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【みんな生きている】星陵会館編/産経新聞(2)

《インチキ遺骨ではなくて、拉致被害者を返せ!【拉致再調査】家族会など緊急集会 最終決戦「絶対に負けない」》

■一括帰国に期限、実現せぬなら極限制裁要求

北朝鮮による拉致被害者の家族会と支援団体「救う会」、超党派の「拉致救出議員連盟」が7月22日、東京都千代田区の星陵会館で緊急集会を開いた。昨年7月に北朝鮮拉致被害者らの再調査が始まったが、被害者帰国につながる成果はなく1年が過ぎたのを受け、家族会などが初めて開催した集会。日本政府に対し、全被害者の一括帰国の期限を設定し、実現しない場合には制裁を極限まで強めると北朝鮮に通告することを求めた。
田口八重子さん(59歳。拉致当時22歳)の兄で家族会代表の飯塚繁雄さん(77歳)は集会の冒頭、

「われわれは肉体的にも精神的にも疲れているが、家族のことを思って命がけで活動していく」

と述べた上で、

「みなさんとともに、オールジャパンでこの問題が早く解決できるよう力を注いでいただきたい」

と訴えた。
集会で、横田めぐみさん(50歳。拉致当時13歳)の父・滋さん(82歳)は

「早く連れて帰らなければ、被害者がせっかく帰ってきても、家族が亡くなっていることになってしまう」

と焦りをにじませた。
母の早紀江さん(79歳)は

「被害者を必ず取り戻します」

と力を込めた。
集会には山谷えり子拉致問題担当相も出席。
「日本政府は全被害者を救出するため、一致団結してありとあらゆることをやっていく」

と強調した。


■正恩体制で最初の決断、高まる緊張感

緊急集会で家族会は、被害者の一括帰国にこだわる姿勢を改めて明確に打ち出した。北朝鮮で最高指導者の決断を覆すのは困難で、金正日キム・ジョンイル)総書記が決めた拉致被害者「8人死亡」の主張は今も変わらない。今回の再調査は金正恩キム・ジョンウン)第1書記が最高指導者になってから、拉致問題をめぐる最初の決断となる。同時にそれが最後の決定となる恐れもあり、被害者家族は再調査での完全解決を訴えている。
北朝鮮が日本人拉致を初めて認めた2002年9月の日・朝首脳会談。金総書記は拉致被害者5人が生存していると明らかにする一方、8人に関しては「死亡している」と説明した。
8人を「死亡」とする説明には何の証拠もなく、さまざまな矛盾点があった。日本側はその後、反論を続けたが、独裁国家北朝鮮で、最高指導者の金総書記の決断を覆すことはかなわなかった。その後、「8人死亡」という主張は変わらないまま、金総書記は2011年12月に死去した。
今回の再調査は、金第1書記が最高指導者になってから始まった。これまで長く「拉致問題は解決済み」としていた北朝鮮が再調査に応じたことは、金第1書記が父の“決断”を変更する可能性があることを示唆しており、北朝鮮にとって「8人死亡」というこれまでの説明を覆すための手段として、再調査は意味を持っている。
だが、金第1書記が「8人死亡」の主張を続けたり、一部の被害者を帰すだけにとどめたりするという決断をした場合、その後に被害者を取り返すことは困難になるとみられる。叔父で後見人だった張成沢チャン・ソンテク)氏を粛清したのをはじめ、金第1書記による幹部らの粛清は続いており、独裁傾向がさらに強まっているという見方もあるからだ。
家族は最近、譲れない一線として、一括帰国を訴えている。再調査で一括帰国を実現しない限り、次の好機がいつ訪れるかは分からない。高齢化が進む家族にとって時間はそれほどなく、再調査を「最後のチャンス」と位置づけている。
被害者の一括帰国に期限を設け、期限内に実現しない場合、制裁を極限まで強めると北朝鮮に通告することを求めた集会で、横田めぐみさんの弟・拓也さん(46歳)はこう訴えた。

