無題 - もずの独り言・はてなスポーツ＋物置

寝る前に書くことにタイトルなんか付けない。

今日の大河ドラマ
『真田丸』
「もはやこれまで…父上、申し訳ございませぬ」
（武田勝頼／平　岳大）

天目山頭鼓聲死。
“天目山頭に鼓声死し”
萬槊指天萃乱矢。
“万槊天を指して乱矢萃る”
乃爺有志豎子継。
“乃爺に志有り豎子よ継げ”
送頭遥向京城市。
“頭を送りて遥かに向ふ京城の市”
個兒猶被敵手屠。
“個児は猶敵手に屠らる”
君家豚犬死家奴。
“君が家の豚犬は家奴に死す”

↑は頼　山陽の楽府詩『天目山』だ。
天目山の戦いを６行４２文字にまとめた傑作である。
武田勝頼は武田家を継いだのち、何の足しにもならない消耗戦を繰り返し、結局家を滅ぼしてしまった。
勝頼は常に「父よりも自分を大きく見せなければ」と思っていた。そのため、大きく見せるために近隣出兵を繰り返した。
長篠合戦のあとも武田家は近隣に影響力を保持したが、信長の腰を据えた調略の前に徐々に弱体化していき、滅亡を迎えた。
勝頼が自刃する際、どんなことが胸を去来したのかはわからないが、長篠合戦で老臣の多くを失い、また、天目山の戦いを前に譜代の臣が相次いで勝頼のもとを離れたことを思うと、無念の気持ちが強かったのではないかと思う。
今シーズンの「今日の大河ドラマ」のコーナーは今日までだが、今日は『天目山』の意訳で今シーズンの結びに代えたい。

天目山にもう武田軍の陣太鼓は鳴らない。
織田軍の万本の槍は天を指し、矢は武田軍に降り注ぐ。
信長は「おまえの親父の信玄入道は上洛の志有りながら果たせず道中で果てたので、不肖の息子のおまえにその志を継がせてやろう」と言い、
勝頼の首を京都の市街地に梟すことにした。
だが信長公、勝頼はそれでも戦って敵の手にかかって死んだのに、
あなたの不肖の御子たちは、家臣の手で豚や犬のように屠られたではないですか。

※今日の大河ドラマのコーナーは、プロ野球期間中はお休みします。

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