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【みんな生きている】山本美保さん/産経新聞

《インチキ遺骨ではなくて、拉致被害者を返せ!拉致再調査「回答待つだけの時期過ぎた」森本美砂さん》

■特定失踪者・山本美保さんの双子の妹

ストックホルム合意に基づき、北朝鮮が昨年7月、日本人拉致被害者等の再調査を開始してから、4日で1年が経つ。これを前に、甲府市の特定失踪者、山本美保さん(51歳。失踪当時20歳)の双子の妹・森本美砂さん(51歳)=同市=が『産経新聞』の取材に応じた。
拉致被害者等の早期救出を訴え続ける森本さんは

「何の進展もなく、ただ時間を無駄に費やしてきたことが悔しい。もはや北朝鮮から回答を待つだけの時期は過ぎ、救出のための具体的な方策を考える段階にきているのではないか」

と涙ながらに苛立ちを訴えた。


■無力感と失望

再調査では、北朝鮮による拉致の可能性を排除できないものの、日本政府が拉致被害者と認定していない特定失踪者らも対象となった。

「やっと姉に関する情報が入ってくる、姉に会うことができるという実感があった」

と1年前を振り返る。
ところが、

「年が明けても、何の進展もなかった」

日本政府が北朝鮮の特別調査委員会の実効性を認めて制裁を一部解除したことについても、

「結果につながってほしいと期待したが、無策のまま時が過ぎた。犯罪国家の権力者を経済的に援助しただけ」

と語気を強める。
さらに、

「状況を変えられない無力感と失望、怒りで、(日常生活に)力が沸いてこない日もある」

そう吐露して、目頭を押さえた。


■八方塞がり

日本政府は、7月4日までに北朝鮮から再調査の回答がない場合も、水面下で継続している対話が途絶えるリスクを回避し、前向きな回答を引き出そうと、制裁の強化は当面見送る方針だ。

北朝鮮が外交や対話によって態度を変える相手とは、もう思えない。成果を得られない以上、回答をただ待つという手法は方向転換すべきではないか」

この1年、北朝鮮の動向を見守る中で、考えが変わりつつある。

「戦後70年。憲法が平和の礎となってきたことは理解している。でも、その憲法が救出の足かせになっているのでは…」

直接的な救出行動が困難な現実を受け止めつつも、八方塞がりの現状に歯がゆさが募るようになった。


■国際社会に訴え

焦燥感の一方で、新たな光も感じ始めている。
今年5月、拉致被害者である横田めぐみさん(50歳。失踪当時13歳)の弟・拓也さん(46歳)たちとともに渡米し、北朝鮮の人権侵害をテーマに拉致問題の解決や圧力の強化を国際社会に訴えた。
日本政府主催の国際シンポジウムに出席するための渡米には、迷いもあった。県警が昭和59年に山形県で見つかった遺体をDNA型から山本さんと断定したことに疑念を抱いているからだ。それでも渡米した背景には、国際社会が北朝鮮への非難を強めている情勢がある。

「県警の捜査とは切り離し、できることをしなければ」

赴いたアメリカでは、

「各国の理解を得て北朝鮮の問題を包括的に解決していくことが、拉致問題の解決につながるという手応えを感じた」

と言う。


■再会信じ韓国語学

森本さんは現在、片道約1時間の通勤中、韓国語の教材を聴いている。学び始めたのは10年以上前。

「日本政府がいつか直接的な救出行動に出た際には参加できるかもしれないと、予備自衛官になろうとしたのがきっかけだった」

と明かす。
しばらくブランクはあったが、再び学ぶようになった。

「上達したとは言えないけれど、姉や拉致被害者北朝鮮に迎えに行くことになるかもしれない。再会できる日を信じ、少しでも言葉を身に付けておきたい」

希望を失ってはいない。

新潟県警HP
http://www.police.pref.niigata.jp/
山梨県警HP
http://www.pref.yamanashi.jp/police/



