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【みんな生きている】困窮脱北者編

北朝鮮による暴行が原因で困窮した脱北者に韓国検察が「大岡裁き」》

「あれほど望んでいた韓国でこんなふうに暮らすようになるとは思いもしなかったが、チャンスをもらえるなら社会に恥じない人間として再出発したい」

北朝鮮で11歳のときに親を失い、孤児として暮らしていたAさん(28歳)は、2006年に脱北し、中国、ラオス、タイを経て2007年9月7日に韓国へ入国した。脱北者のための学校「黎明学校」で学び小中等学力検定試験に合格し、高校課程に通った。Aさんはインターネットカフェやコンビニなどでアルバイトしながらも、専門大学(短大に相当)に進学してパソコン関係の仕事に就くという夢を捨てていなかった。
ところが、Aさんは2011年からネットカフェを渡り歩くようになった。脱北の際に北朝鮮の国家安全保衛部(秘密警察)に捕まり、鼻や目、頭の骨が折れ、その手術費として400万ウォン(約34万円)を借りたため、賃貸保証金750万ウォン(約63万円)を差し押さえられ、家を立ち退かざるを得なくなったのだ。
一人で脱北し頼る場所がなかったAさんは、暖かくて仕事も探せるネットカフェを転々とした。だが、仕事は見つからず収入もなく、2011年11月からの1年間で9回にわたりネットカフェの料金未払い容疑で警察に立件された。1月15日にはついに、ソウル市城東区のネットカフェで料金2万4800ウォン(約2,100円)を払わなかったとして逮捕された。犯行が10回に上り、常習性があると判断されたためだ。逮捕時はシャツにセーター姿で上着も着ておらず、ポケットに入っていたのは残金1,000ウォン(約84円)の交通カード(タッチ式の地下鉄・バス乗車カード)1枚だけだった。
城東警察署捜査課の捜査官たちは、Aさんのこうした気の毒な事情を担当の検事に伝えた。担当のユン・ソンヒョン検事(43歳)が検察市民委員会に回付して市民の判断を仰いだところ、満場一致で釈放との議決が出た。ユン検事と捜査官は未納の罰金45万ウォン(約3万8000円)を代わりに納付し、上着とマフラーも買い与えた。
ソウル東部地検長もAさんに30万ウォン(約2万5000円)を提供した。また、ネットカフェの経営者も処罰しないよう求める嘆願書を提出した。
城東警察署の保安係職員も動き、Aさんに区内アパレル会社への就職を斡旋した。
だが、まだ解決すべき問題が残っている。別のネットカフェでの料金未払いで仁川地裁に起訴され、近く初公判が開かれる予定だ。Aさんは

「支払える額の罰金で済むなら再スタートを図りたい」

と話している。



※「親北勢力は胸に手を当てて考えて欲しい。もし、あなたの子供たちが食べ物に飢えて栄養失調になり、骨だけの痩せ細った体で勉強を諦め、市場のゴミ捨て場を漁っていたら、どんな気持ちになるだろうか。そうせざるを得ない社会に憧れを持つことなど出来るだろうか」
脱北者Aさん。脱北者手記集より)