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【みんな生きている】静岡県特定失踪者編/産経新聞

《拉致は人権侵害の総本山!静岡県の特定失踪者を救出しろ!》

日本、北朝鮮両政府が、拉致の疑いを否定できない特定失踪者を含む拉致被害者の再調査に合意してから5月29日で1年が経過した。しかし、再調査に関し具体的な進展は見られず、静岡県内の特定失踪者の家族からは、落胆やいらだちの声が上がっている。失踪者家族の高齢化も進む中、「何とか生きているうちに」と、一日も早い救出を祈り続けている。


■「諦めたらそれで終わり」鈴木清江さんのご家族

「1年前、あれだけ盛り上がったのは一体何だったのだろうか」。
昭和57年に袋井市内で行方が分からなくなった鈴木清江さん=失踪当時(23歳)=の妹・酒井豊己さん(52歳)は、拉致問題が進展しない現状に肩を落とす。

「今回は政府認定の拉致被害者だけでなく、特定失踪者も再調査の対象だったので期待度が高かった。だけど何も進まないまま時間だけが過ぎた」

酒井さんは今月初旬、県内に住む失踪者の3家族に声を掛け、静岡市内で集まった。

「いろいろと愚痴を言い合えて、気持ちが少し楽になった。『次会うときはいい報告ができるといいね』といって別れました」

と酒井さん。

「諦めたらそれで終わり。お姉ちゃんが北朝鮮で生きていると信じ続けるしかない」

と気丈に話した。


■「この手で息子を抱きしめるまで死ねない」河嶋功一さんのご家族

浜松市出身の河嶋功一さん=失踪当時(23歳)=の母・愛子さん(81歳)は

北朝鮮に足元を見られてばっかりいて、何一つ進展しない。期待感も薄れてきた」

と、現在の心境を語る。
愛子さんはこれまで、拉致被害者の蓮池 薫さんや、古屋圭司・元拉致問題担当相と面会し、河嶋さんに関する情報を求めてきた。

「いくらお願いしても、政府が認定しない限り交渉のテーブルにすらたどり着けない」

と話す。
夫を亡くし、現在1人暮らしの愛子さんは、

「ただ待っているだけだと息が詰まる」

と、5年ほど前から家庭菜園を始め、北朝鮮が再調査に合意した後に、河嶋さんの好物だったサツマイモの苗をいつもの2倍植えたという。

「今ごろ腹いっぱい、おいしいものを食べさせるつもりだったけど残念。自分の体がいつまでもつか分からないけど、この手で息子を抱きしめるまでは死ねない」

と話した。


■「北朝鮮は本当に信用できない」富川久子さんのご家族

平成6年に沖縄県石垣市で失踪した、袋井市出身の富川久子さん=失踪当時(35歳)=の義理の叔父・吉田直勝さん(77歳)は

北朝鮮は本当に信用できないと分かった」

と語り、

「家族の高齢化も進んでいる。政府にはもっと強気に交渉してほしい」

と訴えた。

《特定失踪者・鈴木清江さんについて》
◆氏名:鈴木 清江
(すずききよえ)
◆失踪年月日:昭和57(1982)年2月5日
◆生年月日:昭和33(1958)年3月27日
◆性別:女性
◆当時の年齢:23歳
◆身長:156cm
◆体重:43kg
◆当時の身分:会社員(事務職)
◆当時の住所:静岡県袋井市宇刈
◆特徴:丸顔
◆失踪場所:静岡県袋井市

【失踪状況】
車で帰宅途中の清江さんを、別の車に乗った母と妹が見かける。
清江さんの車の前に、男性が追い越すように車を停め、降車して清江さんと話をしている様子だったという。清江さんはそのまま帰らず。
翌朝、道路横の空き地に本人の車が鍵をかけた状態で止まっていた。
バッグはなく、財布と買い物をしたものが残されていた。
失踪する理由は思い当たらない。
警察も調べたが何の結果も出なかった。
昭和51(1976)年3月から54(1979)年3月まで京都西陣で染物屋に勤務していたが、この社長が朝鮮総聯系の大物であり、失踪に関連があるのではないかとの疑惑も持たれている。

静岡県警公開特定失踪者・河嶋功一さんについて》
◆氏名:河嶋 功一
(かわしまこういち)
◆当時の年齢:23歳(昭和57年当時)
◆当時の住所:神奈川県横浜市金沢区
静岡県浜松市出身
◆当時の職業:無職
◆身長:167cmくらい
◆体重:60kgくらい

