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【みんな生きている】拉致被害者・特定失踪者再調査編/NHK[全国]

横田めぐみさんの両親等、拉致被害者の家族たちが茨城県で開かれた大規模な集会に出席し、北朝鮮拉致被害者等の全面的な調査を行うと約束したことについて、「今度こそすべての被害者が日本に帰国できるようにしてほしい」と世論の後押しを求めました。
茨城県那珂市で開かれた集会では、拉致被害者の家族会代表で田口八重子さんの兄の飯塚繁雄さん(75歳)が、先月、自分の弟が八重子さんとの再会を果たせないまま亡くなったことに触れ、

「時間の重みを感じざるをえない。家族に残された時間は少なく、北朝鮮にいる被害者も体を悪くしているかもしれない」

と危機感を訴えました。
そのうえで、

「今が千載一遇のチャンスではあるので、政府が北朝鮮にだまされないように世論の支援をお願いしたい」

と話しました。
横田めぐみさんの父親の滋さん(81歳)は

「今回の動きは小泉政権以来の本格的なものであり、政府は今度こそすべての被害者が日本に帰国できるようにしてほしい」

と訴えました。
また、母親の早紀江さん(78歳)は

「心を尽くして育てた女の子が何の罪もないのに連れ去られたままで、孫には会えてもめぐみには会えず、思うことしかできません。まだ厳しい状況が続くと思いますが、倒れるまでは、めぐみのことを思い続けて頑張りたい」

と話しました。
集会には、拉致の可能性が排除できない行方不明者の調査をしている民間団体・特定失踪者問題調査会(調査会)の荒木和博代表も出席し、

「何人か帰って来た時点で、それが全面解決にすり替えられないか危惧しています。そういうごまかしは、他の被害者の切り捨てになるので絶対にしてはいけない」

と強調しました。


■再調査と横田めぐみさんの両親

37年前に中学1年生の娘を拉致された横田めぐみさんの両親は、高齢となった今も、救出活動にほとんどの時間を費やしています。
10年前、2004年の前回の再調査で、北朝鮮の調査委員会は「めぐみさんのものだ」とする遺骨を出してきましたが、鑑定の結果、遺骨からは別人のDNAが検出されました。また、「亡くなる前に入っていた病院のカルテ」として出してきた書類に記された人の年齢が、めぐみさんの当時の年齢と明らかに異なるなど、調査そのものの信ぴょう性が疑われるものでした。
前回の調査に大きく翻弄された両親は、今月中にも始まるとされる再調査を前に、期待と不安の両方を抱えながらの活動となっていて、不十分な結果で拉致問題の幕引きが図られないよう、いま一度、世論の後押しを求めていく考えです。
6月1日も、集会に出席するため電車を乗り継いで茨城県に向かった両親。
道中、母親の早紀江さん(78歳)は

「体力的にギリギリですが子どもを帰してもらうまでは頑張るしかない。北朝鮮がどこまで本気なのかまだ見えませんが、調査の結果次第では、国際的にもダメージを受けることは分かっていると思う。世論と国際社会の目がこれまでと違ってきているので期待したい」

と話していました。


■広がった再調査の対象

今回合意された調査の対象には、拉致被害者の他、拉致された可能性が排除できない行方不明者が含まれています。
この行方不明者のうち、民間の団体が独自に調べている、いわゆる「特定失踪者」がおよそ470人、これと一部重なるものの、全国の警察が捜査・調査している不明者が860人います。
また、終戦前後の混乱のなか北朝鮮領内で亡くなった日本人の遺骨や墓地、それに、昭和34年から始まった帰還事業で在日韓国・朝鮮人の夫とともに北朝鮮に渡った、いわゆる「日本人妻」も対象で、日本人行方不明者に関する全面的な調査が行われることになっています。

◆昭和52(1977)年11月15日
少女拉致容疑事案
被害者:横田めぐみさん(拉致被害時13歳)
新潟市において下校途中に失踪。
平成16年11月に開催された第3回実務者協議において、北朝鮮側はめぐみさんが1994(平成6)年4月に死亡したとし「遺骨」を提出したが、めぐみさんの「遺骨」とされた骨の一部からは同人のものとは異なるDNAが検出されたとの鑑定結果を得た。
平成18年4月には日本政府の実施したDNA検査により、横田めぐみさんの夫が昭和53年に韓国より拉致された当時高校生の韓国人拉致被害者・金英男(キム・ヨンナム)氏である可能性が高いことが判明した。

