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【みんな生きている】河田君江さん/産経新聞

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《インチキ遺骨ではなくて、拉致被害者を返せ!下関の特定失踪者・河田君江さん 拉致進展なく年の瀬、母「夢にみる娘の帰宅」 山口》

北朝鮮による拉致問題は、解決に向けた動きがないまま年の瀬を迎えた。被害者の家族は、「また正月を一緒に過ごせないのか」と苦い思いを抱える。
拉致の可能性を排除できない「特定失踪者」の一人、河田君江さん(失踪当時23歳)の母で、山口県下関市在住の奈津江さん(73歳)は

「夢に見るのはあの子が『ただいま』と帰って来ることばかり。焦りと寂しさが襲いかかってくる」

と語った。
君江さんは平成2年2月7日、下関市豊浦町の勤務先の縫製工場先から、同市内の実家に向かう途中で失踪した。
午後5時15分に工場を出たことがタイムカードで分かっている。一人暮らしをしていたアパートに寄り、車を運転して実家に向かったはずだった。距離にして約20キロ。だが、君江さんの行方は分からなくなった。
専門学校への進学を目指し、工場を円満退社する直前だった。失踪1カ月前の正月には「卒業したら一緒に住むからね」と話していたという。
「そのとき、私たちに実印をプレゼントしてくれたんです。黙っていなくなる理由はまったくないんです」
奈津江さんは、娘がいなくなった当時を、こう振り返った。
失踪から約2週間後、車が見つかった。君江さんの弟が、山口県阿武町の国道191号沿いの駐車場で、偶然発見した。豊浦町からはるかに遠く、島根県境に近い場所だった。
車内には複数のレシートが残されていた。失踪翌日の2月8日午後7時11分に同県長門市のコンビニでおむすびを購入していたことが分かった。ほかに、チョコレートや弁当を買ったレシートもあった。
不審な点はいくつもあった。きれい好きの君江さんは、靴を脱いで車に乗るのが習慣だった。にもかかわらず、運転席には泥が残り、助手席にはシダの葉もあった。微量の血液が付着したカミソリも落ちていた。
母の奈津江さんは

「私は直接見ていませんが、T字形の5本入りカミソリで、その1本に血がついていたというんです。その1本は元通りケースに戻されていたそうです」

と語った。君江さんではない人物が、車を運転していたとしか思えない。
特定失踪者問題調査会(荒木和博代表)も君江さんを拉致濃厚と認定した。調査会の荒木氏らは、君江さんの失踪について、平成25年11月に現地調査した。この際、同行した北朝鮮の元工作員の男性は、車が止まっていた現場を見て、「偽装ではないか」と話したという。日本海に面した道路脇の駐車場は、そこから拉致されたように印象づけるためなのではないかというのだ。
「同じころ、日本中で縫い物のできる若い女性が次々に失踪していたそうです。君江も狙われたんじゃないでしょうか」
君江さんは優しい性格で、父や母の誕生日には贈り物を欠かさなかったという。小学生のころ、死んだ子猫を家の畑に埋めてあげたこともある。はねられて死んだ犬のお墓も作った。
そんな君江さんが失踪したとき、アパートにはかわいがっていた猫が2匹、残されていた。
昨年11月、拉致被害者らの再調査を北朝鮮が実施することで日・朝両政府が合意した「ストックホルム合意」が発表された。それから1年以上が経過するが進展は見られない。
「情報がない。むなしい日々が過ぎていくだけなんです」
奈津江さんは、娘の写真を財布の中に入れて、一日も早い帰宅を願い、いつも持ち歩いている。

■政府拉致問題HP
http://www.rachi.go.jp/
警察庁HP
http://www.npa.go.jp/
山口県警HP
http://www.police.pref.yamaguchi.jp/
救う会山口HP
http://sukuukaiyamaguchi.blog.fc2.com/
■「山口県特定失踪者家族会」を支援する会ブログ
http://blogs.yahoo.co.jp/kazetomo55
■瀬戸内しおかぜの会ブログ
http://setouchishiokaze.blog.fc2.com/
■瀬戸内しおかぜの会facebook
http://ja-jp.facebook.com/setoshio
救う会全国協議会HP
http://www.sukuukai.jp/
特定失踪者問題調査会HP
http://www.chosa-kai.jp/
北朝鮮帰国者の生命と人権を守る会HP
http://hrnk.trycomp.net/
■特定失踪者・北朝鮮人権ネットワークfacebook
http://www.facebook.com/nknet2015



