【みんな生きている】金敬姫編
北朝鮮の金正恩（キム・ジョンウン）第１書記の叔母の金敬姫（キム・ギョンヒ）朝鮮労働党政治局員（６６歳。軍の大将）の健康が悪化していることが８月２３日、消息筋等の証言でわかったと『産経新聞』が伝えました。
金敬姫氏は実兄・金正日（キム・ジョンイル）総書記の遺訓を背景に中枢の人事権を掌握する金正恩体制の最重要人物です。敬姫氏の夫の張成沢（チャン・ソンテク）国防副委員長が中心になって新経済政策を進める正恩体制ですが、“最大の後見役”の健康問題という不安定要因を抱えていることになります。
金敬姫氏はアルコール依存症とされ、以前から健康不安が囁かれていました。
北朝鮮の内情に詳しい消息筋によると、敬姫氏は複数の臓器に疾患を持ち、今後の執務継続も危ぶまれる状態で、密かに中国で治療を受けたものの回復しなかったといわれています。敬姫氏は体重が３８Kgにまで激減したとの情報もあり、金第１書記の視察に同行した際にはゆったりした服装でごまかしているとされています。
敬姫氏を巡っては７月下旬、平壌の遊園地で金第１書記たちと絶叫マシンに乗ったことが突然、写真とともに国営メディアで報じられましたが、消息筋は
「健康不安を打ち消すための演出だ」
としています。
敬姫氏は昨年末死去した金総書記が最も信頼した肉親で、金総書記が遺言を託した人物ともされています。権力を引き継いだ金第１書記にとっても、体制内唯一の年上の肉親である敬姫氏は親のような存在であり、その意向は無視できません。
張国防副委員長の元部下の崔竜海（チェ・リョンヘ）氏を最高指導部の党政治局常務委員に登用し、朝鮮人民軍を監督する軍総政治局長に抜擢した人事も敬姫氏の意向が働いたと見られています。
さらに、軍総参謀長だった李英鎬（リ・ヨンホ）氏の７月の解任劇にも関与したとされています。
李氏解任で金総書記の側近による集団指導体制が崩れましたが、「張氏や崔氏では軍内部に反発もある。党・軍全てに抑えが利くのは金敬姫氏だけ」（消息筋）で、李氏解任により敬姫氏の政権内の重みが増しました。
それだけに、敬姫氏の健康悪化は新たな権力闘争を誘発し北朝鮮の不安定化につながりかねない危険をはらんでいます。
【金総書記の遺訓】
４月１１日、北朝鮮で朝鮮労働党代表者会が行われ、金正恩（キム・ジョンウン）朝鮮労働党中央軍事委員会副委員長が新設ポストの朝鮮労働党第１書記に就任しました。
この人事の背景には何があるのでしょうか？
ＪＮＮの取材によって、金正日（キム・ジョンイル）総書記が残した「遺訓」の詳細な内容が明らかになりました。
「私たちの党と人民の最高指導者である、敬愛する金正恩同志を朝鮮労働党第１書記に高く推戴する」
（朝鮮中央テレビ）
北朝鮮メディアは４月１１日、朝鮮労働党代表者会で金正恩副委員長が新設の第１書記に就任し、去年死亡した金正日総書記は「永遠の総書記」になると伝えました。
この決定の背景に何があるのでしょうか？
ＪＮＮが韓国政府当局に行なった取材で、金総書記が去年１０月に残したという「遺訓」の詳細な内容が明らかになりました。
「後継者・金正恩を１年以内に指導者として推戴しなければならない」
（金総書記の遺訓）
朝鮮労働党や朝鮮人民軍の関係者に伝えられているという金総書記の「遺訓」。全てにおいて軍を優先する「先軍政治」をこのまま押し進めていこうというものです。
「先軍政治の路線を維持して強盛国家を成し遂げなければならない」
「核保有国として認められなければならない」
（金総書記の遺訓）
このように、核開発への強い意思を示した上で核・ミサイル・生物化学兵器を絶え間無く開発するよう指示しています。
また、「遺訓」では国家のどの部分を誰が主導していくのかが事細かに記されています。
「党は金敬姫（キム・ギョンヒ）、張成沢（チャン・ソンテク）、崔竜海（チェ・リョンヘ）、金慶玉（キム・ギョンオク）が責任を持って補佐する」
「軍は李英鎬（リ・ヨンホ）、金正覚（キム・ジョンガク）、玄哲海（ヒョン・チョルヘ）、キム・ミョングクが責任を持って補佐する」
「遺訓は金敬姫が執行する」
（金総書記の遺訓）
金総書記の妹・金敬姫軽工業部長や夫の張成沢行政部長、朝鮮人民軍の実力者である李英鎬総参謀長の名前が並んでいます。
また、経済については崔永林（チェ・ヨンリム）首相たちの名前が挙がり、「南北関係が改善される前提で農業や観光問題等を上手く解決しなければならない」との指示も出されていました。
さらに、北朝鮮の悲願とも言える南北統一についてはこんな指示が出されていました。
「祖国統一は金日成（キム・イルソン）主席の遺言であり、我が家門の最終的な目標だ」
（金総書記の遺訓）
※「親北勢力は胸に手を当てて考えて欲しい。もし、あなたの子供たちが食べ物に飢えて栄養失調になり、骨だけの痩せ細った体で勉強を諦め、市場のゴミ捨て場を漁っていたら、どんな気持ちになるだろうか。そうせざるを得ない社会に憧れを持つことなど出来るだろうか」