《特定失踪者・山本美保さんについて》
◆氏名:山本 美保
(やまもとみほ)
◆失踪年月日:昭和59(1984)年6月4日
◆生年月日:昭和39(1964)年3月3日
◆性別:女性
◆当時の年齢:20歳
◆身長:160cm
◆体重:51kg
◆当時の身分:大学受験生
◆当時の住所:山梨県甲府市
◆特徴:
1)左目の下に3針縫った跡
2)左手にしもやけの軽いケロイド
◆靴のサイズ:23.5cm
◆失踪場所:山梨県甲府市の自宅を出て以来消息不明

【失踪状況】
「図書館に行く」と言ってバイクで出かけたまま失踪。甲府駅前にバイクが置かれているのが発見された。
4日後、新潟県柏崎市荒浜海岸にセカンドバックが落ちていたとの連絡。
失踪半年後の11月6日から無言電話が4年半ほど続く。
無言電話はほとんど数秒で切れるものだったが、失踪から3年4ヶ月後と3年6ヶ月後の2回の電話は10分~15分ほど続き、相手はじっと聞いている様子だった。
3年6ヶ月後の電話はすすり泣くような声が聞かれた。
平成16年1月29日、山梨県警に告発状提出。

《特定失踪者・川合健二さんについて》
◆氏名:川合 健二
(かわいけんじ)
◆失踪年月日:昭和54(1979)年4月4日
◆生年月日:昭和22(1947)年2月6日
◆性別:男
◆当時の年齢:35歳
◆身長:167cm
◆体重:55kg
◆当時の身分:会社員
◆当時の住所:山梨県中巨摩郡(現・山梨県甲斐市
◆特徴:左利き
◆失踪場所:山梨県中巨摩郡

【失踪状況】
車で接触事故を起こし、被害者を病院に送り届けてから行方不明。
車も見つかっていない。
失踪直前、10万円くらい小分けにして300万円が引き出されていた。

《特定失踪者・角田麻衣さんについて》
◆氏名:角田 麻衣
(つのだまい)
◆失踪年月日:平成14(2002)年11月13日
◆生年月日:昭和57(1982)年2月12日
◆性別:女性
◆当時の年齢:20歳
◆身長:153cm
◆体重:44kg~46kg
◆当時の身分:大学3年生
◆失踪場所:東京または山梨

【失踪状況】
11月11~13日は学校を休んでいたが、それまで連絡なしで学校を休んだことはなかった。
13日朝7時頃、兄が起きたときはすでに姿がなかった。
失踪後の11月13日、山梨県で携帯電話の電波を交換機がキャッチするも、その後は交信無し。

◆昭和53(1978)年6月頃
元飲食店店員拉致容疑事案
被害者:田中 実さん(拉致被害時28歳)
欧州に向け出国したあと失踪。
平成14年10月にクアラルンプールで行われた日・朝国交正常化交渉第12回本会談及び平成16年に計3回行われた日・朝実務者協議において我が方から北朝鮮側に情報提供を求めたが、第3回協議において北朝鮮側より北朝鮮に入境したことは確認できなかった旨回答があった。
平成17年4月に田中 実さんが拉致認定されて以降、政府は北朝鮮側に対し即時帰国及び事案に関する真相究明を求めてきているが、これまでに回答はない。

《特定失踪者・金田竜光さんについて》
◆氏名:金田 竜光
(かねだたつみつ)
◆失踪年月日:昭和54(1979)年ごろ
◆生年月日:昭和27(1952)年
◆性別:男
◆当時の年齢:26歳
◆身長:180cm
◆当時の身分:ラーメン店店員
◆当時の住所:兵庫県神戸市東灘区青木
◆失踪場所:神戸市東灘区

