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【みんな生きている】偽装脱北者編

脱北者を装った北朝鮮スパイが増加》

脱北者を装った北朝鮮スパイが増加し、ここ数年の間に韓国の公安当局によって相次いで検挙されている。
韓国検察が9月12日に身柄を拘束したキム・ヨンス容疑者(50歳)も脱北者を装って韓国に入国したが、国家情報院による合同審問の過程で北朝鮮のスパイであることが判明した。
韓国公安当局によると、2008年以降にスパイ罪で検挙された32人のうち、韓国人が中国等で北朝鮮工作員に取り込まれてスパイとなったケースを除くと、北朝鮮が韓国に直接送り込んだスパイはキム容疑者を含む13人で、彼らは全員が脱北者を装って韓国に入国して検挙された。
キム容疑者は取り調べで、北朝鮮の国家安全保衛部(情報機関兼秘密警察)から受けた指示について

「韓国に定着して生活せよ。後から具体的な任務(指令)を伝える」

としか言われていなかったと供述した。
軍事関連情報の収集や特定人物の暗殺など、具体的なミッションを持って韓国に侵入したのではなく「韓国に行って待て」という形の漠然とした指示しか受けていなかったのだ。
キム容疑者だけではない。今年3月に水原地検によって起訴されたH容疑者(29歳)も、「韓国に定着せよ」という指示しか受けないまま脱北者を装って韓国にやって来たことが取り調べの結果、明らかになった。朝鮮人民軍少尉だったH容疑者は、昇進が見込めないことが分かった時点で韓国でのスパイ活動を志願したという。


■「スパイ速成コース」受講後に韓国へ

キム容疑者やH容疑者のような脱北者を装ったスパイの場合、短い場合は15日、長くても6ヶ月ほどの「速成コース」で教育を受けて韓国に派遣されるという。かつて北朝鮮のスパイたちが韓国での適応や目標達成(ミッションの実行)のために受けたとされる、いわゆる「密封教育」とは大きく異なることが分かる。
韓国公安関係者は

「年間2,000人以上の脱北者が韓国にやって来るが、その中にはスピード教育しか受けていないスパイが何人も含まれているようだ。時には『検挙されても関係ない』といった人海戦術を取っているのではないかという疑念さえ湧いてくる」

と語る。
昨年12月に検挙され、国家情報院の合同審問の際に自殺したあるスパイは、自殺する直前に「今後も脱北者を装って韓国に送り込まれるスパイは増える」と語り、北朝鮮での脱北者偽装スパイ養成の仕組みについて説明したことも分かっている。
韓国公安当局によると、この「脱北者ルート」が北朝鮮スパイの侵入方法の中心となったのは2007年頃からだという。2006年にフィリピン等数ヶ国を回りながら身分を偽装し、その上で韓国に入国したチョン・ギョンハクが摘発されて以降、第三国を通じて侵入するケースはほとんど発見されていないとのことだ。
韓国公安当局によると、脱北者を装った侵入方法が利用される理由は、何よりも侵入が簡単なことにある。また、方言等が残っていても疑われる可能性が小さく、費用がほとんど掛からないことも大きな理由だ。
また、キム容疑者やH容疑者は北朝鮮から工作資金を受け取っていなかった。もし韓国政府による合同審問などで摘発されなかった場合、韓国政府から脱北者に支払われる初期定着資金のおよそ4,000万ウォン(約276万円)を使うよう指示されていたという。


■スパイの中には殺し屋も

しかし、キム容疑者やH容疑者のように「韓国に定着してから指示を待て」とだけ命じられて派遣されるスパイばかりではない。
2010年に検挙されたトン・ミョングァンとキム・ミョンホは、哨戒艦・天安を爆沈させた北朝鮮偵察総局の所属で、6年にわたり暗殺訓練を受けてから脱北者を装って韓国に潜入していた。2人が受けていた指示は「ファン家の野郎(故ファン・ジャンヨプ元朝労働党書記)の首を取れ」というものだった。
2人は検挙された際「ファン・ジャンヨプに会ったら、素手で殴り殺そうと考えていた」と供述している。
2008年に逮捕・起訴された女スパイのウォン・ジョンファも3年にわたり特殊な訓練を受けていたが、国家情報院による合同審問での摘発を逃れ、韓国定着後は脱北者団体の情報収集などを行なっていた。
韓国公安当局は脱北者を装ったスパイと韓国国内のスパイ組織との連携について把握するため、スパイの追跡作業を引き続き行っている。



※「親北勢力は胸に手を当てて考えて欲しい。もし、あなたの子供たちが食べ物に飢えて栄養失調になり、骨だけの痩せ細った体で勉強を諦め、市場のゴミ捨て場を漁っていたら、どんな気持ちになるだろうか。そうせざるを得ない社会に憧れを持つことなど出来るだろうか」
脱北者Aさん。脱北者手記集より)