（脱北者Ａさん。脱北者手記集より）
金敬姫氏は実兄・金正日（キム・ジョンイル）総書記の遺訓を背景に中枢の人事権を掌握する金正恩体制の最重要人物です。敬姫氏の夫の張成沢（チャン・ソンテク）国防副委員長が中心になって新経済政策を進める正恩体制ですが、“最大の後見役”の健康問題という不安定要因を抱えていることになります。
金敬姫氏はアルコール依存症とされ、以前から健康不安が囁かれていました。
北朝鮮の内情に詳しい消息筋によると、敬姫氏は複数の臓器に疾患を持ち、今後の執務継続も危ぶまれる状態で、密かに中国で治療を受けたものの回復しなかったといわれています。敬姫氏は体重が３８Kgにまで激減したとの情報もあり、金第１書記の視察に同行した際にはゆったりした服装でごまかしているとされています。
敬姫氏を巡っては７月下旬、平壌の遊園地で金第１書記たちと絶叫マシンに乗ったことが突然、写真とともに国営メディアで報じられましたが、消息筋は
「健康不安を打ち消すための演出だ」
としています。
敬姫氏は昨年末死去した金総書記が最も信頼した肉親で、金総書記が遺言を託した人物ともされています。権力を引き継いだ金第１書記にとっても、体制内唯一の年上の肉親である敬姫氏は親のような存在であり、その意向は無視できません。
張国防副委員長の元部下の崔竜海（チェ・リョンヘ）氏を最高指導部の党政治局常務委員に登用し、朝鮮人民軍を監督する軍総政治局長に抜擢した人事も敬姫氏の意向が働いたと見られています。
さらに、軍総参謀長だった李英鎬（リ・ヨンホ）氏の７月の解任劇にも関与したとされています。
李氏解任で金総書記の側近による集団指導体制が崩れましたが、「張氏や崔氏では軍内部に反発もある。党・軍全てに抑えが利くのは金敬姫氏だけ」（消息筋）で、李氏解任により敬姫氏の政権内の重みが増しました。
それだけに、敬姫氏の健康悪化は新たな権力闘争を誘発し北朝鮮の不安定化につながりかねない危険をはらんでいます。
【金総書記の遺訓】
４月１１日、北朝鮮で朝鮮労働党代表者会が行われ、金正恩（キム・ジョンウン）朝鮮労働党中央軍事委員会副委員長が新設ポストの朝鮮労働党第１書記に就任しました。
この人事の背景には何があるのでしょうか？
ＪＮＮの取材によって、金正日（キム・ジョンイル）総書記が残した「遺訓」の詳細な内容が明らかになりました。
「私たちの党と人民の最高指導者である、敬愛する金正恩同志を朝鮮労働党第１書記に高く推戴する」
（朝鮮中央テレビ）
北朝鮮メディアは４月１１日、朝鮮労働党代表者会で金正恩副委員長が新設の第１書記に就任し、去年死亡した金正日総書記は「永遠の総書記」になると伝えました。
この決定の背景に何があるのでしょうか？
ＪＮＮが韓国政府当局に行なった取材で、金総書記が去年１０月に残したという「遺訓」の詳細な内容が明らかになりました。
「後継者・金正恩を１年以内に指導者として推戴しなければならない」
（金総書記の遺訓）
朝鮮労働党や朝鮮人民軍の関係者に伝えられているという金総書記の「遺訓」。全てにおいて軍を優先する「先軍政治」をこのまま押し進めていこうというものです。
「先軍政治の路線を維持して強盛国家を成し遂げなければならない」
「核保有国として認められなければならない」
（金総書記の遺訓）
このように、核開発への強い意思を示した上で核・ミサイル・生物化学兵器を絶え間無く開発するよう指示しています。
また、「遺訓」では国家のどの部分を誰が主導していくのかが事細かに記されています。
「党は金敬姫（キム・ギョンヒ）、張成沢（チャン・ソンテク）、崔竜海（チェ・リョンヘ）、金慶玉（キム・ギョンオク）が責任を持って補佐する」
「軍は李英鎬（リ・ヨンホ）、金正覚（キム・ジョンガク）、玄哲海（ヒョン・チョルヘ）、キム・ミョングクが責任を持って補佐する」
「遺訓は金敬姫が執行する」
（金総書記の遺訓）
金総書記の妹・金敬姫軽工業部長や夫の張成沢行政部長、朝鮮人民軍の実力者である李英鎬総参謀長の名前が並んでいます。
また、経済については崔永林（チェ・ヨンリム）首相たちの名前が挙がり、「南北関係が改善される前提で農業や観光問題等を上手く解決しなければならない」との指示も出されていました。
さらに、北朝鮮の悲願とも言える南北統一についてはこんな指示が出されていました。
「祖国統一は金日成（キム・イルソン）主席の遺言であり、我が家門の最終的な目標だ」
（金総書記の遺訓）
※「親北勢力は胸に手を当てて考えて欲しい。もし、あなたの子供たちが食べ物に飢えて栄養失調になり、骨だけの痩せ細った体で勉強を諦め、市場のゴミ捨て場を漁っていたら、どんな気持ちになるだろうか。そうせざるを得ない社会に憧れを持つことなど出来るだろうか」
（脱北者Ａさん。脱北者手記集より）
