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【みんな生きている】特別調査委員会・制裁解除編/JNN

拉致被害者の再調査について、安倍晋三総理大臣が注目された北朝鮮の体制を評価しました。
7月1日、北京で行われた日本と北朝鮮による政府間協議を受け、政府は3日午前、日本が独自に科している3つの制裁を解除する方針を決定しました。
拉致被害者等の再調査をめぐり、日・朝協議で北朝鮮が提示した特別委員会は実効性のある調査ができる組織なのか、安倍総理をはじめ関係閣僚が3日午前、体制を見極めるための最終的な検討を行いました。

「国防委員会・国家安全保衛部といった国家的な決断を、意思決定をできる組織が前面に出ると、かつてない体制ができたと判断いたしました」
安倍晋三首相)

安倍総理が「かつてない体制」と認めた北朝鮮の特別調査委員会。
菅 義偉官房長官はこの委員会について、北朝鮮の最高指導機関である国防委員会から全ての機関を調査する特別の権限を与えられている拉致被害者や行方不明者等調査対象ごとに4つの分科会を設け、同時並行で調査を進めると、北朝鮮から説明があったことを明らかにしました。
特別な権限を与えられた委員長は、北朝鮮の最高指導機関、国防委員会と、その直轄機関の秘密警察、国家安全保衛部の幹部を兼ねるソ・テハ氏。

「国防委員会の安全担当参事ということは、金正恩キム・ジョンウン)第1書記の意図もくみ取った調査もできる立場にあるということで、実質的な調査を行える人が委員長になっていると言えます」
拓殖大学特任教授・武貞秀士氏)

ラヂオプレスによると、2010年4月にソ・テハという同じ名前の人物が少将の称号を授与されたと北朝鮮で報じられているといいます。

「(北朝鮮は)官房長官が『1年以内』と発言したこと、ここに留意すると、そして迅速に行うと(発言している)」
(菅 義偉官房長官

さらに調査の期間について、菅官房長官は1年以内になるという見通しを示したうえで、進捗状況に関する1回目の報告は夏の終わりから秋のはじめが望ましいと述べました。

一方、再調査の見返りに日本が北朝鮮に約束しているのが独自に科している3つの制裁の解除です。対象となるのは、人的往来、人道支援目的の船舶の入港、そして、送金額の規制の緩和。
特に人の往来は北朝鮮側が強く求めてきていて、解除により朝鮮総連幹部が北朝鮮を訪問しても再入国できることになります。
政府は4日の閣議で、これらの制裁解除を正式に決め、北朝鮮が行う再調査も同時に動き出すことになります。

「今回が日本にとっても北朝鮮にとっても最後のチャンスだろう。信じるというより、やってみるしかない」
(政府関係者)

北朝鮮金正日キム・ジョンイル)総書記の時代に政府が認定している拉致被害者のうち8人が死亡、4人は未入国と伝えてきています。
これまでの交渉では、特定失踪者含め複数の生存者情報をにおわせているということで、金正恩第1書記が、父親が下した結果を白紙に戻し、今度こそ誠意ある調査結果を示せるかが焦点です。

《特定失踪者・正木冽子さんについて》
◆氏名:正木 冽子
(まさきれつこ)
◆失踪年月日:昭和36(1961)年9月24日
◆生年月日:昭和17(1942)年12月23日
◆性別:女性
◆当時の年齢:18歳
◆身長:157cm
◆当時の身分:看護師
◆当時の住所:香川県
◆特徴:丸ぽちゃ
◆失踪場所:徳島県徳島市眉山公園山頂

【失踪状況】
徳島市眉山公園山頂で行方不明。
前日9月23日、香川県大川郡引田町のバーで友人が目撃。

《特定失踪者・岡内正三さんについて》
◆氏名:岡内 正三
(おかうちまさみ)
◆失踪年月日:昭和45(1970)年12月下旬
◆生年月日:昭和16(1941)年12月21日
◆性別:男
◆当時の年齢:29歳
◆身長:165cm
◆体重:65kg
◆当時の身分:焼肉店従業員
◆当時の住所:香川県高松市
◆特徴:眼鏡着用
◆失踪場所:香川県高松市

【失踪状況】
勤務していた焼肉店から失踪。
仕事着(白い割烹着)で所持金も免許証も持っていなかった。
皆近くへでも行っているものと思っていた。

《特定失踪者・松永正樹さんについて》
◆氏名:松永 正樹
(まつながまさき)
◆失踪年月日:平成7(1995)年8月28日
◆生年月日:昭和40(1965)年1月14日
◆性別:男
◆当時の年齢:30歳
◆当時の身分:無職
(以前は運送会社などに勤めていた)
◆当時の住所:香川県
◆失踪場所:香川県善通寺市~福井~北海道か?

【失踪状況】
1995(平成7)年8月28日未明、「福井へ10日から2週間、仕事で行ってくる」とメモを残して車で香川県善通寺市の自宅を出たまま行方不明となる。
クレジットカードの支払い明細から8月28日に福井県三方五湖でガソリン34リットル給油。
9月1日以降網走、阿寒湖などで給油。
9日に足寄で29リットルを給油。
同月14日北海道の消印で、本人が本人宛に書いた封書が届く。
本人の部屋へ置いておくが、3週間過ぎても帰らないので開封すると、車番号、銀行口座番号、印鑑、暗証番号、車のキーが入っていた。
9月12日、青森で預金5万円が引き出されている。
同年12月19日、北海道苫小牧市の会社所有地に車が放置されているのが発見される。



拉致事件、捜査の現状】
北朝鮮による拉致事件を巡り、日本の警察はこれまで実行犯や指示役として北朝鮮の元工作員たち合わせて11人を国際手配しています。
拉致には金正日キム・ジョンイル)総書記が掌握していた対外情報調査部と呼ばれる工作機関が組織的に関わっていた疑いが強いと見て捜査を続けています。
このうち、福井県の地村保志さん・富貴恵さん夫妻を拉致した実行犯として元工作員辛光洙シン・グァンス)容疑者が手配されています。
また、大阪府の原 敕晁さんが拉致された事件では、辛容疑者とともに金吉旭(キム・キルウク)容疑者も共犯者として手配されています。
この他、東京都の久米 裕さん拉致事件では金世鎬(キム・セホ)容疑者が、新潟県曽我ひとみさん拉致事件にはキム・ミョンスク容疑者がそれぞれ関わったとして手配されています。
北海道出身の渡辺秀子さんの子供2人の拉致事件では、工作員グループのリーダー格で北朝鮮にいると見られる洪寿恵(ホン・スヘ)こと木下陽子容疑者が手配されています。
新潟県の蓮池 薫さん・祐木子さん夫妻の拉致事件ではチェ・スンチョル容疑者が実行犯として手配されている他、金総書記が掌握していた対外報調査部と呼ばれる北朝鮮の工作機関の幹部であるハン・クムニョン容疑者とキム・ナンジン容疑者が拉致の実行を指示したとして手配されています。
ハン容疑者たちは工作機関で「指導員」と呼ばれる立場で、辛光洙容疑者たちもこの組織の一員だったことがわかっており、警察は北朝鮮が組織的に拉致を実行した疑いが強いと見て捜査を続けています。
よど号ハイジャック事件のメンバーたちも1980年代にヨーロッパで相次いだ3人の日本人拉致に関わった疑いで国際手配されています。
このうち、有本恵子さん拉致事件では魚本公博(安部公博)容疑者が、石岡 亨さんと松木 薫さん拉致事件ではよど号メンバーの妻の森 順子・若林佐喜子両容疑者がそれぞれ手配されています。