無題 - もずの独り言・はてなスポーツ＋物置

寝る前に書くことにタイトルなんか付けない。

From out of
nowhere you came
strong as stone

サキどり↑

、今週は「下水に光を！活用しよう下水資源」

■下水の現状

◆全国の１日あたりの下水量／４，０００万ｔ
◆１日あたりの下水処理費用／２５億円

■佐賀市下水浄化センター

このセンターでは下水を生物的に処理する。センター内にある反応タンクで処理が行われる。
生物的な処理というのは、タンク内にいる１００種類以上の微生物が下水の中の汚れをきれいに食べてくれることを指す。
生物的に処理された下水はきれいな水と汚物に分離される。
その汚物の処理は、一般的に莫大な費用をかけて焼却処分される。
佐賀市下水浄化センターではこの汚物を農業用肥料に再生させるのだ。
汚物にアミノ酸等の数種類の栄養源を混ぜ込んで１ヶ月寝かせて農業用肥料に再生させる。その量、年間１，４００ｔ。また、量産化のために専用の工場も作った。
汚物と分離した水は塩素処理を施して住民に無料で提供。下水を余すところ無く再利用しているのだ。
佐賀市下水浄化センターでは８年前から下水処理のコスト削減に取り組んでいて、この方法で汚物処理に使われていた薬品コスト年間３，５００万円と焼却コスト年間５，０００万円の削減に成功した。

■低価格で住民に提供

浄化センターで作られた肥料は低価格で住民に提供される。
下水肥料を使ったアスパラガス農家では収穫量が上がり、味もおいしくなった。
この農家からアスパラガスを仕入れている野菜レストランでは「（よそのアスパラガスとは）全く違う。野菜のおいしさがある」と話し、焼鳥屋では「喜ばれるお客様が多い」と話す。
アスパラガス農家の女性は

「これ下水（の肥料）なんだって再認識した」

と嬉しそうだった。

■日本土壌協会の分析

東京都文京区にある一般財団法人・日本土壌協会。
この協会では土壌や肥料の分析・評価をしている。
去年、国の要請で下水肥料を分析。一般的な有機肥料・化学肥料と下水肥料を比較分析した。
その結果、一般的な肥料と比べて

▽農作物の糖度が高い
▽えぐ味・苦味の成分が減少

という分析結果が出た。
日本土壌協会は

「（広く一般的に）使っていける可能性が、味の面からも保証されてきたと思う」

としている。

■「ビストロ下水道」

佐賀市下水浄化センターでは「ビストロ下水道」という勉強会を定期的に開催している。
「ビストロ下水道」では下水肥料の正しい使い方や、成分がどんな野菜に適しているかの勉強会を開催している。
勉強会には新規就農者も参加していて、下水処理のみならず、新規就農者の支援にもつながっている。

■新潟県十日町市の保育園

この保育園では、去年１２月に下水の熱回収設備を利用した空調設備を導入した。
その結果、これまで２日に１回ストーブに灯油を入れていたのが、今では２週間に１回と大幅に減った。保育園では灯油の費用がこれまでの７分の１まで減少した。
部屋の外に設備があり、その設備の先の外のマンホールにチューブがたくさん入っている。
マンホールの中の下水の熱だけを取って１ヶ所に集め、その熱を熱回収設備を通して部屋を暖める。
下水管の熱は常時１５度～２０度と一定していて、チューブの中に液体を流すことで熱を取り出して回収設備に送り込む。

■千葉県浦安市の建設会社

熱回収設備に使うチューブを作っているのが、この会社。
下水の流れを妨げないよう、チューブを下水管の底に確実に固定しなければならない。そのため、特殊な技術が必要だ。
光硬化工法と呼ばれるヨーロッパ生まれの工法で、ガラスを何枚も重ねた素材に不飽和ポリエステル樹脂を塗り、そこへ、チューブを下に敷くようにして素材を下水管の中に引き込む。
引き込んだら空気を入れて膨らまし、ＵＶライトトレインという機械を下水管の中に入れる。ＵＶライトトレインはおよそ１，０００ｗの光を出す。光を当てることで不飽和ポリエステル樹脂が固まり、チューブが固定される。
この会社の社長は光硬化工法について

「コンクリートの下水管は５０年～７０年で償却する。そのとき、どのような補修をするのか」

と、下水管修復と熱利用の両立のために光硬化工法は必要だと話した。