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【みんな生きている】北朝鮮労働者編

《『朝鮮日報』が伝える中・朝国境地帯の北朝鮮労働者の現状》

中・朝国境の都市、遼寧省丹東で今年2月末に会った中国朝鮮族の事業家は「『黒工』という言葉を聞いたことはあるか?」と尋ねてきた。
中国語で「黒」は「違法」を意味するケースが多い。例えば、犯罪組織を意味する「黒ホウ」(ホウは邦の下に巾)、闇市場を意味する「黒市」、違法タクシーを意味する「黒車」等。
朝鮮族の事業家は

「『黒工』とは、中・朝国境地帯にいる『北朝鮮の不法労働者』を意味する」

と語った。
脱北者の他にも学生や、観光ビザでやって来て中・朝国境地帯の工場や飲食店、建設現場等で働く北朝鮮労働者が多いという。
現地の消息筋や、昨年中国国内の北朝鮮労働者の実態について報じた「経済参考報」等によると、北朝鮮の「黒工」は、国境地帯でかなり人気がある。月給は1,200~1,500元(約1万8300円~2万2900円)で、中国人労働者の賃金と比べ半分にもならない。しかし、仕事の腕は中国人労働者を上回るという。
丹東のある建設会社の代表は、メディアのインタビューに対し

「中国人労働者が4人~6人がかりでやるコンクリート作業を、北朝鮮の労働者は2人で完成させる」
北朝鮮労働者は特別な組織規律を持っている。仕事が終わるまで、絶対に仕事場を離れない」

と語った。
誠実なだけでなく、勤務条件に対する不平も言わないという。
小さな飲食店では、月給のほかに1日2度の食事と小さな鉄製のベッドを提供している。
100人以上雇っている企業では、寄宿舎を建てている。
北朝鮮の労働者を専門的に仲介する業者もいる。北朝鮮の労働者を1人紹介するたび、入国に掛かる費用等を合わせて3,000元(約4万5700円)程度を取るという。
手作業の多い衣類・縫製・靴・電気部品工場等では、北朝鮮労働者が働いているケースが多いといわれている。
現地の消息筋は

「丹東で居酒屋を経営してかなり人気のある朝鮮族の女性がいたが、ある日突然姿を消した。実は脱北者だった。カネを稼いで韓国に向かったという噂が広がった」

と語った。
このように、中国に入り込んだ北朝鮮の人間は少なくないが、その規模を把握する手段はない。特に国境地帯では、脱北者、合法的滞在者、北朝鮮で暮らしていた華僑たちが交じり合っており、正確な身分を区別するのも難しそうに見えた。
遼寧省寛甸で北朝鮮向けの事業を行っている人物は

北朝鮮の女性工員を100人ほど雇っている友人の工場に行ったところ、1人の女性工員が『大連まではどうやって行くのか』『バス代はどれくらいか』と尋ねてきた。合法的に来た北朝鮮の労働者の中にも、監視を避けて脱出するケースはあるだろう」

と語った。
鴨緑江上流部に位置する北朝鮮の両江道恵山市には、中国人が現地の住民を雇って運営する木材工場もある。
中国の警察(公安)が脱北者を取り締まる手法も変化している。
北朝鮮の事情に詳しい吉林省延吉の消息筋は

「かつては公安が脱北者を直接捕まえに来ることもあったが、最近では必要なときに脱北者ブローカーに連絡を取って『○人連れてこい』と指示する」

と語った。
中国は2011年12月に金正日キム・ジョンイル)総書記が死去した直後、国境地帯の脱北者ブローカーを大量に処罰するという方法で脱北者を取り締まった。
脱北者ブローカーがいなければ、脱北しても韓国に向かうのは困難だ。2009年の時点で韓国に入国した脱北者は3,000人近くいたが、昨年はおよそ半分の1,500人程度にまで減った。
この消息筋は

「中国は、韓国に行こうとする脱北者の取り締まりを強化する一方、中国の工場等へ働きに来たケースには目をつぶる傾向がある」

と語った。



※「親北勢力は胸に手を当てて考えて欲しい。もし、あなたの子供たちが食べ物に飢えて栄養失調になり、骨だけの痩せ細った体で勉強を諦め、市場のゴミ捨て場を漁っていたら、どんな気持ちになるだろうか。そうせざるを得ない社会に憧れを持つことなど出来るだろうか」
脱北者Aさん。脱北者手記集より)