《特定失踪者・河田君江さんについて》
◆氏名:河田 君江
(かわたきみえ)
◆失踪年月日:平成2(1990)年2月7日
◆生年月日:昭和41(1966)年8月15日
◆性別:女性
◆当時の年齢:23歳
◆当時の住所:山口県豊浦郡豊浦町(現・山口県下関市
◆当時の身分:縫製工場勤務
◆身長:152cm~153cm
◆体重:47kg~48kg
◆血液型:B型
◆靴のサイズ:23.5cm
◆特徴:
1)ボブカット
2)左手の甲に3歳頃の火傷の跡(5cmくらい)
◆特技:手が器用。高校で和裁を中心に学習していたので浴衣、羽織などを作っていた
◆失踪場所:山口県豊浦郡豊浦町から下関の間

【失踪状況】
退勤後自宅近くで買い物したのち不明に。
2月20日頃、本人の乗っていた車が萩市島根県益田市の中間の国道沿いの駐車スペースに止まっているのが見つかる。
本人は運転時、ヒールのときは裸足で運転するほど汚すのが嫌いだったが、車が見つかったとき、運転席に泥、助手席にシダの葉、少量だが本人の血が付いたカミソリが見つかっている。
免許証、通帳などはそのまま。
その後預金の引き出しなし。
実家へ来るはずが全く逆の方向へ行っている。
2月18日に本人の声で知人に架電して「ごめんね」と言っている。
車内にあったレシートなどによると、8日午後1時34分に島根県出雲市でパン等を購入。
同日午後7時11分、長門市内のコンビニでおむすびを購入。
午後7時36分、同市内でカミソリ、チョコレートを購入。
午後7時37分、同市内弁当屋でのり弁1個を購入している。
島根県警HP
http://www.pref.shimane.lg.jp/police/

《特定失踪者・西村京子さんについて》
◆氏名:西村 京子
(にしむらきょうこ)
◆失踪年月日:昭和62(1987)年12月27日
◆生年月日:昭和37(1962)年12月18日
◆性別:女性
◆当時の年齢:25歳
◆当時の住所:山口県吉敷郡小郡町(現・山口市
◆当時の身分:洋装店店員
◆身長:163cmくらい
◆血液型:AB型
◆失踪場所:山口県山口市湯田温泉

【失踪状況】
失踪前日夜、職場の同僚の女性(Aさん)と2人だけの忘年会を市内で行い、近くの別の飲食店で2次会を行った。
そこで男性(B氏)と知り合い、27日午前3時頃、Bさんの車に同乗するのをAさんが目撃したのを最後に2人とも失踪した。
B氏も現在まで行方不明。
車も見つかっていない。

《特定失踪者・宮脇留義さんについて》
◆氏名:宮脇 留義
(みやわきとめよし)
◆失踪年月日:昭和41(1966)年9月30日
◆生年月日:昭和14(1939)年3月15日
◆性別:男
◆当時の年齢:30歳
◆当時の住所:山口県光市
◆当時の身分:製鉄所社員
◆身長:165cm
◆特徴:
1)中肉中背
2)骨組みがっちり
3)手足大きめ
4)左目尻に1cmくらいの傷あり
5)右足膝下に5cmくらいの切り傷あり
6)話し方に時々鹿児島弁が出る
◆失踪場所:山口県光市

【失踪状況】
鹿児島県出身。
福岡や名古屋の会社で働いた後、山口県光市の製鉄所で昭和38年から勤務していたが昭和41年9月下旬、会社から「居なくなったが、帰省していないか」旨の手紙が実家に届き、失踪が判明した。
事後の調べで郵便貯金が同年9月30日付で全額引き出されていたが、本人が引き出したかは判明していない。
■鹿児島県警HP
http://www.pref.kagoshima.jp/police/
■福岡県警HP
http://www.police.pref.fukuoka.jp/
■愛知県警HP
http://www.pref.aichi.jp/police/

