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【みんな生きている】南北NLL軍備増強編

《韓国と北朝鮮のNLL軍備増強》

2010年11月23日に起こった北朝鮮による延坪島砲撃事件は、西海(黄海)の北方限界線(NLL)周辺海域や西北島しょ(西海NLL付近にある島々)一帯の軍事地図を変えた。北朝鮮は、新たな挑発をいつでも敢行できるよう、韓国の島に上陸が可能なエアクッション艇の基地を作り、これに対抗して韓国軍もまた軍事的な対処態勢を強化してきた。


■海岸砲攻撃用ミサイルの配備が遅延

韓国軍は北朝鮮によるさらなる挑発に備え、戦力を増強しているが、いまだ不十分な部分は少なくないという。
西北島しょには現在、奇襲上陸する北朝鮮のエアクッション艇や洞窟内の海岸砲等を精密攻撃できるミサイルのような誘導兵器がない。韓国空軍のF15KやK16等の戦闘機を用い、統合直接攻撃弾(JDAM)等で精密攻撃することはできるが、これらの戦闘機の基地は韓国中部にあるため、出動に時間がかかる。
韓国軍は北朝鮮の海岸砲を精密攻撃するため、昨年末まではイスラエル製のスパイク・ミサイルを配備しようしていた。しかし、今のところ、試験評価も済んでいない。一部からはスパイク・ミサイルの効果に疑問も投げ掛けられている。
スパイク・ミサイルはもともと対戦車兵器として開発されたもので、洞窟陣地に隠れている海岸砲を攻撃できるのは砲が陣地から出てきたときだけだ。
北朝鮮の海岸砲部隊等を昼夜監視できる戦術飛行船は機種選定が遅れており、配備の時期が今年末から来年初めに延期された。西北島しょ地域は風が強く、戦術飛行船を常時運用するのは難しいという主張もある。
北朝鮮が局地挑発を行った場合、韓・米両軍が共同対応すると定める「局地挑発対応共同計画」の樹立も、この2年間遅れている。韓国軍の攻勢的対北抑止の概念に対し、アメリカは戦闘拡大の可能性を懸念しており、両国間の意見調整が難航しているといわれている。韓・米両国は先月、アメリカ・ワシントンで開かれた定例安保協議会(SCM)で、来年1月に共同局地挑発対応計画を作ることとした。
北朝鮮がペンニョン島等西北島しょに奇襲上陸した場合、陸地から支援兵力が投入されるまでかなり時間がかかる点も、解決すべき宿題だ。韓国軍の増援兵力が平沢や仁川から航空機で出発する場合は2時間以上、水上船舶で移動する場合は少なくとも4時間30分かかるといわれている。
韓国軍当局は、延坪島砲撃挑発の後、昨年初めからペンニョン島・延坪島等西北島しょに対する大規模な戦力増強に乗り出し、今年初めにこの作業を事実上終えた。
代表例が、北朝鮮の放射砲(多連装ロケット砲)・海岸砲等の砲撃に同じく砲撃で対応する中心的兵器、K9自走砲の増強だ。2010年の砲撃時、延坪島にはK9自走砲が6台しかなかった。現在、延坪島には当時の3倍、18台のK9自走砲が配備されているという。また、ペンニョン島に配備されるK9自走砲も3倍に増えた。
AH1「コブラ攻撃ヘリも初めて西北島しょに配備された。コブラ攻撃ヘリは主として、ペンニョン島等に奇襲上陸が可能な北朝鮮のエアクッション艇の破壊に用いられる。
この他、直径130mmのロケット弾36発を積んだ韓国製の「九竜」多連装ロケットや、「天馬」短距離地対空ミサイル(射程10km)も初めて西北島しょに常時配備された。北朝鮮が砲撃挑発を行った場合、砲撃位置を正確に把握できる「ARTHUR」対砲レーダーも増強配備された。西北島しょに配備される海兵隊員の数も1,000人以上増えたという。
韓国軍当局は、北朝鮮がさらなる挑発を行った場合には空軍力まで動員し、攻撃原点はもちろん支援勢力・核心勢力(指揮部)も攻撃するという計画を、公の場で強調している。
北朝鮮は今年の初め、黄海南道竜淵郡コアム浦に、大規模なエアクッション艇基地を完成させた。コアム浦の基地は、計60隻余りのエアクッション艇を収容できる。コアム浦の基地はぺンニョン島から50~60km、直線距離にして約30kmしか離れておらず、最高時速96キロの北朝鮮のエアクッション艇が最高速度で移動した場合、17分あればペンニョン島に到達できるだろうと韓国軍当局は分析している。
また北朝鮮は今年5月末、ペンニョン島・延坪島に近い黄海道苔灘・漏川の空軍基地で、2度にわたり地上攻撃・高速機動訓練を行った。この時動員されたMi2改良型やMi4輸送・攻撃ヘリ約70機(2個大隊)は訓練後に復帰せず、苔灘・漏川空軍基地に駐屯を続けていることが分かっている。さらに今年8月、金正恩キム・ジョンウン朝鮮労働党第1書記は延坪島に近い茂島と長在島を電撃訪問したが、これらの島の兵力も従来の100人から200人に増えた。
韓国軍当局は、昨年から今夏にかけて、西北島しょを狙った奇襲上陸訓練や空・陸共同訓練、潜水艦艇の侵入訓練が増えたことに注目している。特に、潜水艦艇を用いた侵入訓練の場合、今夏は昨年に比べ約2倍近く実施されたという。



※「親北勢力は胸に手を当てて考えて欲しい。もし、あなたの子供たちが食べ物に飢えて栄養失調になり、骨だけの痩せ細った体で勉強を諦め、市場のゴミ捨て場を漁っていたら、どんな気持ちになるだろうか。そうせざるを得ない社会に憧れを持つことなど出来るだろうか」
脱北者Aさん。脱北者手記集より)