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【みんな生きている】COI編

北朝鮮内の人権問題と脱北者の人権問題》

「(脱北して韓国に定着したものの北朝鮮に戻り、その後再び脱北した)キム・グァンホさんの家族に関する記事を読んだ。北朝鮮関連の書籍に『脱北者の50%はまた北に戻りたいと言っている』と書いてあった。よく分からない。理由は一体何か」

北朝鮮の人権蹂躙を調査するため韓国を訪れた、国連の北朝鮮に関する調査委員会(COI)のマイケル・キルビー委員長は8月20日、国家人権委員会北朝鮮関連の人権団体代表約30人と会った際、このような質問を投げ掛けた。
人権団体の代表たちは

脱北者の半数が北朝鮮に戻ることを望んでいるというのは、事実ではない。韓国で暮らすのが大変なので(誇張して)訴えている。脱北者の訴えを言葉通りに受け取って誤解したのではないか」

と説明した。
人権団体の代表たちが釈明している通り、また北朝鮮に戻りたいという脱北者はほとんどいない。しかし、その時たまたま起こったキム・グァンホさんの問題は、脱北者が韓国に定着する過程で生じる問題点を浮き彫りにした。
COIの調査員たちは、北朝鮮の人権蹂躙を調査するために韓国を訪れたが、韓国に定着した脱北者の人権問題も深刻だと感じたようだ。
COI委員の懸念も全く理解できないわけではない。韓国社会で冷遇され差別されてきた脱北者が「いっそ『朝鮮族』のふりをした方がまし」と語るほど、韓国社会は脱北者問題を含む北朝鮮の人権問題に無関心だ。ラオスで発生した脱北青少年の強制送還等、衝撃的な報道があったときだけ急に関心が高まる。
国連で満場一致で設立されたCOIのメンバーが韓国を訪れ、北朝鮮の人権侵害の事例を調査しているが、当の韓国では北朝鮮人権法すら与野党間の政争で葬られ、9年経ってもまだ制定されていない。北朝鮮の食糧・児童・女性問題等に詳しい専門家がCOIの協力要請を、「時間がない」といって拒絶するケースもあるという。
COIの調査活動を支援している「北朝鮮における『人道に対する罪』を止める国際NGO(非政府組織)連合(ICNK)」のクォン・ウンギョン事務局長は

「国際社会が先頭に立って北朝鮮の人権問題を調査しているにもかかわらず、(韓国社会が)これに関心を持たず協力も不十分なため、残念に思う」

と語った。
韓国の朴槿恵(パク・クンヘ)大統領は、8月15日に行った演説で「統一」を強調した。統一後、北朝鮮の統治下で苦しんできた人々から「私たちが苦しめられていたとき、あなたは何をしていたのか?」と尋ねられたら、韓国人は何と答えればよいのだろうか。



※「親北勢力は胸に手を当てて考えて欲しい。もし、あなたの子供たちが食べ物に飢えて栄養失調になり、骨だけの痩せ細った体で勉強を諦め、市場のゴミ捨て場を漁っていたら、どんな気持ちになるだろうか。そうせざるを得ない社会に憧れを持つことなど出来るだろうか」
脱北者Aさん。脱北者手記集より)