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【みんな生きている】山谷えり子編/千葉日報

《拉致は人権侵害の総本山!山谷大臣、リンチ司法長官と会談》

山谷えり子拉致問題担当相兼国家公安委員長は5月4日、アメリカの首都ワシントンでロレッタ・リンチ(Loretta Lynch)司法長官と会談し、北朝鮮による拉致問題を解決する重要性で一致した。山谷氏が会談後に記者団に明らかにした。
山谷氏は3日に、アメリカのソン・キム(Sung Kim)北朝鮮担当特別代表やロバート・キング(Robert R. King)北朝鮮人権問題担当特使とも会談。一連の会合で、日・朝協議に関連し、北朝鮮側から日本人拉致被害者の調査報告が行われていないことは「遺憾だ」と表明した。

《特定失踪者・古川了子さんについて》
◆氏名:古川 了子
(ふるかわのりこ)
◆失踪年月日:昭和48(1973)年7月7日
◆生年月日:昭和30(1955)年1月1日
◆性別:女性
◆当時の年齢:18歳
◆身長:157cmくらい
◆当時の身分:三井造船社員
◆特徴:
1)中学時代水泳部、高校では卓球部部長。
2)簿記、珠算和文タイプ等資格持っている
3)書き初めで入選したことあり、文字を書くのは左右同じに使える
◆失踪場所:千葉県

【失踪状況】
午前中に美容院へ行き、午後から母親と浴衣を買いに行く予定をしていた。
朝早く家を出て、美容院に「今日の美容院はキャンセルしたい。出かけるところができた。母親にも浴衣を買いに行けなくなったと伝えて下さい」と言った。
母親は美容院からの電話で、友達にでも会うことになったのだろうと気にしなかったが、それから何の音沙汰もなくなった。
7月に初めて貰ったボーナスは手付かず、預金通帳も置いたまま。持って出たのは財布とハンカチくらいしか入らない、いつも持っている小さなバッグ1つだけだった。
その後、家にも勤め先にも全く連絡なし。中学や高校の友人も心あたりはなかった。
北朝鮮工作員安明進(アン・ミョンジン)氏が、「1991年に平壌市内の病院にいた女性と似ている」と証言している。
平成16年1月29日、千葉県警に告発状提出。
平成17年4月13日政府に対し拉致認定を求め東京地裁に提訴。



【このままじゃ救えない 特定失踪者】

[特定失踪者 古川了子の姉 竹下珠路]
私の妹・古川了子は昭和48年7月7日に18歳で突然失踪し、それから42年が経ってしまいました。
家族は可能な限り様々な手を尽くして探しましたが全く消息はつかめず、年月ばかりが流れ、24年後の平成9年になって、テレビで北朝鮮拉致問題を取り上げたことがきっかけで、元工作員安明進(アン・ミョンジン)氏から北朝鮮の915病院で会った人がとてもよく似ているという証言を頂きました。
その後、私が直接お会いした折には、「自分が見た女性は、どの写真よりもお姉さんである貴女にとてもよく似ています」と話してくれ、妹は北朝鮮によって拉致をされたのだということを確信しました。
その後、平成14年には千葉県警に拉致事案としての捜査要請、16年には被疑者不明のまま告発状提出し、日弁連人権擁護委員会には人権侵害救済申し立てを提出し受理されました。
更に平成17年には、東京地裁へ「古川了子の拉致認定を求める行政訴訟」を起こしました。
裁判の中では安明進氏にも証言台に立っていただき、2年間の審議の末「認定被害者も未認定者も同じように対応する」という内閣府の声明を受けて訴訟は和解しました。
しかし、それから8年経った今も認定されることもなく、特定失踪者の立場は変わっていません。
「認定被害者と、未認定の特定失踪者の違いは何か」ということをよく問われますが、私は大きくは次のような3点の違いがあると思います。