【失踪状況】
昭和57年3月21日、大学卒業に伴う実家(浜松市)への引越しのため、自家用車で迎えに来た両親とともに車で実家に戻る予定でしたが、急きょ電車を利用することになったため両親と別れた後、行方不明となっています。

《特定失踪者・富川久子さんについて》
◆氏名:富川 久子
(とみかわひさこ)
◆失踪年月日:平成6(1994)年2月14日
◆生年月日:昭和33(1958)年2月18日
◆性別:女性
◆当時の年齢:35歳
◆当時の住所:沖縄県石垣市
◆当時の身分:主婦
◆失踪場所:沖縄県石垣市

【失踪状況】
失踪以前に「誰かに見られているような気がする」と言っていた。
県営住宅が抽選であたったが、「移るのが怖い」といい始め、その後1週間後に失踪。
失踪直前、ゴルフ練習場の女性従業員に子供を預けて、バレンタインデーのチョコレートを買うために、近くのスーパーに車で行った。
その後、音信が不通となった。
失踪の翌日の昼過ぎに「御神崎灯台で車が見つかった」という連絡があった。
車の鍵は開いていて、キーは車に挿しっぱなしだった。
本人の帽子、バック、子供のミルク缶が車に残されていた。
免許証とバレンタインデーのチョコレートは車中に残っていなかった。
北朝鮮からの脱北者から「北朝鮮で目撃した女性に似ている」との情報がある。

《特定失踪者・橘 邦彦さんについて》
◆氏名:橘 邦彦
(たちばなくにひこ)
◆失踪年月日:平成3(1991)年10月15日
◆生年月日:昭和47(1972)年9月3日
◆性別:男
◆当時の年齢:19歳
◆身長:160cm
◆体重:56kg
◆当時の身分:専門学校生
◆当時の住所:静岡県沼津市岡宮
◆特徴:
1)4歳のとき両足の小指が少し合指していたので手術をした
2)飲酒・喫煙をする
3)右手人差し指で鼻を上げる仕草
4)肩ががっちりしている
◆失踪場所:静岡県沼津市の自宅から外出して

【失踪状況】
10月15日夜、男性から電話があり沼津市の自宅から出ていったまま失踪。
免許証の更新もせず部屋もそのまま。
北朝鮮にいるとの不確定情報がある。



拉致事件、捜査の現状】
北朝鮮による拉致事件を巡り、日本の警察はこれまで実行犯や指示役として北朝鮮の元工作員たち合わせて11人を国際手配しています。
拉致には金正日キム・ジョンイル)総書記が掌握していた対外情報調査部と呼ばれる工作機関が組織的に関わっていた疑いが強いと見て捜査を続けています。
このうち、福井県の地村保志さん・富貴恵さん夫妻を拉致した実行犯として元工作員辛光洙シン・グァンス)容疑者が手配されています。
また、大阪府の原 敕晁さんが拉致された事件では、辛容疑者とともに金吉旭(キム・キルウク)容疑者も共犯者として手配されています。
この他、東京都の久米 裕さん拉致事件では金世鎬(キム・セホ)容疑者が、新潟県曽我ひとみさん拉致事件にはキム・ミョンスク容疑者がそれぞれ関わったとして手配されています。
北海道出身の渡辺秀子さんの子供2人の拉致事件では、工作員グループのリーダー格で北朝鮮にいると見られる洪寿恵(ホン・スヘ)こと木下陽子容疑者が手配されています。
新潟県の蓮池 薫さん・祐木子さん夫妻の拉致事件ではチェ・スンチョル容疑者が実行犯として手配されている他、金総書記が掌握していた対外報調査部と呼ばれる北朝鮮の工作機関の幹部であるハン・クムニョン容疑者とキム・ナンジン容疑者が拉致の実行を指示したとして手配されています。
ハン容疑者たちは工作機関で「指導員」と呼ばれる立場で、辛光洙容疑者たちもこの組織の一員だったことがわかっており、警察は北朝鮮が組織的に拉致を実行した疑いが強いと見て捜査を続けています。
よど号ハイジャック事件のメンバーたちも1980年代にヨーロッパで相次いだ3人の日本人拉致に関わった疑いで国際手配されています。
このうち、有本恵子さん拉致事件では魚本公博(安部公博)容疑者が、石岡 亨さんと松木 薫さん拉致事件ではよど号メンバーの妻の森 順子・若林佐喜子両容疑者がそれぞれ手配されています。