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【みんな生きている】石岡 亨さん/NHK[北海道]

北朝鮮拉致被害者等を調査する「特別調査委員会」を設置したことが確認されたことなどから、政府は日本が独自に行っている人道目的の北朝鮮籍の船舶の入港禁止等、3つの制裁措置の解除を決めました。
解除されたのは、平成18年以降、日本が独自に行ってきた制裁措置のうち、人の往来に関する規制や、北朝鮮に送金する際等に報告を義務づけている措置、それに人道目的の北朝鮮籍の船舶の入港禁止の3つです。
政府は7月4日、北朝鮮が最高指導機関の国防委員会幹部を委員長とする「特別調査委員会」を設置し、拉致被害者等の調査が開始されることから、閣議を経て、3つの制裁措置の解除を決めました。
一方で、政府は、日本独自の制裁措置のうち、貨客船・万景峰号(マンギョンボンごう)の入港禁止や、輸出入の禁止等は解除しない方針で、国連安全保障理事会の決議に基づいて行っている団体や個人に対する資産凍結措置等も継続することにしています。
特別調査委員会が行うとしている調査の対象には、政府認定の拉致被害者や、拉致の可能性が排除できない行方不明者等が含まれています。
道内では、札幌市出身の石岡 亨さん(拉致被害時22歳)が北朝鮮による拉致被害者として政府から認定されています。
石岡さんは大学を卒業した昭和55年、旅先のスペインで行方がわからなくなりました。
その後、警視庁は、よど号ハイジャック事件の実行犯の妻2人が北朝鮮に誘拐したとみて逮捕状を取りましたが、北朝鮮は平成14年の日・朝首脳会談で、石岡さんはすでに死亡し、遺骨は土砂崩れで流出したと説明していました。
今回、北朝鮮の特別調査委員会による調査が始まることについて、石岡 亨さん兄の章さんは

「これまでの経済制裁では、拉致問題をめぐる状況に進展がみられなかったので、調査に向けて制裁の一部を解除したのは必要なことだったと思う。ただ、拉致被害者の家族としては、今までたくさん北朝鮮に裏切られてきたので、しっかりとした調査結果が示されるのか冷静に見守りたい」

と話しています。
また、警察が拉致の可能性の有無について捜査や調査をしている道内関係の行方不明者は、全国で最も多い81人に上ります。
警察の他にも、民間の特定失踪者問題調査会拉致事件を独自に調査しています。
調査会が拉致の可能性があるとしているいわゆる「特定失踪者」は道内で45人いて、このうち11人については「拉致された疑いが濃厚だ」としています。
道内有数の商業港である小樽港には、日本が制裁措置を行う以前は北朝鮮籍の船舶が頻繁に入港していました。
港を管理している小樽市によりますと、平成に入って以降毎年100隻以上の船舶が入港し、平成11年には貨客船・万景峰号も寄港していました。
その後、平成15年から17年までは100隻を下回りましたが、日本政府が制裁措置を決めた平成18年には125隻が入港していました。
主に、周辺海域で取れた海産物を日本に輸出するため寄港したり、北朝鮮へ中古自動車や日用品を運んだりするのが目的だったということです。
市によりますと、制裁解除の決定を受けて、北朝鮮籍の船の入港に関する問い合わせなどはまだ寄せられていないということです。
小樽市の海運関連会社「ノーススタートランスポート」では、平成18年に日本政府によって北朝鮮籍の船舶の入港が禁止されるまでは、北朝鮮の漁船の通関手続きや海産物の荷揚げ等も行っていました。
ノーススタートランスポートの牧野志宇嗣海運営業部長は

「今回、人道目的の北朝鮮籍の船舶の入港禁止が解除されることで、今後は食品や医薬品等の支援物資の船への積み込み等の依頼も予想される。迅速に対応できるよう準備したい」

と話しています。

◆昭和55(1980)年5月頃
欧州における日本人男性拉致容疑事案
被害者:松木 薫さん(拉致被害時26歳)
被害者:石岡 亨さん(拉致被害時22歳)
2人とも欧州滞在中の昭和55年に失踪。
昭和63年に石岡さんから日本の家族に出した手紙(ポーランドの消印)が届き、石岡さん、松木さん、そして有本恵子さんが北朝鮮に在住すると伝えてきた。
北朝鮮側は、石岡 亨さんは1988(昭和63)年11月にガス事故で有本恵子さんと共に死亡したとしているが、これを裏付ける資料等の提供はなされていない。
また、同様に松木 薫さんについても、1996(平成8)年8月に交通事故で死亡したとして、平成14年9月及び平成16年11月に開催された第3回日朝実務者協議と2回にわたり、北朝鮮側から松木さんの「遺骨」の可能性があるとされるものが提出されたが、そのうちの一部からは、同人のものとは異なるDNAが検出されたとの鑑定結果を得た。
捜査当局は拉致実行犯である「よど号」犯人の妻・森 順子及び若林(旧姓:黒田)佐喜子について、平成19年6月に逮捕状の発付を得て国際手配するとともに、政府として北朝鮮側に身柄の引渡しを要求している。