《特定失踪者・村本宣夫さんについて》
◆氏名:村本 宣夫
(むらもとのぶお)
◆失踪年月日:昭和46(1971)年3月24日
◆生年月日:昭和7(1932)年8月18日
◆性別:男
◆当時の年齢:38歳
◆当時の住所:山口県岩国市
◆当時の身分:運転手・事務・雑用
◆身長:162cmくらい
◆失踪場所:山口県岩国市

【失踪状況】
岩国市の下宿先から失踪。
免許、お金など全部置いてあり、普段着のまま。
乗用車も新車に乗り換えたばかり、夫婦生活、人間関係に特に変わったことはなかった。
行く先を告げずに遊びに行くことはなかった。
失踪後、連絡一切なし。

《特定失踪者・國廣富子さんについて》
◆氏名:國廣 富子
(くにひろとみこ)
◆失踪年月日:昭和51(1976)年8月2日
◆生年月日:昭和27(1952)年2月9日
◆性別:女性
◆当時の年齢:24歳
◆当時の住所:山口県宇部市
◆当時の身分:看護師
◆身長:152cm
◆体重:48kg
◆血液型:O型
◆特徴:左こめかみから頬にかけうす茶色のあざ(化粧で隠れるほど、1cmくらいのあざ)
◆失踪場所:山口県宇部市笹山

【失踪状況】
午後8時半頃、母親にたばこを買いに行くのを頼まれ、自宅から数十メートル先のたばこ屋に300円のみを持ってサンダル履きで家を出たまま消息不明。
新しい病院に勤務し始めたばかり。
平成16年1月29日、山口県宇部警察署に告発状提出。



拉致事件、捜査の現状】
北朝鮮による拉致事件を巡り、日本の警察はこれまで実行犯や指示役として北朝鮮の元工作員たち合わせて11人を国際手配しています。
拉致には金正日キム・ジョンイル)総書記が掌握していた対外情報調査部と呼ばれる工作機関が組織的に関わっていた疑いが強いと見て捜査を続けています。
このうち、福井県の地村保志さん・富貴恵さん夫妻を拉致した実行犯として元工作員辛光洙シン・グァンス)容疑者が手配されています。
また、大阪府の原 敕晁さんが拉致された事件では、辛容疑者とともに金吉旭(キム・キルウク)容疑者も共犯者として手配されています。
この他、東京都の久米 裕さん拉致事件では金世鎬(キム・セホ)容疑者が、新潟県曽我ひとみさん拉致事件にはキム・ミョンスク容疑者がそれぞれ関わったとして手配されています。
北海道出身の渡辺秀子さんの子供2人の拉致事件では、工作員グループのリーダー格で北朝鮮にいると見られる洪寿恵(ホン・スヘ)こと木下陽子容疑者が手配されています。
新潟県の蓮池 薫さん・祐木子さん夫妻の拉致事件ではチェ・スンチョル容疑者が実行犯として手配されている他、金総書記が掌握していた対外報調査部と呼ばれる北朝鮮の工作機関の幹部であるハン・クムニョン容疑者とキム・ナンジン容疑者が拉致の実行を指示したとして手配されています。
ハン容疑者たちは工作機関で「指導員」と呼ばれる立場で、辛光洙容疑者たちもこの組織の一員だったことがわかっており、警察は北朝鮮が組織的に拉致を実行した疑いが強いと見て捜査を続けています。
よど号ハイジャック事件のメンバーたちも1980年代にヨーロッパで相次いだ3人の日本人拉致に関わった疑いで国際手配されています。
このうち、有本恵子さん拉致事件では魚本公博(安部公博)容疑者が、石岡 亨さんと松木 薫さん拉致事件ではよど号メンバーの妻の森 順子・若林佐喜子両容疑者がそれぞれ手配されています。