揉んだから揉め事になるんだって?オイオイ、馬鹿言っちゃいけねえや。

ま、冗談はさておき、実はな奈穂子さん、混浴禁止で一番困ったのは客じゃなくて銭湯の主人よ。

混浴の本当の目的は燃料の節約だった。男湯女湯分けなければ燃料は一風呂分で済むんだ。

家光公から家治公まで、銭湯の入浴料は大人6文(75円)・子供4文(50円)だった。150年間値上げナシだったワケよ。この間、江戸の物価は右肩上がりだったにも関わらずな。

150年間値上げせずに済んだのは、混浴で燃料を一風呂分で済ませたり、二階を作って碁や将棋で遊べたりと奈穂子サンの時代でいう「きぎょうどりょく」をしたからだ。

でもよ、男湯女湯分けちまったら燃料代は倍かかる。それは回り回って入浴料にも跳ねっ返る。ホント、越中守様はロクなことを思い付かねえ。だからみんな「これなら、田沼のオッサンのほうがましだな」って言ったんだ。

風呂場で奈穂子サンのようなピチピチのおねえちゃんを見て、そのあとは二階でジイサンと将棋。これがオレたちの「娯楽」ってえヤツだった。

ま、奈穂子サンのようなピチピチおねえちゃんを拝める日は少なかったな。だいたいはヨボヨボの垂れ乳バアサンだったな。だから混浴はちっとも風紀を紊乱しちゃいねえんだ。それなのに越中守様と来たら、そりゃねえぜ。

そんなこったから将軍補佐職も首席老中もいっぺんに罷免されるのよ。

その話はまた今度だ。

しじみの味噌汁にゃ卵かけごはんよ。

そういえば、奈穂子サンの時代の卵も値上げせずにいたんだよな。

奈穂子サン、また。