(1)この12年間、北朝鮮との交渉が途切れながらもある度に、認定被害者家族に対しては直接報告や説明があるのに、特定失踪者家族に対しては全くありません。私たち家族が要請しても、政府は応じてくれません。
(2)地元自治体やマスコミの対応が違います。請願活動をすれば一応の対応はしてくれますが、「まだ認定されていないですよね」の言葉がついてきます。そしてその結果社会での認知度が低いです。
(3)昨年からの北朝鮮との交渉においても、日本政府は「拉致被害者」というのは認定被害者のことで、特定失踪者についてはその他も含め「他の行方不明者」という表現の対象者として全く別扱いにしており、北朝鮮側も同じ対応になっています。

母は5年前に94歳で亡くなりました。「自分が了子を守ってやれなかった」「了子に不幸な運を引き当ててしまったのは自分だ」と最後まで「了ちゃんごめんね」と何度も何度も書いていました。
この思いはどこの親御さんも同じだと思います。
社会の中で質素にまじめに生きていた了子や母が、なぜこのような被害に会い、長い年月苦しまなければならないのか?
海の向こうから不法にやってきて、国外に拉致されてしまい、長い年月放置されてしまったことに、国民を守る立場の機関や組織の人々は、後悔や責任は感じないのでしょうか?
多少なりとも情報を持ち得た人々が社会に警告していれば、被害はもっと防げたかもしれません。
昨年春からの日・朝交渉に期待を寄せましたが、「秋頃までに」「一年以内に」などと言っていたのに、今は全く進展がみられません。間もなく1年が来てしまいます。
今のやり方で本当に被害者は救えるのでしょうか?
妹も今年の1月で60歳、還暦を迎えました。北朝鮮の厳しい冬はさぞ大変だと思います。
本人の命があるうちに、私たち兄姉の命があるうちに了子に日本の土を踏ませてやりたい、そして母のお墓に報告してやりたいと、お彼岸の墓参りでも母に話しかけてきました。
一日も早く被害者を取り戻せますよう、どうぞよろしくお願いします。



拉致事件、捜査の現状】
北朝鮮による拉致事件を巡り、日本の警察はこれまで実行犯や指示役として北朝鮮の元工作員たち合わせて11人を国際手配しています。
拉致には金正日キム・ジョンイル)総書記が掌握していた対外情報調査部と呼ばれる工作機関が組織的に関わっていた疑いが強いと見て捜査を続けています。
このうち、福井県の地村保志さん・富貴恵さん夫妻を拉致した実行犯として元工作員辛光洙シン・グァンス)容疑者が手配されています。
また、大阪府の原 敕晁さんが拉致された事件では、辛容疑者とともに金吉旭(キム・キルウク)容疑者も共犯者として手配されています。
この他、東京都の久米 裕さん拉致事件では金世鎬(キム・セホ)容疑者が、新潟県曽我ひとみさん拉致事件にはキム・ミョンスク容疑者がそれぞれ関わったとして手配されています。
北海道出身の渡辺秀子さんの子供2人の拉致事件では、工作員グループのリーダー格で北朝鮮にいると見られる洪寿恵(ホン・スヘ)こと木下陽子容疑者が手配されています。
新潟県の蓮池 薫さん・祐木子さん夫妻の拉致事件ではチェ・スンチョル容疑者が実行犯として手配されている他、金総書記が掌握していた対外報調査部と呼ばれる北朝鮮の工作機関の幹部であるハン・クムニョン容疑者とキム・ナンジン容疑者が拉致の実行を指示したとして手配されています。
ハン容疑者たちは工作機関で「指導員」と呼ばれる立場で、辛光洙容疑者たちもこの組織の一員だったことがわかっており、警察は北朝鮮が組織的に拉致を実行した疑いが強いと見て捜査を続けています。
よど号ハイジャック事件のメンバーたちも1980年代にヨーロッパで相次いだ3人の日本人拉致に関わった疑いで国際手配されています。
このうち、有本恵子さん拉致事件では魚本公博(安部公博)容疑者が、石岡 亨さんと松木 薫さん拉致事件ではよど号メンバーの妻の森 順子・若林佐喜子両容疑者がそれぞれ手配されています。