もずの独り言・はてなスポーツ+物置

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9月24日孝介語録

■やれることをやる

ファンの皆さまへの思いは題字にしたためた通り「感謝」。

漢字2文字ではどうも味気ない気もしますが、今の心を表現するのに最も合っている言葉です。スタンドの声援に対して「よしやってやる」「任せとけ」と思ってきた。最近では「ありがたいな」と思う比重が大きくなった。引退を発表してからは少しずつプレッシャーもなくなり、時間がゆっくり過ぎているような気もしていました。

長くプレーして感じていたのは、辞めるよりも現役でい続けるほうが大変だということ。一度辞めて、もう一度なんて無理な世界。どれだけやれるか、と思ってきました。

シンプルな思考だったかな。いつも「やれることをやるしかない」と信じて毎日を過ごした。不調で球場までの道のりを変えたり、食べ物を同じにしたり、験担ぎみたいなものはない。同じ道を通って、出されたものを食べ、球場を出るときにスイッチを切る。勝った日のビールはおいしいな、その繰り返し。

アメリカで日本復帰を決めて帰国した飛行機。思い出しても「また日本で野球をやるんだな」、少し「どうやって新しいチームに溶け込もうかな」と考えたぐらい。起きてない未来を深刻に考えても、仕方ないもん(笑)。できたプレーを自信にして、できなかったプレーは「自分が下手くそだからだ」と処理して練習してきた。

プロ野球を含めてどの世界も、結局は自分で選んだら自分の責任。言い方を変えると、自分で決めたからこそ、自分で責任を取れる。会見の数日前にバンテリンドームナゴヤで監督に引退を報告した。もう決めたから、監督室に入って「ありがとうございました」と。それだけ伝えました。

■若い選手成長できる

振り返れば、不確定な未来を憂うことはなかった。中学3年で鹿児島から大阪・PL学園への進学を決めた。「一番のところでやりたい」と思ってから、他が選択肢からなくなった。ドラフトを終えて、日本生命にお世話になり、もう一度、ドラフト。ドラゴンズに入れた。その時も、ドラゴンズだけ。自分でここでやりたいという思い。アメリカ挑戦も自分を試してみたい、と。

所属を変えたら、居場所は「つくる」ではなく「できる」と思い込んでやる。できると思ってやる。最後はやるべきことをやるしかない。

チームメイトには勝たなきゃ面白くないぞ、と思う。若い選手は多いし、伸びしろはある。若い世代は「自分」というのをすごく持っている。競技として進化していて、オレが入団した頃よりもスピードとパワーがついた。

みんながみんな同じ打ち方では打てない。自分の感覚、感性は大切だし必要。指導された内容を合うか合わないかやってみて、最後は自分で答を出す。出した答には責任が伴う。責任を取るのは指導者ではなく選手個人。思っていることを、パフォーマンスとして表現してもらいたい。一人になる時間をつくって、たくさん練習してもらいたい。

■WBC日本は戦える

球界では来年3月にはWBCがある。アメリカ経験者として、戦えると思っている。日本の教育も「できないことをやれるように」から「やれることを伸ばせば、できないことも少しずつできるようになる」という考え方にシフトしている。細かいプレーも外国ができない、やらないプレーを日本はできる。日本らしく戦えば、十分やれると思っている。

最後に個人的な話を。45歳までやれば体の変化もある。朝起きてガバッと体を起こしたらどこかピリッとしてケガをするかもしれない。目が覚めて床に手を突いて、ゆっくり起き上がる。起床の形も変わった。

■来夏人生初の夏休み

これからしばらくはゆっくりするかな。来夏は、人生で初めての夏休み。そういえば、最後に盆踊りに参加したのはいつだっけ、覚えてない(笑)。金魚すくいも、子供の学校行事しか経験していない。

これまで野球ばかりだった。世間一般が「普通じゃん」というものを、やっていない。家族の支えや存在にはすごく感謝している。これからつくれる時間を妻と子供と共有して、普通に触れるのも楽しみのひとつかな。