もずの独り言・はてなスポーツ+物置

半蔵ともず、はてなでも独り言です。

【みんな生きている】北朝鮮外貨浸透編

北朝鮮で急激に増えたドル・元の使用》

北朝鮮市場経済が浸透し始めている。今年4月に再入閣した朴奉珠(パク・ポンジュ)首相が主導してきた「成果に伴う分配」措置は、工場・農場等で計画経済の根本を徐々に揺るがし始めた。ドルや元の使用は急激に増え、西欧の商店さながらの売場もあちこちに登場した。北朝鮮当局は市場経済の拡散を警戒しているが、既に北朝鮮は市場と「共存」する段階に差し掛かっている、という分析もなされている。
北朝鮮の事情に詳しい韓国政府の消息筋は8月4日

「2011年12月に金正日キム・ジョンイル)総書記が死去して金正恩キム・ジョンウン)政権が成立した後、北朝鮮内での外貨流通量は、昨年の国内総生産(GDP)296億ドル(現在のレートで約2兆9096億円、以下同じ)の10%に迫っている。外貨なしには北朝鮮の経済は機能し得ないという懸念も出るほどだ」

と語った。
韓国の北韓大学院大学の梁文秀(ヤン・ムンス)教授は

北朝鮮で、住民たちは自国の通貨よりドルや元を好み、また実際にこれらが通用する『ドル化(dollarization)』『元化(yuanization)』現象が加速している」

と分析した。
一部の専門家は、1980年代のソ連崩壊直前、ヤミ市場等を通じて住民たちが外貨蓄積を増やし、自国の貨幣よりドルを好む傾向を見せていたことと、最近の北朝鮮の傾向とを比較している。
平壌では主にドルが、中・朝国境地域では元が多く使われている。外貨を使っても何の制裁も受けないのはもちろん、財貨やサービスの取引基準までもが徐々にドルに変わってきているという。
ある脱北者

平壌では、場合によっては家庭教師の費用もドルで払う。家庭教師を雇う費用は、月に20ドル~30ドル(約2000円~3000円)程度が普通だが、党幹部たち一部の特権層では、名門大学を出た博士クラスの人材をコンピューターや英語の家庭教師として採用し、月に300ドル(約2万5000円)を提示するケースもある」

と語った。
平壌の統一市場や光復市場等では、ガラス・大理石・オートバイ等一部の商品について、価格をドルだけで表示しているという。ここでは、ドル紙幣用の偽札鑑別装置を備えた両替業者も営業している。一方、中・朝国境地域では、コメや衣類等の生活必需品からぜいたくな家電製品に至るまで、ほとんど全ての商品が中国の元で取引される。
サムスン経済研究所をはじめとする研究機関は、北朝鮮内部で流通しているドルや元は総額20億ドル(約1,966億円)を超える、と推定している。
韓国政府消息筋は

「使われる外貨の50%はドル、40%は元、残り10%はユーロと推定される」

と語った。
最近、北朝鮮の政権が携帯電話の普及を拡大しているのも、住民が保有している「たんすの中のドル」を引っ張り出すための「苦肉の策」だという見方もある。北朝鮮は、携帯電話の加入及び端末機の購入費用等をドルで受け付けている。
IBK企業銀行経済研究所のチョ・ボンヒョン研究委員は

金正恩政権が成立した後、核・経済並進路線を強調する中で、住民たちが市場等で蓄積した外貨を公の市場に引っ張り出そうとする努力を多角的に行っている」

と語った。



※「親北勢力は胸に手を当てて考えて欲しい。もし、あなたの子供たちが食べ物に飢えて栄養失調になり、骨だけの痩せ細った体で勉強を諦め、市場のゴミ捨て場を漁っていたら、どんな気持ちになるだろうか。そうせざるを得ない社会に憧れを持つことなど出来るだろうか」
脱北者Aさん。脱北者手記集より)