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【みんな生きている】金正恩編

金正恩体制、1年》

12月17日は北朝鮮金正日キム・ジョンイル)総書記が死去し、三男の正恩(ジョンウン)氏(朝鮮労働党第1書記)が権力を継承して1年となる。ここ数日「金正恩氏の北朝鮮」は「ミサイル狂乱」とも言うべき状況となっている。
今月12日に事実上の長距離ミサイル(自称人工衛星)「銀河3号」の打ち上げに成功すると、その後は連日のように全国で大規模な群衆大会が催され、国営メディアは一斉に「将軍様金正日総書記)の遺訓を華々しく貫徹した」と宣伝している。
12月13日付『労働新聞』は、全6面のうち4面を打ち上げ成功のニュースで埋め尽くし、14日には金正恩氏が発射当日に命令書にサインしたことや、衛星管制総合指揮所を視察したニュース等を写真と共に公表した。「失敗への恐怖」からか、打ち上げ直前になっても北朝鮮住民にはこのニュースを伝えていなかったが、打ち上げ成功後、これを大々的に宣伝し始めたわけだ。
韓国政府の関係者は14日

金正恩氏はここ1年間、何も成し遂げられなかった。そのため今回のミサイル打ち上げ成功には非常に興奮しているようだ」

と話す。
確かにこの1年、金正恩氏が成し遂げた業績というものは特に見当たらない。北朝鮮は2007年から「2012年の『太陽節』(故・金日成〈キム・イルソン〉主席の100回目の誕生日、4月15日)に強盛大国の門が開かれる」と大きく宣伝してきた。
ところが実際は今年4月15日の演説で、金正恩氏は「強盛大国」という言葉は一言も口にせず「我が人民を締め上げるようなことはしない」としか述べなかった。しかし現実は正反対だ。
金正恩氏は故・金総書記の葬儀の日(昨年12月28日)に幹部たちを呼び、新しい経済管理の方法を取りまとめるよう指示し、自分なりの経済改革に乗り出そうとしたが、結果は思い通りにいかなかった。これは、韓国の安全保障当局の一致した見方だ。
権力の継承も思い通り進んでいないようだ。金総書記の葬儀で霊柩車に手を掛けながら同行した「軍部4人組」をはじめ党や軍、政府の幹部の多くを綱紀の粛正のため1年掛けて次々と粛清したが、結果は思い通り進んでいない。
それどころか、今度は自らの身辺に不安を感じるようになり、最近は官邸に装甲車が配備される等、金正恩氏に対する警護は大幅に強化された。
今年は北朝鮮で過去最悪の水害が発生し、被害額も莫大なものになったが、金正恩氏は現場には一度も出向かなかった。これも本人が大きな不安を抱えているため、との見方が支配的だ。



※「親北勢力は胸に手を当てて考えて欲しい。もし、あなたの子供たちが食べ物に飢えて栄養失調になり、骨だけの痩せ細った体で勉強を諦め、市場のゴミ捨て場を漁っていたら、どんな気持ちになるだろうか。そうせざるを得ない社会に憧れを持つことなど出来るだろうか」
脱北者Aさん。脱北者手記集より)