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【みんな生きている】脱北者強制送還編/時事通信

中国外務省の華春瑩・副報道局長は2月18日の記者会見で、国連人権理事会の国際調査委員会(COI)が北朝鮮の人権侵害をめぐり国際刑事裁判所(ICC)への付託を安保理に勧告したことを受け、「付託は人権状況改善に役立たない」と反対する考えを示した。ただ、安保理で中国が拒否権を発動する可能性については「仮定の質問には答えない方がよい」と明確な回答を避けた。
中国が北朝鮮からの脱出者を送還していることが人権侵害を助長していると批判されたことについては、「そうした非難は受け入れられない」と反発。「違法に入国した朝鮮人の問題に対しては、国内法と国際法人道主義の原則に基づいて適切に処理している」と正当性を主張した。
華副局長は「我々は平等と相互尊重の精神に基づき、建設的な対話を通じ、人権問題での相違に対応することを主張している」と訴えた。



《参考・脱北者送還問題》

【「超大国」としての中国が脱北者問題で取るべき道とは?(2012年)】

2003年~2004年にかけてのことだ。
中国が北朝鮮脱北者を強制送還すると、北朝鮮の兵士たちは中国側の警備隊が見ている前で残虐にも脱北者たちを拷問した。北朝鮮の兵士たちは脱北者たちを一列に並べ、男女問わずに鎖骨と肩甲骨の間に鋭い鉄線を突き通し、まるで干し魚のように縛って連行した。
ところが、脱北者の数が増えて鉄線が足りなくなると、今度は掌を貫通させて縛った。脱北者たちの泣き叫ぶ声が響き渡り、辺り一面が血の海と化す光景を目の当たりにした若い中国人兵士たちは途方に暮れ、脱北者たちが連行されて行く様子を目にしても見て見ぬ振りをする他無かったという。
その後、中国政府は北朝鮮に対し、強制送還された脱北者に対する非人道的な行為を改善するよう要求した。
北朝鮮金正恩キム・ジョンウン)第1書記は最近、脱北者について「祖国を裏切った連中は三族もろとも罰するように」と指示した。現在、中国の東北部に抑留されている脱北者たちが強制送還されれば鉄線以上の拷問を受けるのは間違いない。
中国もこうした事実をよく理解している。中国は表向きには脱北者の処遇について強硬姿勢を貫いているように見えるが、実のところ内部では頭を抱えている。脱北者の人権を優先すれば脱北者が急増して北朝鮮の社会が不安定化する恐れがあり、北朝鮮政府の要求に従えば国際社会の強烈な批判に直面することになるからだ。
しかし、今後は中国も決断を迫られるだろう。何故なら、中国が脱北者を強制送還した場合、得るものは1つだが失うものは3つもあるためだ。
まず、得るものとは北朝鮮の一時的な安定だ。強制送還は北朝鮮からの脱出を抑制させ、北朝鮮政権の延命に多少は役立つことになる。しかし、それによって中国は韓国との関係が悪化し、極少数の北朝鮮上層部を除いた7,000万人の韓民族に大きな傷を与え、国際社会から「人権を軽視する国」というレッテルを貼られるようになることを肝に銘じるべきだ。
中国は「脱北者たちは難民ではなく、経済的動機で国境を越える不法移住者だ」と主張しているが、この認識はあまりにも現実からかけ離れたものだ。
親を探し求めて川を渡った青年や死ぬ前に韓国にいる家族を一目見ようと脱北した北朝鮮の兵士たちが、「3度の食事」が解決されたところで果たして北朝鮮に戻るだろうか?
夫が他界したあと、子供たちを連れて中国に脱北した女性を北朝鮮に送還することで、本当に幸せに暮らしていけると保障出来るのだろうか?
北朝鮮の食糧が増えれば脱北者の数も減るのだろうか?
答えは全て「NO」だ。
実際は、食べることよりもさらに大きな問題である人権が保障されていない。
1980年~1990年代にアメリカが中国の人権状況に対して批判を浴びせた際、中国は「13億人が食べていけること自体が最大の人権」と回答した。
そう言ってのけた中国が今、「北朝鮮の住民の飢えは人権問題ではない」と主張して脱北者を死地に追いやっている。中国は脱北者問題が「国際問題化」されることに反対しているが、合理的な解決策に目もくれずに脱北者問題が国連で審議される事態を招いてしまったのも、元を正せば中国の責任だ。
中国がG2(主要2ヶ国)として国際社会から信頼と尊敬を勝ち取るには、脱北者問題で新たな立場を選択しなければならない。それは、北朝鮮から逃れて来た青年や離散家族、子連れの女性に対しては少なくとも人道的な立場から第三国行きを容認するということだ。
故・トウショウヘイ氏が1992年、金日成(キム・イルソン)主席に「韓国との修交は不可欠だ」と説いたように、胡錦濤国家主席も正恩氏に「脱北者問題に関する限り、我々は我々の道を行く」と主張出来なければならない。
これこそ、中国が「文明大国」を目指して歩むべき道ではないか。

【三族】
親・兄弟・妻子のこと。



※「親北勢力は胸に手を当てて考えて欲しい。もし、あなたの子供たちが食べ物に飢えて栄養失調になり、骨だけの痩せ細った体で勉強を諦め、市場のゴミ捨て場を漁っていたら、どんな気持ちになるだろうか。そうせざるを得ない社会に憧れを持つことなど出来るだろうか」
脱北者Aさん。脱北者手記集より)