THIS IS A JOURNEY IN TO SOUND・第３８回

THE OUTER MISSION
（１９８８年・聖飢魔II）

【収録曲】
（１）OVERTURE～WINNER!
（２）LOVE FLIGHT
（３）RATSBANE
（４）害獣達の墓場
（５）RENDEZVOUS 60 MICRONS'
（６）THE EARTH IS IN PAIN
（７）LUNATIC PARTY
（８）５０００光年の彼方まで
（９）不思議な第３惑星
（10）THE OUTER MISSION



今回は聖飢魔IIです。
このアルバムと、シングル・白い奇跡が聖飢魔IIをメジャーへと押し上げました。
このアルバムはゴリゴリのメタルサウンドは（９）くらいですが、聖飢魔IIの数あるアルバムの中でも傑作の１枚です。
このアルバムは何と言っても（３）と（８）です。
（３）の特にギター・ソロは必聴です。ジャズとメタルのソロが４小節ごとに繰り返されるのに驚きます。こういう自由な発想が聖飢魔IIらしさだと思います。
（８）は速弾きのお手本のような曲です。
単に激しい速弾きなら、このあとのアルバムでも数曲発表していますが、（８）は同じ速弾きでも芸術作品です。
（４）は聖飢魔IIの新しい試みで、「聖飢魔IIといえばギター・ソロ」なのですが、（４）はギター・ソロがありません。パーカッションと害獣（？）の鳴き声だけです。
それでもカッコ良くまとまっているところに聖飢魔IIの作曲能力と演奏能力の高さを感じます。
（４）はのちに聖飢魔II再結成時に再収録されますが、やはり再収録版もギター・ソロはありません。パーカッションの代わりに雅楽器が使われています。
（10）のギター・ソロのところの台詞はレベッカのノッコです。レベッカも聖飢魔IIも同時代のバンドなんですよね。
このアルバムをＨＲＨＭのアルバムとして聴くのには、当然、無理があります。
ただ、「カテゴリーにとらわれず、自由な発想を集めたアルバム」として聴く分には良いと思います。