《特定失踪者・斉藤 裕さんについて》
◆氏名:斉藤 裕
(さいとうひろし
◆失踪年月日:昭和43(1968)年12月1日
◆生年月日:昭和25(1950)年9月17日
◆性別:男
◆当時の年齢:18歳
◆身長:160cm
◆当時の身分:高校機械科3年生
◆特徴:
1)小柄でやせ型
2)腕に火傷痕(左右は不明)
3)盲腸の手術跡あり
◆失踪場所:北海道稚内市

【失踪状況】
当日夜7時頃、4キロくらい離れた友人宅を訪ねたが友人は不在だったので、「また来る」とその家族に告げて浜の方へ下りていったまま消息不明。
翌年4月から大阪の会社に就職が決まっていた。
平成16年1月29日、北海道県警に告発状提出。

《特定失踪者・曽ヶ端崇史さんについて》
◆氏名:曽ヶ端 崇史
(そがはたたかふみ)
◆失踪年月日:平成7(1995)年8月24日
◆生年月日:昭和48(1953)年6月19日
◆性別:男
◆当時の年齢:22歳
◆身長:170cm
◆体重:80kg
◆当時の身分:釧路公立大経済学部3年生
◆失踪場所:北海道釧路市

【失踪状況】
アルバイト終了後、バイト先の仲間たちと車で夕食に行く。
その後近くに住む後輩を送って下宿に向かう。
以来消息なし。
下宿に戻ったかどうかも分からない。
車も不明。
下宿は洗濯機の中に洗濯物が入ったまま。
窓は開けたままだった。
釧路西・東港で測量会社に海底の調査を依頼したが車はなかった。

《特定失踪者・国井えり子さんについて》
◆氏名:国井 えり子
(くにいえりこ)
◆失踪年月日:昭和43(1968)年12月12日
◆生年月日:昭和26(1951)年10月11日
◆性別:女性
◆当時の年齢:17歳
◆当時の身分:高校2年生
◆失踪場所:北海道網走市内の自宅から

【失踪状況】
失踪する数日前から、家には「学校へ行く」と言って出かけていたが、家族が仕事に出かけたあとで家に戻り、自分の部屋に閉じこもっていた(知人の証言)。
失踪した日の午前7時30分頃、「学校で試験があるのでいつもより早く学校へ行く」といってみかんを半分だけ食べて自宅を出たまま行方不明。
失踪時の服装は高校の制服。
普段かけていた眼鏡は部屋に置かれたままで、日記も2冊あった(日記は警察に提出し、その後処分された)。
衣服などは持ち出した形跡はなかったが、アルバムがなくなっていた。
高校生だったのでお金もそんなにもっていない。家のお金にも手をつけていない。
失踪後、数日してから無言電話が3~4回かかってきた。家族が出ると一方的に切れるものだった。
同様の無言電話が複数の親戚のところにもあった。
脱北者がもたらした写真が、国井えり子さんである可能性がある。
平成17年9月30日、北海道警に告発状を提出。



拉致事件、捜査の現状】
北朝鮮による拉致事件を巡り、日本の警察はこれまで実行犯や指示役として北朝鮮の元工作員たち合わせて11人を国際手配しています。
拉致には金正日キム・ジョンイル)総書記が掌握していた対外情報調査部と呼ばれる工作機関が組織的に関わっていた疑いが強いと見て捜査を続けています。
このうち、福井県の地村保志さん・富貴恵さん夫妻を拉致した実行犯として元工作員辛光洙シン・グァンス)容疑者が手配されています。
また、大阪府の原 敕晁さんが拉致された事件では、辛容疑者とともに金吉旭(キム・キルウク)容疑者も共犯者として手配されています。
この他、東京都の久米 裕さん拉致事件では金世鎬(キム・セホ)容疑者が、新潟県曽我ひとみさん拉致事件にはキム・ミョンスク容疑者がそれぞれ関わったとして手配されています。
北海道出身の渡辺秀子さんの子供2人の拉致事件では、工作員グループのリーダー格で北朝鮮にいると見られる洪寿恵(ホン・スヘ)こと木下陽子容疑者が手配されています。
新潟県の蓮池 薫さん・祐木子さん夫妻の拉致事件ではチェ・スンチョル容疑者が実行犯として手配されている他、金総書記が掌握していた対外報調査部と呼ばれる北朝鮮の工作機関の幹部であるハン・クムニョン容疑者とキム・ナンジン容疑者が拉致の実行を指示したとして手配されています。
ハン容疑者たちは工作機関で「指導員」と呼ばれる立場で、辛光洙容疑者たちもこの組織の一員だったことがわかっており、警察は北朝鮮が組織的に拉致を実行した疑いが強いと見て捜査を続けています。
よど号ハイジャック事件のメンバーたちも1980年代にヨーロッパで相次いだ3人の日本人拉致に関わった疑いで国際手配されています。
このうち、有本恵子さん拉致事件では魚本公博(安部公博)容疑者が、石岡 亨さんと松木 薫さん拉致事件ではよど号メンバーの妻の森 順子・若林佐喜子両容疑者がそれぞれ手配されています。