「私たちは絶対負けません。戦い続けます」。

運動方針で「最終決戦のとき」というスローガンを打ち出している家族の緊張感はこれまでになく高まっている。

■政府拉致問題HP
http://www.rachi.go.jp/
警察庁HP
http://www.npa.go.jp/
救う会全国協議会HP
http://www.sukuukai.jp/
特定失踪者問題調査会HP
http://www.chosa-kai.jp/



◆昭和53(1978)年6月頃
李恩恵(リ・ウネ)拉致容疑事案
被害者:田口八重子さん(拉致被害時22歳)
昭和62年11月の大韓航空機(KAL)爆破事件で有罪判決を受けた元北朝鮮諜報員金賢姫(キム・ヒョンヒ)氏は「李恩恵(リ・ウネ)」という女性から日本人の振る舞い方を学んだと主張している。この李恩恵は行方不明となった田口さんと同一人物と考えられる。
北朝鮮側は、田口さんは1984(昭和59)年に原 敕晁さんと結婚し、1986(昭和61)年の原さんの病死後すぐに自動車事故で死亡したとしているが、これを裏付ける資料等の提供はなされていない。
平成21年3月、金賢姫氏と飯塚家との面会において、金氏より田口さんの安否にかかる重要な参考情報(注)が新たに得られたことから、現在、同情報についての確認作業を進めている。
(注)金氏の発言:「87年1月にマカオから帰ってきて、2月か3月頃、運転手から田口さんがどこか知らないところに連れて行かれたと聞いた。86年に一人暮らしの被害者を結婚させたと聞いたので、田口さんもどこかに行って結婚したのだと思った」

※「八重子さんが北朝鮮南浦港に着いたとき、女性通訳に“私には子供が二人いて、どうしても日本に帰らなくてはならないので、返してほしい”と何回も言ってお願いしたそうです。八重ちゃんの思いは最初から最後まで子供のことでいっぱいでしたし、今でも間違い無く“今、彩ちゃんはいくつになって、耕ちゃんはいくつになった”と毎年計算して、どんな大人になったか知りたがっているはずです。すごく会いたがっていると思います」
拉致被害者・地村富貴恵さんの証言)
■埼玉県警HP
http://www.police.pref.saitama.lg.jp/
救う会埼玉HP
http://sukuukai.gozaru.jp/
拉致問題を考える川口の会HP
http://kawaguchi.aikotoba.jp/list.htm

◆昭和55(1980)年6月中旬
辛光洙シン・グァンス)事件
被害者:原 敕晁さん(拉致被害時43歳)
宮崎県内で発生。
本件については、北朝鮮工作員辛光洙シン・グァンス)が韓国当局に対し、原さん拉致を認める証言をしている。
捜査当局は辛光洙について、これまで原さんに成りかわった容疑で逮捕状の発付を得て国際手配するとともに、政府として北朝鮮側に身柄の引渡しを要求してきたが、平成18年4月には、新たに拉致容疑の主犯として逮捕状が発付されている。
北朝鮮側は身柄の引渡しに応じていないどころか、同人を「英雄」として称えている。
また、捜査当局は原さん拉致容疑の共犯者である金吉旭(キム・キルウク)についても逮捕状の発付を得ており、国際手配を行うなどの所要の措置を講じている。
北朝鮮側は、原さんは1984(昭和59)年に田口八重子さんと結婚し、1986(昭和61)年に肝硬変で死亡したとしているが、これを裏付ける資料等の提供はなされていない。

※「辛光洙は原 敕晁さんになりすますために、原さんについてのあらゆることを調べあげた。それこそ、チャーハンの作り方まで調べあげた」
(石高健次さん)
大阪府警HP
http://www.police.pref.osaka.jp/
宮崎県警HP
http://www.pref.miyazaki.lg.jp/police/