※「拉致された人たちが家族のところに帰るのは人間として当たり前のこと」
横田早紀江さん。拉致被害者横田めぐみさんの母)

◆昭和53(1978)年6月頃
李恩恵(リ・ウネ)拉致容疑事案
被害者:田口八重子さん(拉致被害時22歳)
昭和62年11月の大韓航空機(KAL)爆破事件で有罪判決を受けた元北朝鮮諜報員金賢姫(キム・ヒョンヒ)氏は「李恩恵(リ・ウネ)」という女性から日本人の振る舞い方を学んだと主張している。この李恩恵は行方不明となった田口さんと同一人物と考えられる。
北朝鮮側は、田口さんは1984(昭和59)年に原 敕晁さんと結婚し、1986(昭和61)年の原さんの病死後すぐに自動車事故で死亡したとしているが、これを裏付ける資料等の提供はなされていない。
平成21年3月、金賢姫氏と飯塚家との面会において、金氏より田口さんの安否にかかる重要な参考情報(注)が新たに得られたことから、現在、同情報についての確認作業を進めている。

《特定失踪者・小林 榮さんについて》
◆氏名:小林 榮
(こばやしさかえ)
◆失踪年月日:昭和41(1966)年8月21日
◆生年月日:昭和18(1943)年4月29日
◆性別:男
◆当時の年齢:23歳
◆身長:160cm
◆体重:60kg
◆当時の身分:印刷会社社員
◆当時の住所:東京都千代田区神田猿楽町
◆特徴:
1)昭和41年頃、「ボクシングをやるためにジムに入る」と言っていた。
2)活動的で中学時代は陸上部に入りマラソンなどをしていた。
◆失踪場所:東京都千代田区

【失踪状況】
数日来体調を崩し仕事は休んでおり、当時住み込みで働いていた印刷会社から「医者に行く」と会社の者に言い残し外出したまま行方不明になっている。
失踪する心当たりはなく、身の周りのもの、荷物などいつもの通りだった。
失踪1カ月して勤務先の社長から失踪した旨の手紙が実家に来た。
昭和35年頃から失踪当時の印刷会社で働いていた。

《特定失踪者・根本直美さんについて》
◆氏名:根本 直美
(ねもとなおみ)
◆失踪年月日:昭和62(1987)年6月20日
◆生年月日:昭和47(1972)年1月15日
◆性別:女性
◆当時の年齢:15歳
◆身長:168cm
◆体重:52kg
◆当時の身分:高校1年生
◆当時の住所:茨城県藤代町
◆特徴:
1)やせ形
2)近視
3)右のももに子供の頃やけどの跡が薄く残っている
◆失踪場所:茨城県藤代町の自宅近く

【失踪状況】
テニス部の部活を終え下校する。
途中まで友達と一緒に帰り、午後7時頃その友達と別れて以後行方不明。
友達と別れた交差点から自宅までの中間地点にある神社の近くで自転車と本人のバッグが見つかった。

《特定失踪者・松岡伸矢さんについて》
◆氏名:松岡 伸矢
(まつおかしんや
◆失踪年月日:平成元(1989)年3月7日
◆生年月日:昭和59(1984)4月13日
◆性別:男
◆当時の年齢:4歳
◆当時の住所:茨城県牛久市
◆特徴:
1)左利き
2)右眉上に米粒大のうすい傷跡
◆失踪場所:徳島県美馬郡貞光町の親戚宅前

