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【みんな生きている】習近平編

習近平国家主席の対応に見る対北朝鮮への「北風」》

国家指導者に関連する外交行事を分析する際、通常は2種類の方法が用いられる。行事の写真や映像、公式発表文に注意を払えば、非公開で行われる会談の状況を推測することができる。特に国がメディアを掌握している中国ではそうした手法が必須だ。
中国の習近平国家主席は5月24日、崔竜海(チェ・リョンヘ)朝鮮人民軍総政治局長と会見した。崔局長は金正恩キム・ジョンウン朝鮮労働党第1書記が北朝鮮の指導者になって以降、中国に送った初めての特使だった。
習主席と崔局長との会見後、中国政府が発表した公式な写真や映像、発表文は、中・朝関係の変化を示す「事件」として記録されるだろう。
崔局長が両手で長さ約30cmのサイズの親書を手渡すと、習主席は何も言わずに無表情で受け取った。そして、それを片手で持って、秘書へと手渡した。
今年1月に就任直前の朴槿恵(パク・クンヘ)大統領が送った金武星(キム・ムソン)国会議員(セヌリ党議員)から親書を受け取った際には状況が全く異なっていた。そのときは親書を開封し、内容を読んだ後、秘書に朗読するよう指示した。
中国メディアに登場した写真からは、習主席が崔局長と握手した際の距離が1m以上あるように見える。習主席は腕を伸ばして、崔局長の手を軽くつかんだ。本当に会いたい人物と会う際、両手で握手を行い、体を寄せ合うように接近するのとは全く異なる姿だ。
習主席の会見後に出された発表文はまるで北朝鮮に対する訓戒だった。発表文は「中国の立場は非常に明確だ」と前置きした上で「情勢がどう変わろうと、関連国は朝鮮半島の非核化という目標を堅持しなければならない」と指摘した。連続する三つの文章で3回も非核化を強調した。中国の公式メディアが見出しに取ったのもこの部分だった。金第1書記が「核保有国」であることを宣言し、寧辺の出力5メガワットの原子炉を再稼働したことに対する叱責と見なすことができる。
習主席は昨年11月、第18回共産党大会で総書記に就任した時点では、北朝鮮に友好的な態度を取るとみられた。金日成(キム・イルソン)主席の1歳下で、中・朝同盟の時代を生きた父親、習仲勲元副首相の大きな影響を受けたとの見方が有力だった。
しかし、習主席が崔局長との会見で見せた姿は、ハーバード大の経済史学者、ニーアル・ファーガソン教授の見方が決して先走ったものでないことを示唆した。
ファーガソン教授は先月、あるメディアのインタビューで

「中国の新指導部が北朝鮮との関係を全面的に見直している。中国は今、北朝鮮を切り捨てるか、抱きかかえていくかという選択肢を天秤にかけている」

とした上で

「中国は(韓国と北朝鮮の)南北統一と韓半島朝鮮半島)の非核化、在韓米軍の撤収を交換条件にする戦略的選択を行う可能性がある」

と指摘した。
もちろん、中国の北朝鮮に対する立場が画然と変化したわけではない。しかし、昨年12月の長距離ミサイル発射後、5カ月にわたり「妄動」を続ける北朝鮮に対し、中国国内で新たな気流が起きていることは確かだ。
韓国の金塾(キム・スク)駐国連大使が記者団に対し「中国が北朝鮮に対し憤怒と屈辱感を感じている」と述べたのは示唆するところが大きい。中国のインターネット上では、3回目の核実験、中国漁船拿捕等の北朝鮮の蛮行に対する非難が相次いでいる。
現在は北朝鮮に怒りや屈辱感を持つ中国人が増えている状況を積極的に活用し、北朝鮮の変化を引き出す「中国活用論」の論議が求められる。1カ月後の韓・中首脳会談に向けた準備を行う上で、それが第1の課題になるべきことは言うまでもない。



※「親北勢力は胸に手を当てて考えて欲しい。もし、あなたの子供たちが食べ物に飢えて栄養失調になり、骨だけの痩せ細った体で勉強を諦め、市場のゴミ捨て場を漁っていたら、どんな気持ちになるだろうか。そうせざるを得ない社会に憧れを持つことなど出来るだろうか」
脱北者Aさん。脱北者手記集より)