【失踪状況】
金田さんは韓国籍
田中 実さん(昭和53年に拉致)と同じ施設で育った。
昭和52年ごろ、田中 実さん拉致実行犯・韓竜大(ハン・ヨンデ)が経営するラーメン店「来大」に就職。昭和53年に田中 実さんを「来大」に紹介し、ともに働く。同年、韓竜大の誘いにより、田中 実さんがオーストリア・ウィーンに出国。
半年ほどして、田中 実さんが差出人になっているオーストリアからの国際郵便を受け取る。その内容は「オーストリアはいいところであり、仕事もあるのでこちらに来ないか」との誘いであった。
田中さんの誘いを受け、打ちあわせと言って東京に向かったが、以後一切連絡がなく、行方不明となる。
連絡がないことを不思議に思った友人が、この間の事情を知る韓竜大に再三説明を求めたが、「知らない」と繰り返す。
その後失踪した2人を知る友人たちの間で「2人は北朝鮮にいる」との噂が広まり、韓竜大に近づく者がいなかった。
救う会兵庫」は平成14年10月に韓竜大、15年7月にその共犯である曹廷楽(チョ・ジョンガリ)についての告発状を兵庫県警に提出している。

《特定失踪者・藤田 進さんについて》
※国連人権理事会が調査要請を受理した事案
◆氏名:藤田 進
(ふじたすすむ)
◆失踪年月日:昭和51(1976)年2月7日
◆生年月日:昭和31(1956)年6月16日
◆性別:男
◆当時の年齢:19歳
◆当時の身分:東京学芸大学教育学部1年生
◆当時の住所:埼玉県川口市南町
◆特徴:
1)家ではあまりしゃべらないタイプ
2)ギターがうまかった
◆失踪場所:埼玉県川口市の自宅

【失踪状況】
失踪当日6:30~7:00頃、以前から言っていた新宿のガードマンのバイトに行くといって服を持って家を出たまま帰らず。
後に新宿にある全ての警備会社に電話で問い合わせたが該当者はいなかった。
脱北者北朝鮮から持ち出した写真が鑑定の結果、藤田 進さんである可能性が極めて高いことが判明。
平成16年1月28日、埼玉県警に告発状提出。



拉致事件、捜査の現状】
北朝鮮による拉致事件を巡り、日本の警察はこれまで実行犯や指示役として北朝鮮の元工作員たち合わせて11人を国際手配しています。
拉致には金正日キム・ジョンイル)総書記が掌握していた対外情報調査部と呼ばれる工作機関が組織的に関わっていた疑いが強いと見て捜査を続けています。
このうち、福井県の地村保志さん・富貴恵さん夫妻を拉致した実行犯として元工作員辛光洙シン・グァンス)容疑者が手配されています。
また、大阪府の原 敕晁さんが拉致された事件では、辛容疑者とともに金吉旭(キム・キルウク)容疑者も共犯者として手配されています。
この他、東京都の久米 裕さん拉致事件では金世鎬(キム・セホ)容疑者が、新潟県曽我ひとみさん拉致事件にはキム・ミョンスク容疑者がそれぞれ関わったとして手配されています。
北海道出身の渡辺秀子さんの子供2人の拉致事件では、工作員グループのリーダー格で北朝鮮にいると見られる洪寿恵(ホン・スヘ)こと木下陽子容疑者が手配されています。
新潟県の蓮池 薫さん・祐木子さん夫妻の拉致事件ではチェ・スンチョル容疑者が実行犯として手配されている他、金総書記が掌握していた対外報調査部と呼ばれる北朝鮮の工作機関の幹部であるハン・クムニョン容疑者とキム・ナンジン容疑者が拉致の実行を指示したとして手配されています。
ハン容疑者たちは工作機関で「指導員」と呼ばれる立場で、辛光洙容疑者たちもこの組織の一員だったことがわかっており、警察は北朝鮮が組織的に拉致を実行した疑いが強いと見て捜査を続けています。
よど号ハイジャック事件のメンバーたちも1980年代にヨーロッパで相次いだ3人の日本人拉致に関わった疑いで国際手配されています。
このうち、有本恵子さん拉致事件では魚本公博(安部公博)容疑者が、石岡 亨さんと松木 薫さん拉致事件ではよど号メンバーの妻の森 順子・若林佐喜子両容疑者がそれぞれ手配されています。