【失踪状況】
前日3月6日、両親と共に徳島県小松島市で祖母の葬式に出席。その夜は親戚宅で就寝。
朝起きて8時15分頃、父・姉・弟・従姉妹と親戚宅前を数分散歩。玄関から入ってこなかったので、父は抱いていた弟を家の中の母に渡し、すぐに玄関先に出てみたが、そこにいたはずなのにいなくなっていた。
すぐに家族で手分けして探し、昼過ぎには警察に通報し、警察犬も出動。警察・消防・地元市民による大規模な山狩りもしたが消息不明。
3月15日頃の夜、親戚宅にいる母親宛に徳島弁の女性から不審な電話があった。
13年間テレビ番組などを通じ探したが手がかりなし。
また、平成元年4月の終わりか5月の終わりに徳島県海部郡日和佐町の弁天浜の岸壁で「伸矢さんによく似た子供を抱いて海を見ていた不審な男性を目撃した」という情報がある。
日和佐は北朝鮮の船が来航する港の一つ。

《特定失踪者・松井綾子さんについて》
◆氏名:松井 綾子
(まついあやこ)
◆失踪年月日:平成10(1998)年12月3日
◆生年月日:昭和51(1976)年9月14日
◆性別:女性
◆当時の年齢:22歳
◆身長:156cm
◆当時の身分:臨床検査技師として病院に勤務
◆当時の住所:茨城県水戸市元吉田町
◆特徴:近視
◆失踪場所:茨城県水戸市のアパート

【失踪状況】
12月3日8:20、病院に「調子が悪いので休む」と電話があった。
4日病院を無断欠勤。
検査課の人がアパートへ確認に行く。
車なし、ドア施錠。
病院から実家に電話があり、家族が部屋に入るが室内物色された形跡なし。
12月4日8:28、国道6号線茨城町のGSで給油(本人自筆で確認)。
12:05、ローソン調子黒生店で昼食購入。
12月15日に神栖町海浜公園多目的広場駐車場で自家用車発見。
運転席側のロックなし、6,000円入りの財布が助手席に置かれた黒バックに残されていた。

茨城県警公開特定失踪者・澤田美智子さんについて》
◆氏名:澤田 美智子
(さわだみちこ)
◆当時の年齢:19歳
◆当時の職業:元会社員
◆当時の住所:茨城県日立市
福島県いわき市出身
◆身長:150cm

【失踪状況】
昭和47年2月27日、会社の寮から出かけたまま行方不明となっています。



拉致事件、捜査の現状】
北朝鮮による拉致事件を巡り、日本の警察はこれまで実行犯や指示役として北朝鮮の元工作員たち合わせて11人を国際手配しています。
拉致には金正日キム・ジョンイル)総書記が掌握していた対外情報調査部と呼ばれる工作機関が組織的に関わっていた疑いが強いと見て捜査を続けています。
このうち、福井県の地村保志さん・富貴恵さん夫妻を拉致した実行犯として元工作員辛光洙シン・グァンス)容疑者が手配されています。
また、大阪府の原 敕晁さんが拉致された事件では、辛容疑者とともに金吉旭(キム・キルウク)容疑者も共犯者として手配されています。
この他、東京都の久米 裕さん拉致事件では金世鎬(キム・セホ)容疑者が、新潟県曽我ひとみさん拉致事件にはキム・ミョンスク容疑者がそれぞれ関わったとして手配されています。
北海道出身の渡辺秀子さんの子供2人の拉致事件では、工作員グループのリーダー格で北朝鮮にいると見られる洪寿恵(ホン・スヘ)こと木下陽子容疑者が手配されています。
新潟県の蓮池 薫さん・祐木子さん夫妻の拉致事件ではチェ・スンチョル容疑者が実行犯として手配されている他、金総書記が掌握していた対外報調査部と呼ばれる北朝鮮の工作機関の幹部であるハン・クムニョン容疑者とキム・ナンジン容疑者が拉致の実行を指示したとして手配されています。
ハン容疑者たちは工作機関で「指導員」と呼ばれる立場で、辛光洙容疑者たちもこの組織の一員だったことがわかっており、警察は北朝鮮が組織的に拉致を実行した疑いが強いと見て捜査を続けています。
よど号ハイジャック事件のメンバーたちも1980年代にヨーロッパで相次いだ3人の日本人拉致に関わった疑いで国際手配されています。
このうち、有本恵子さん拉致事件では魚本公博(安部公博)容疑者が、石岡 亨さんと松木 薫さん拉致事件ではよど号メンバーの妻の森 順子・若林佐喜子両容疑者がそれぞれ手配されています。