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【みんな生きている】松波健四郎編

日朝協議に先立って北朝鮮の高官が平壌を訪れた日本からの訪問団に対し、「日朝の局長級協議では北朝鮮は誠意をみせる。間違いなく、うまくいく」と話していたことが分かりました。
これは北朝鮮を11月12日からスポーツ交流の目的でおよそ40人の学生たちと訪問していた日本体育大学松浪健四郎理事長が明らかにしたものです。
松浪氏は、朝鮮労働党金永日キム・ヨンイル)書記(国際部長)と11月13日に会見する等、15日まで連日会っていたということですが、この際に金永日書記は松浪氏に対し、15日からモンゴルのウランバートルで行われる予定の日・朝局長級協議に先だって、次のように述べたということです。

「(日朝)局長級協議にあたっては、北朝鮮としては誠意を見せる。ウランバートルでの会談は間違いなく、うまくいく。私に心配するなと(話していた)」
日本体育大学松浪健四郎理事長)

金書記はさらに
「日・朝の交流を盛んにし、親善を図りたい」
と話したということです。
また、松浪氏たちは14日、サッカーの交流試合の観戦に訪れた金正恩キム・ジョンウン)第1書記の叔父で後見役とされる張成沢チャン・ソンテク)行政部長ともおよそ40分間会談したということです。

「『局長級会談がうまくいくと、いいですね』と水をさし向けると、にこやかにうなずいていた」
松浪健四郎理事長)

拉致問題について具体的な話は出なかったということですが、北朝鮮高官の一連の発言の背景には、協議を通じて日・朝関係改善の糸口を探る北朝鮮側の狙いがあると見られます。



拉致事件、捜査の現状】
北朝鮮による拉致事件を巡り、日本の警察はこれまで実行犯や指示役として北朝鮮の元工作員たち合わせて11人を国際手配しています。
拉致には金正日キム・ジョンイル)総書記が掌握していた対外情報調査部と呼ばれる工作機関が組織的に関わっていた疑いが強いと見て捜査を続けています。
このうち、福井県の地村保志さん・富貴恵さん夫妻を拉致した実行犯として元工作員辛光洙シン・グァンス)容疑者が手配されています。
また、大阪府の原 敕晁さんが拉致された事件では、辛容疑者とともに金吉旭(キム・キルウク)容疑者も共犯者として手配されています。
この他、東京都の久米 裕さん拉致事件では金世鎬(キム・セホ)容疑者が、新潟県曽我ひとみさん拉致事件にはキム・ミョンスク容疑者がそれぞれ関わったとして手配されています。
北海道出身の渡辺秀子さんの子供2人の拉致事件では、工作員グループのリーダー格で北朝鮮にいると見られる洪寿恵(ホン・スヘ)こと木下陽子容疑者が手配されています。
新潟県の蓮池 薫さん・祐木子さん夫妻の拉致事件ではチェ・スンチョル容疑者が実行犯として手配されている他、金総書記が掌握していた対外報調査部と呼ばれる北朝鮮の工作機関の幹部であるハン・クムニョン容疑者とキム・ナンジン容疑者が拉致の実行を指示したとして手配されています。
ハン容疑者たちは工作機関で「指導員」と呼ばれる立場で、辛光洙容疑者たちもこの組織の一員だったことがわかっており、警察は北朝鮮が組織的に拉致を実行した疑いが強いと見て捜査を続けています。
よど号ハイジャック事件のメンバーたちも1980年代にヨーロッパで相次いだ3人の日本人拉致に関わった疑いで国際手配されています。
このうち、有本恵子さん拉致事件では魚本公博(安部公博)容疑者が、石岡 亨さんと松木 薫さん拉致事件ではよど号メンバーの妻の森 順子・若林佐喜子両容疑者がそれぞれ手配されています。