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【みんな生きている】横田めぐみさん/NHK[新潟]

《拉致は人権侵害の総本山!横田めぐみさん、拉致状態で不本意な誕生日》

37年前、中学1年生の時に北朝鮮に拉致された横田めぐみさんが10月5日で50回目の誕生日を迎えるのに合わせて救出を願う集いが開かれ、母親の早紀江さんは、政府が拉致被害者等の調査の詳細を聞くために平壌に担当者を派遣する方針であることについて、成果が見通せない中での派遣は拙速だとして改めて慎重な対応を求めました。
横田めぐみさんは東京オリンピック開幕を間近に控えた昭和39年10月、両親の待望の第1子として生まれました。
5日で50回目の誕生日を迎えるのに合わせて両親が住む神奈川県川崎市で集いが開かれ、出席した母親の早紀江さんは

「誕生日が近づくと、めぐみが生まれたとき大きくて重い赤ちゃんを抱いた感触を思い出します。必ず助けてあげるという思いだけが支えです」

と語りました。
また、政府が拉致被害者等の調査の詳細を聞くために平壌に担当者を派遣する方針であることに触れ、

「『被害者の情報がなくても北朝鮮に行けば何か分かるかもしれない』と政府が言っているのは非常に危険だと思います。政府は拉致問題をないがしろにすることなく、被害者の命を確保して初めて次に進む姿勢を絶対に曲げないで頂きたい」

と求めました。
父親の滋さんは

「もっと早く進むと思っていましたが、いまだ結果が出ておらず残念です。北朝鮮は『拉致被害者8人は死亡した』とでたらめな主張をしていますが、誠実な調査を行って被害者を帰してほしい」

と訴えました。

◆昭和52(1977)年11月15日
少女拉致容疑事案
被害者:横田めぐみさん(拉致被害時13歳)
新潟市において下校途中に失踪。
平成16年11月に開催された第3回実務者協議において、北朝鮮側はめぐみさんが1994(平成6)年4月に死亡したとし「遺骨」を提出したが、めぐみさんの「遺骨」とされた骨の一部からは同人のものとは異なるDNAが検出されたとの鑑定結果を得た。
平成18年4月には日本政府の実施したDNA検査により、横田めぐみさんの夫が昭和53年に韓国より拉致された当時高校生の韓国人拉致被害者・金英男(キム・ヨンナム)氏である可能性が高いことが判明した。

※「白い翼でも黒い翼でも、赤い翼でも青い翼でも、何でも結構なんで、帰って来られる翼をめぐみに与えてほしい」
横田早紀江さん。拉致被害者横田めぐみさんの母)



拉致事件、捜査の現状】
北朝鮮による拉致事件を巡り、日本の警察はこれまで実行犯や指示役として北朝鮮の元工作員たち合わせて11人を国際手配しています。
拉致には金正日キム・ジョンイル)総書記が掌握していた対外情報調査部と呼ばれる工作機関が組織的に関わっていた疑いが強いと見て捜査を続けています。
このうち、福井県の地村保志さん・富貴恵さん夫妻を拉致した実行犯として元工作員辛光洙シン・グァンス)容疑者が手配されています。
また、大阪府の原 敕晁さんが拉致された事件では、辛容疑者とともに金吉旭(キム・キルウク)容疑者も共犯者として手配されています。
この他、東京都の久米 裕さん拉致事件では金世鎬(キム・セホ)容疑者が、新潟県曽我ひとみさん拉致事件にはキム・ミョンスク容疑者がそれぞれ関わったとして手配されています。
北海道出身の渡辺秀子さんの子供2人の拉致事件では、工作員グループのリーダー格で北朝鮮にいると見られる洪寿恵(ホン・スヘ)こと木下陽子容疑者が手配されています。
新潟県の蓮池 薫さん・祐木子さん夫妻の拉致事件ではチェ・スンチョル容疑者が実行犯として手配されている他、金総書記が掌握していた対外報調査部と呼ばれる北朝鮮の工作機関の幹部であるハン・クムニョン容疑者とキム・ナンジン容疑者が拉致の実行を指示したとして手配されています。
ハン容疑者たちは工作機関で「指導員」と呼ばれる立場で、辛光洙容疑者たちもこの組織の一員だったことがわかっており、警察は北朝鮮が組織的に拉致を実行した疑いが強いと見て捜査を続けています。
よど号ハイジャック事件のメンバーたちも1980年代にヨーロッパで相次いだ3人の日本人拉致に関わった疑いで国際手配されています。
このうち、有本恵子さん拉致事件では魚本公博(安部公博)容疑者が、石岡 亨さんと松木 薫さん拉致事件ではよど号メンバーの妻の森 順子・若林佐喜子両容疑者がそれぞれ手配されています。