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【みんな生きている】新木 章さん/産経新聞

《「勝負の夏」から「決着の秋」へ!新木 章さんを救出しろ!》

■特定失踪者家族・横山木三子さん(64歳)

「この人たちは悪いことをしたの?」。
ある署名活動での一幕。拉致被害者や特定失踪者のパネルを見つめる幼い子供に、こう問いかけられた。「違うんだよ」。優しく答えながらも、拉致問題は本当に解決の方向に進んでいるのかと、焦りがいっそう募ってくる問いだった。子供でもテレビなどを通じて「拉致」を知っていた10年ほど前とは違うとも感じ、問題の風化に対する心配も尽きない。
昭和52年5月。金融機関に勤め、当時29歳だった兄の新木 章さんは「買い物に行く」と言い残し、埼玉県川口市の自宅を出たまま戻らなかった。以来、数十年もの年月が過ぎていく。
ある日、北朝鮮による日本人拉致疑惑を取り上げた新聞を目にした。
平成9年、拉致被害者の家族会が結成された年だ。真相究明へ機運が高まりつつある中で、被害者を救出する活動に参加し始め、兄は特定失踪者として公開された。
かつては知る由もなかったが、身近に北朝鮮工作員の影がちらついていたことを聞かされた。自宅周辺には川口市出身の田口八重子さん(拉致当時22歳)の関係先があるなど、「失踪」と北朝鮮との接点がいくつもあったのだ。
「家族が元気なうち、少しでも情報がほしい」。願いとは裏腹に事態は進展していない。共に帰りを待ち続けた母、鈴子さんは6年に他界。兄の身辺整理のため裁判所に「失踪宣告」を申し立てたときは、例えようもない喪失感に包まれた。
特定失踪者の家族として「拉致の確証がない」苦しみとも戦ってきた。事態は膠着し、どの家族も高齢化している。「全員を取り戻すまで、一歩も引かないでほしい」
口数が少なく、まじめで親思いだった兄。ふと見せた優しさが、今も心に焼き付いている。「どうか人ごとと思わず、一人でも多くの方に家族の声を聞いていただきたい」。

再会の日が来るまで、懸命に思いを伝えていく。

《特定失踪者・新木 章さんについて》
◆氏名:新木 章
あらきあきら
◆失踪年月日:昭和52(1977)年5月21日
◆生年月日:昭和22(1947)年10月16日
◆性別:男
◆当時の年齢:29歳
◆当時の身分:銀行員(事務系、コンピュータを使う仕事)
◆当時の住所:埼玉県川口市栄町
◆特徴:
1)中肉中背
2)眼鏡使用
◆失踪場所:埼玉県川口市

【失踪状況】
「買い物に行く。午後6時か7時には帰る」と川口市の自宅を出たまま失踪。
家を出たときは財布しか持っていない。
免許証、クレジットカードが入っていたが、更新がされていないし、カードは使っていない。
平成16年1月29日、埼玉県警に告発状提出。

《埼玉県警公開特定失踪者・片岡 清さんについて》
◆氏名:片岡 清
(かたおかきよし)
◆当時の年齢:30歳
◆当時の住所:埼玉県草加市
◆身長:160cmくらい

【失踪状況】
昭和44年6月頃、埼玉県草加市内で行方不明になっています。

《埼玉県警公開特定失踪者・宮坂昭二さんについて》
◆氏名:宮坂 昭二
(みやさかしょうじ)
◆当時の年齢:27歳
◆住所:埼玉県戸田市美女木
◆当時の職業:清掃員

【失踪状況】
昭和50年7月上旬、会社から家族に「二人とも出社しなくなった」と連絡があり行方不明になっていることがわかりました。
(弟の宮坂昭三さんと一緒に行方不明となりました)

《埼玉県警公開特定失踪者・宮坂昭三さんについて》
◆氏名:宮坂 昭三
(みやさかしょうぞう)
◆当時の年齢:27歳
◆当時の住所:埼玉県戸田市美女木
◆当時の職業:清掃員

