無題 - もずの独り言・はてなスポーツ＋物置

寝る前に書くことにタイトルなんか付けない。

From out of
nowhere you came
strong as stone

サキどり↑

、今週は「さよなら、失敗するワタシ～失敗学最新事情～」

■失敗を繰り返さないポイント

◆失敗の原因をきちんと把握する
◆失敗には良い失敗と悪い失敗がある
◆失敗は客観的に振り返る

■大阪市梅田にあるＩＴ企業
［失敗の原因をきちんと把握する］

この企業はあるプロジェクトで大赤字を出した。
原因究明のための会議が開かれるが、原因にたどりつけない。
ＩＴ業界における失敗・中止事案、およそ７割。
この企業では３００件の失敗事例を分析し、一枚の図にまとめた。
この図が「失敗原因曼陀羅図」だ。
まず、図では大きなカテゴリーとしてプロジェクト・組織・個人の３つに分け、さらに、そこから細分化される。
例えば、個人のカテゴリーはそこから無知・不注意・誤判断・手順の不順守と派生し、さらに、不注意からは注意不足と疲労・体調不良へと派生する。
この曼陀羅図、社員からは

「すでに原因がある程度洗い出されているので議論しやすい」
「図にすることによって可視化出来るというのが一番良い」

と評判が良い。

■大阪府堺市の金属加工会社
［失敗には良い失敗と悪い失敗がある］

従業員１３０人のこの会社は取り扱い商品１万点・年商５５億円。創業以来ずっと黒字が続いている。
「絶えず新しいものにチャレンジ」
（社長）

◆１７年前の失敗
この会社ではカー用品への進出に乗り出した。
責任者に任命された若手社員はハンドルカバーや芳香剤等、新商品を次々と大量生産。次々と納品した。
しかし…
翌年、次々と返品される。
若手社員はカー用品業界の取引形態を見落とした。異業種に参入する際に確認すべき初歩を見落としたのだ。
カー用品業界では仕入れ代金を高額にする代わり、売れ残ればメーカーが全て引き取るルール。
会社の損害、５，０００万円。これは１年分の利益に相当する。
これを機に創設されたのが失敗賞だ。

◆失敗賞の導入効果
「うちは大失敗した社員に賞をあげるんです」
（社長）
授与されるのは賞状と金一封（１万円）。
「“これにめげずにチャレンジしようや”というメッセージ」
（社長）

この会社では半年に１回表彰があり、これまでに受賞者２７名。
表彰されるくらいの大きな失敗。
その失敗で得た教訓・知識は会社全体で共有され、改善や新しいチャレンジの土台になっている。

■米軍から学ぶ失敗学
［失敗は客観的に振り返る］

◆ＡＡＲ
“After Action Review”
（「事後検証プログラム」）
ＡＡＲはアメリカ陸軍がミッション終了後に必ず行うもので、作戦の失敗からいち早く立ち直るためのプログラムだ。
プログラムは４つの質問から成り立っている。

（１）
☆“What was supposed to happen?”
「我々は何をやろうとしたのか？」
【作戦の目的・内容を再確認】
何を目指していたのか認識を共有し、検証の基盤をつくる。
（２）
☆“What actually happened?”
「実際に何が起きたのか？」
【証言や記録を多角的に検証し、事実判定のみ行う】
大切なのは起こった事実を冷静に把握すること。
断片的な証言やあらゆる記録を照らし合わせ、客観的・多角的に事実をとらえる。
（３）
☆“Why were there difference?”
「なぜそうなったのか？」
【責任追及せずに原因究明に集中。地位にとらわれず平等に発言】
客観的に事実をとらえたうえで分析を行う。
重要なのは、失敗した人の責任追及は一切しないこと。上手くいったこと・いかなかったことを率直に話し合い、失敗の原因を明らかにすることのみに集中する。
（４）
☆“What would you do differently next time?”
「次回なすべきことは何か？」
失敗の原因を理解したうえで、あくまでも自分たちが出来る範囲での対策を導き出す。

◆ファシリテーターの役割
ＡＡＲの進行役をファシリテーターと呼ぶ。
ファシリテーターの役割は、以下の３つ。
１）第三者として会議の進行に徹する。そのため、利害関係の無い人が担当する。
２）メンバー全員の参加を促す。全員の意見を公平に尊重することで参加者の主体性を引き出す。
３）責任を追及したり、逆に評価したりしない。目的は失敗から学び、より良い行動につなげること。犯人探しはしない。

◆ＡＡＲはどんな失敗からも学べる
「ＡＡＲは合衆国の防衛にとって非常に重要なプログラムです。極限状態では、人は目の前のことしか見えなくなりがちです。しかし、ＡＡＲを用いれば、どんな失敗からも学べるのです」
（元アメリカ陸軍大佐）