◆昭和52(1977)年11月15日
少女拉致容疑事案
被害者:横田めぐみさん(拉致被害時13歳)
新潟市において下校途中に失踪。
平成16年11月に開催された第3回実務者協議において、北朝鮮側はめぐみさんが1994(平成6)年4月に死亡したとし「遺骨」を提出したが、めぐみさんの「遺骨」とされた骨の一部からは同人のものとは異なるDNAが検出されたとの鑑定結果を得た。
平成18年4月には日本政府の実施したDNA検査により、横田めぐみさんの夫が昭和53年に韓国より拉致された当時高校生の韓国人拉致被害者・金英男(キム・ヨンナム)氏である可能性が高いことが判明した。

※「白い翼でも黒い翼でも、赤い翼でも青い翼でも、何でも結構なんで、帰って来られる翼をめぐみに与えてほしい」
横田早紀江さん。拉致被害者横田めぐみさんの母)
※「正義は必ず勝つ、と私は信じていますので、あとしばらくお力をお貸しください」
(横田哲也さん。拉致被害者横田めぐみさんの弟)
■神奈川県警HP
http://www.police.pref.kanagawa.jp/
新潟県警HP
http://www.police.pref.niigata.jp/
あさがおの会HP
http://www.asagaonokai.jp

◆昭和53(1978)年6月頃
元飲食店店員拉致容疑事案
被害者:田中 実さん(拉致被害時28歳)
欧州に向け出国したあと失踪。
平成14年10月にクアラルンプールで行われた日・朝国交正常化交渉第12回本会談及び平成16年に計3回行われた日・朝実務者協議において我が方から北朝鮮側に情報提供を求めたが、第3回協議において北朝鮮側より北朝鮮に入境したことは確認できなかった旨回答があった。
平成17年4月に田中 実さんが拉致認定されて以降、政府は北朝鮮側に対し即時帰国及び事案に関する真相究明を求めてきているが、これまでに回答はない。
兵庫県警HP
http://www.police.pref.hyogo.lg.jp/
救う会兵庫HP
http://www.sukuukai078.net/04.html



拉致事件、捜査の現状】
北朝鮮による拉致事件を巡り、日本の警察はこれまで実行犯や指示役として北朝鮮の元工作員たち合わせて11人を国際手配しています。
拉致には金正日キム・ジョンイル)総書記が掌握していた対外情報調査部と呼ばれる工作機関が組織的に関わっていた疑いが強いと見て捜査を続けています。
このうち、福井県の地村保志さん・富貴恵さん夫妻を拉致した実行犯として元工作員辛光洙シン・グァンス)容疑者が手配されています。
また、大阪府の原 敕晁さんが拉致された事件では、辛容疑者とともに金吉旭(キム・キルウク)容疑者も共犯者として手配されています。
この他、東京都の久米 裕さん拉致事件では金世鎬(キム・セホ)容疑者が、新潟県曽我ひとみさん拉致事件にはキム・ミョンスク容疑者がそれぞれ関わったとして手配されています。
北海道出身の渡辺秀子さんの子供2人の拉致事件では、工作員グループのリーダー格で北朝鮮にいると見られる洪寿恵(ホン・スヘ)こと木下陽子容疑者が手配されています。
新潟県の蓮池 薫さん・祐木子さん夫妻の拉致事件ではチェ・スンチョル容疑者が実行犯として手配されている他、金総書記が掌握していた対外報調査部と呼ばれる北朝鮮の工作機関の幹部であるハン・クムニョン容疑者とキム・ナンジン容疑者が拉致の実行を指示したとして手配されています。
ハン容疑者たちは工作機関で「指導員」と呼ばれる立場で、辛光洙容疑者たちもこの組織の一員だったことがわかっており、警察は北朝鮮が組織的に拉致を実行した疑いが強いと見て捜査を続けています。
よど号ハイジャック事件のメンバーたちも1980年代にヨーロッパで相次いだ3人の日本人拉致に関わった疑いで国際手配されています。
このうち、有本恵子さん拉致事件では魚本公博(安部公博)容疑者が、石岡 亨さんと松木 薫さん拉致事件ではよど号メンバーの妻の森 順子・若林佐喜子両容疑者がそれぞれ手配されています。