【失踪状況】
昭和50年7月上旬、会社から家族に「二人とも出社しなくなった」と連絡があり行方不明になっていることがわかりました。
(兄の宮坂昭二さんと一緒に行方不明となりました)

《埼玉県警公開特定失踪者・南繁次郎さんについて》
◆氏名:南 繁次郎
(みなみしげじろう)
◆当時の年齢:47歳
◆当時の住所:埼玉県越谷市大字平方
◆当時の職業:自営業
◆身長:168cmくらい

【失踪状況】
昭和62年7月20日、「集金に行ってくる」と言って車で出かけたまま行方不明になりました。

《埼玉県警公開特定失踪者・金井健一郎さんについて》
◆氏名:金井 健一郎
(かないけんいちろう)
◆当時の年齢:22歳
◆当時の住所:埼玉県上尾市谷津
◆当時の職業:無職
◆身長:168cmくらい

【失踪状況】
平成4年8月下旬、自宅を出たまま行方不明になりました。

富山県警公開特定失踪者・渡辺信行さんについて》
◆氏名:渡辺 信行
(わたなべのぶゆき)
◆当時の年齢:20歳
◆当時の住所:埼玉県熊谷市拾六間
◆当時の職業:航空自衛官
◆身長:約175cm
富山県小矢部市出身

【失踪状況】
航空自衛隊の気象観測員として術科学校に在学中、昭和54年10月10日の午後から外出したまま宿舎に戻らず、行方不明となっています。

《警視庁公開特定失踪者・乘松眞喜子さんについて》
◆氏名:乘松 眞喜子
(のりまつまきこ)
◆当時の年齢:23歳(昭和35年当時)
◆当時の住所:埼玉県浦和市
◆当時の職業:会社員
◆身体的特徴:
1)身長153くらい
2)血液型A型

【失踪状況】
昭和35年9月、自宅を出た後、行方不明となっています。



拉致事件、捜査の現状】
北朝鮮による拉致事件を巡り、日本の警察はこれまで実行犯や指示役として北朝鮮の元工作員たち合わせて11人を国際手配しています。
拉致には金正日キム・ジョンイル)総書記が掌握していた対外情報調査部と呼ばれる工作機関が組織的に関わっていた疑いが強いと見て捜査を続けています。
このうち、福井県の地村保志さん・富貴恵さん夫妻を拉致した実行犯として元工作員辛光洙シン・グァンス)容疑者が手配されています。
また、大阪府の原 敕晁さんが拉致された事件では、辛容疑者とともに金吉旭(キム・キルウク)容疑者も共犯者として手配されています。
この他、東京都の久米 裕さん拉致事件では金世鎬(キム・セホ)容疑者が、新潟県曽我ひとみさん拉致事件にはキム・ミョンスク容疑者がそれぞれ関わったとして手配されています。
北海道出身の渡辺秀子さんの子供2人の拉致事件では、工作員グループのリーダー格で北朝鮮にいると見られる洪寿恵(ホン・スヘ)こと木下陽子容疑者が手配されています。
新潟県の蓮池 薫さん・祐木子さん夫妻の拉致事件ではチェ・スンチョル容疑者が実行犯として手配されている他、金総書記が掌握していた対外報調査部と呼ばれる北朝鮮の工作機関の幹部であるハン・クムニョン容疑者とキム・ナンジン容疑者が拉致の実行を指示したとして手配されています。
ハン容疑者たちは工作機関で「指導員」と呼ばれる立場で、辛光洙容疑者たちもこの組織の一員だったことがわかっており、警察は北朝鮮が組織的に拉致を実行した疑いが強いと見て捜査を続けています。
よど号ハイジャック事件のメンバーたちも1980年代にヨーロッパで相次いだ3人の日本人拉致に関わった疑いで国際手配されています。
このうち、有本恵子さん拉致事件では魚本公博(安部公博)容疑者が、石岡 亨さんと松木 薫さん拉致事件ではよど号メンバーの妻の森 順子・若林佐喜子両容疑者がそれぞれ手配されています。