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【みんな生きている】拉致被害者・特定失踪者再調査編/NHK[福井]

スウェーデンで行われた北朝鮮との政府間協議で、北朝鮮拉致問題等で包括的、全面的調査を行うと約束したことを受けて、福井県内では一刻も早い問題解決を望む声が聞かれました。
拉致被害者小浜市の地村保志さんと富貴恵さん夫妻は

「今回こそ拉致問題が全面的に解決されるよう期待しております。今後の拉致問題の進展に注視していくとともに、いまだ帰国できていない拉致被害者や特定失踪者のすべてのみなさんが早期に祖国に帰国できるよう心より願っています」

とコメントしています。
拉致被害者の地村富貴恵さんの兄の浜本雄幸さんは

「今まで北朝鮮にだまされた時もあったが、今回は日本政府が強硬な姿勢に出たことからこうした合意につながったのだと思う。私たち拉致被害者家族は、年を取り、一日一日を生きていくことも大変な状況なので、一刻も早く解決して欲しいです」

と話していました。
県内の拉致被害者たちの支援を続けてきた「北朝鮮に拉致された日本人を救出する福井の会」の池田欣一会長は

拉致被害者の家族は高齢化し、亡くなる人もいるので、関係者がいなくならないうちに解決して欲しい。北朝鮮側が立ち上げる特別調査委員会に、日本のメンバーも入れる等、日本側も遠慮せずに主張し、目に見える成果が出ることを期待している」

と話しています。
北朝鮮拉致被害者や、拉致された可能性が排除できない、いわゆる特定失踪者の包括的、全面調査を行うと約束したことについて、特定失踪者・宮内和也さんの義理の兄で県特定失踪者家族会の澤 香苗代表は、

「特定失踪者の家族にとって拉致問題が進展することが大切だ。政府は、北朝鮮の対応を今後もしっかり見極めながら特定失踪者を一人残らず帰すという意気込みで取り組んでもらいたい」

と話していました。
地村さん夫妻の地元・小浜市の松崎晃治市長は

北朝鮮拉致被害者や特定失踪者の全面的調査を行うと約束したことについて、誠実に調査を履行することを望むとともに、拉致被害者および特定失踪者等を含む拉致問題の一日も早い全面解決を期待します」

とコメントを発表しました。

◆昭和53(1978)年7月7日
アベック拉致容疑事案
被害者:地村保志さん(拉致被害時23歳)
被害者:地村富貴惠さん(旧姓:濱本)(拉致被害時23歳)
「二人でデートに行く」と言って出かけて以来、失踪。
2人は昭和54年に結婚。
平成14年10月に日本に帰国。
娘1人と息子2人は平成16年5月に帰国。
捜査当局は、拉致実行犯である北朝鮮工作員辛光洙シン・グァンス)について、平成18年2月に逮捕状の発付を得て国際手配するとともに、政府として北朝鮮側に身柄の引渡しを要求している。

※「(拉致実行犯に担がれて)一歩一歩下りるとき、犯人の肩がお腹にめり込んで痛かった」
(地村富貴恵さんの証言)

《特定失踪者・宮内和也さんについて》
◆氏名:宮内 和也
(みやうちかずや)
◆失踪年月日:平成9(1997)年4月24日
◆生年月日:昭和40(1965)年1月27日
◆性別:男
◆当時の年齢:32歳
◆当時の身分:公務員
◆当時の住所:福井県三方上中郡若狭町
◆特徴:右利き
◆失踪場所:福井県三方郡三方町世久見の世久見漁港

【失踪状況】
失踪翌月に三方町世久見のB&G海洋センターでカヌーの研修(本人はインストラクター)が予定されており、ナホトカ号重油流出事故の影響で海岸が汚れていないか確認のため出かける。
当日、世久見岸壁で海を見ている宮内さんが目撃されているが、その夜帰宅せず。後に世久見漁港から数百メートル離れた海岸のテトラポッドにカヌーが折れて突き刺さっているのが発見され、さらにその近くで宮内さんの上着が発見された。上着は石が重しのように乗せられていた。
カヌーのパドル(櫂)とライフジャケットは艇庫に置いたままだった。

《特定失踪者・山下春夫さんについて》
◆氏名:山下 春夫
(やましたはるお)
◆失踪年月日:昭和49(1974)年8月17日
◆生年月日:昭和21(1946)年3月25日
◆性別:男
◆当時の年齢:28歳
◆当時の身分:会社員
◆当時の住所:福井県小浜市
◆特徴:
1)色白
2)角張った顔
◆失踪場所:北陸・福井県小浜市一番町

【失踪状況】
8月16日会社近くで夕涼みを兼ねて夜釣りに行くと出かけたまま失踪。本人の作業靴が発見されている。
失踪2か月前に小浜市の岡津(おこづ)海岸から高敬美・剛姉弟が連れ出されたとされる。
山下 貢さん、宮内和也さん、林 雅俊さんも近隣地域からの失踪だが、この地域は過去も現在も頻繁に工作員の出入りが行われている地域である。

福井県警公開特定失踪者・駒野 孝さんについて》
◆氏名:駒野 孝
(こまのたかし)
◆当時の年齢:24歳(平成元年当時)
◆当時の住所:新潟県柏崎市
◆当時の職業:会社員
◆身長165?くらい
◆特徴:目尻(左右不明)に手術痕

【失踪状況】
平成元年1月、「床屋に行く」と言って自宅を出たまま、行方不明になっています。
その後、福井県坂井市三国町安島で使用車両が発見されました。



拉致事件、捜査の現状】
北朝鮮による拉致事件を巡り、日本の警察はこれまで実行犯や指示役として北朝鮮の元工作員たち合わせて11人を国際手配しています。
拉致には金正日キム・ジョンイル)総書記が掌握していた対外情報調査部と呼ばれる工作機関が組織的に関わっていた疑いが強いと見て捜査を続けています。
このうち、福井県の地村保志さん・富貴恵さん夫妻を拉致した実行犯として元工作員辛光洙シン・グァンス)容疑者が手配されています。
また、大阪府の原 敕晁さんが拉致された事件では、辛容疑者とともに金吉旭(キム・キルウク)容疑者も共犯者として手配されています。
この他、東京都の久米 裕さん拉致事件では金世鎬(キム・セホ)容疑者が、新潟県曽我ひとみさん拉致事件にはキム・ミョンスク容疑者がそれぞれ関わったとして手配されています。
北海道出身の渡辺秀子さんの子供2人の拉致事件では、工作員グループのリーダー格で北朝鮮にいると見られる洪寿恵(ホン・スヘ)こと木下陽子容疑者が手配されています。
新潟県の蓮池 薫さん・祐木子さん夫妻の拉致事件ではチェ・スンチョル容疑者が実行犯として手配されている他、金総書記が掌握していた対外報調査部と呼ばれる北朝鮮の工作機関の幹部であるハン・クムニョン容疑者とキム・ナンジン容疑者が拉致の実行を指示したとして手配されています。
ハン容疑者たちは工作機関で「指導員」と呼ばれる立場で、辛光洙容疑者たちもこの組織の一員だったことがわかっており、警察は北朝鮮が組織的に拉致を実行した疑いが強いと見て捜査を続けています。
よど号ハイジャック事件のメンバーたちも1980年代にヨーロッパで相次いだ3人の日本人拉致に関わった疑いで国際手配されています。
このうち、有本恵子さん拉致事件では魚本公博(安部公博)容疑者が、石岡 亨さんと松木 薫さん拉致事件ではよど号メンバーの妻の森 順子・若林佐喜子両容疑者がそれぞれ手配されています。