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【みんな生きている】ラオス脱北者送還問題編

《『デイリーNK』が北朝鮮へ送還された9人の今後を分析》

5月28日、北朝鮮の軍事作戦を彷彿させる送還措置によりラオスから平壌に戻った脱北青少年9人に対する処罰問題が国際社会の主要イシューとなっている。
国際人権団体のヒューマンライツウォッチ(Human Rrights Watch)に続き、国連難民高等弁務官室は5月31日、脱北青少年が北朝鮮に強制送還されたとのニュースを公式確認後、北朝鮮当局に安全保障とともに国際調査団の面談を保障するよう要求した。
デル・ブエイ国連事務総長副報道官は関連国に対し

「難民送還禁止の原則を遵守せよ」

と要請した。
アメリ国務省は中国政府が北朝鮮の送還措置に対し事実上の傍観政策を取った点に注目。国連関連の国際協約遵守を要求した。6月7、8日に開催される米・中首脳会談でも同問題を非公式に提起する可能性があるものとされる。
韓国国内では与党・セヌリ党黄祐呂(ファン・ウヨ)代表を中心に脱北者の救出に必要な措置を取り、今回を期に脱北者保護のための北朝鮮人権法を再推進すべきと声を高めている。
国際社会が脱北青少年9人に対する安全保障を要求する声を高めている一方、北朝鮮当局は一切これと関連した反応を見せていない。5月28日の強制送還以後、北朝鮮は沈黙を維持している。1週間近く続く沈黙が北朝鮮当局の隠蔽戦略なのか、身元処理に対する内部の決定が出ていないためなのかは不明である。
脱北青少年の処罰レベルに対する決定は宗教生活等、総じて三つの問題が考慮される見通し。
一つ目は北朝鮮がスパイ戦を彷彿させる北送作戦を展開した背景が何なのかという点である。送還された脱北青少年の中に政治的に敏感な人物が介入したならば、北朝鮮当局は機密保護のため彼らを社会から徹底的に隔離する可能性がある。もちろん、収容所ではなく特別な監視や拘禁が可能な民間居住地の可能性もある。
二つ目は彼らが韓国行きを目前にしていたことと、長期間韓国人宣教師から宣教教育を受けていたという点である。北朝鮮は韓国行きを試みたりキリスト教に接した脱北者は、政治犯収容所に収容したり極端に劣悪な施設に収容し病死に至らせてきた。
咸鏡北道会寧市から脱北したチャン某氏は

「2006年、先に脱北した息子2人(14歳、19歳)が中国で逮捕され北に送還された。保衛部の事情聴取を受ける中で中国延吉の教会で1ヶ月間宗教教育を受けた事実が露呈した。送還から1ヵ月後、息子たちは面会も不可能な政治犯収容所に送られた」

と話した。
三つ目は彼らに寄せられる国際社会の関心である。北朝鮮が外部の視線を意識し、記者会見を開き一定期間処罰を猶予する可能性があるとの憶測も出ている。北朝鮮は特定人物に対する外部の関心が高まる場合、極端な処罰を緩和することもある。
中・朝国境地域を10年以上取材してきたアジアプレスの石丸次郎代表は

「ここまで国際社会で話題になった以上沈黙は難しいため、脱北者は数日内に平壌で記者会見をするだろう。“米・韓の宣教団体にだまされ拉致されるところを北朝鮮の外交官の助けで金正恩キム・ジョンウン)元帥様の懐に戻って来られ嬉しい”という内容になるのでは」

と話した。
最近、脱北者の再入北会見が相次いでいる点もこのような推測を後押しする。しかし、記者会見を開いたとしても彼らに対する処罰が弱まることはないとの意見もある。
北朝鮮民主化委員会のソ・ジェピョン事務局長は

「記者会見を開いても2年近く宗教活動をしてきた脱北者を許す可能性は高くない。政治的に利用した後、外部と断絶した収監施設に収容する可能性が高い。国際社会の支援の手が唯一の希望である。救出活動をさらに活発に展開し北朝鮮当局を圧迫する必要がある」

と述べた。



※「親北勢力は胸に手を当てて考えて欲しい。もし、あなたの子供たちが食べ物に飢えて栄養失調になり、骨だけの痩せ細った体で勉強を諦め、市場のゴミ捨て場を漁っていたら、どんな気持ちになるだろうか。そうせざるを得ない社会に憧れを持つことなど出来るだろうか」
脱北者Aさん。脱北者手記集より)