もずの独り言・はてなスポーツ+物置

半蔵ともず、はてなでも独り言です。

【みんな生きている】松本重行さん/京都新聞

日本人拉致被害者の再調査等を行う北朝鮮の特別調査委員会で日本政府が優先調査を求める見込みの約90人の中に、「特定失踪者」で拉致の疑いが濃厚とされる京都府舞鶴市小橋の漁師・松本重行さん(失踪当時48歳)がいる。
調査委設置を前に、妻の智重子さん(77歳)は

「30年間、1日も忘れたことはない。生きていてほしい」

と期待をかける。
重行さんは1983年10月17日、舞鶴市沖の若狭湾へ刺し網漁に出たまま行方不明になった。
ベテラン漁師で、波も穏やかで転落は考えにくいにもかかわらず、無人の船だけが見つかり、付近で不審船が目撃されたことから拉致の可能性が高いとされている。
智重子さんは空の棺で葬儀も済ませたが、「生きているのでは」との思いを消せず、毎朝海に向かい、「早く帰ってきて、と呼びかけている」という。
手がかりもなく、30年が過ぎた。2002年の蓮池 薫さん夫妻たちの帰国、08年の北朝鮮による再調査約束等、何度も夫と再会できるのではと期待したが、揺れ動く日・朝関係に裏切られた。今回も「またひっくり返されるのでは」との不安もあるが、全面再調査の約束に期待を膨らませる。
「亡くなったというなら諦めもつくが、どうなっているのかわからない。知らないところで長年苦労してるのではないか」と思いをめぐらせながら、日・朝協議の行方を見守る。
夫が帰国できたら、7人いる孫に会わせたいと願う。
「何とかして帰ってきてもらい、“よう頑張ったな”、と言ってあげたい」

《特定失踪者・松本重行さんについて》
◆氏名:松本 重行
(まつもとしげゆき)
◆失踪年月日:昭和58(1983)年10月17日
◆生年月日:昭和10(1935)年7月25日
◆性別:男
◆当時の年齢:48歳
◆身長:165センチ
◆体重:55キロ
◆当時の身分:漁師
◆当時の住所:京都府舞鶴市
◆特徴:
1)喫煙する
2)酒は飲まない
3)カラオケが好き
4)囲碁・将棋が好き
◆失踪場所:京都府舞鶴市小橋の海上

【失踪状況】
漁船「照和丸」で刺し網漁業中に行方不明。
船は同日無人の状態で漂泊していたのを発見される。
べた凪、転落しにくい船の構造、ベテラン漁師であることを考えると、転落は有り得ない。
たとえ転落しても、水温も高く自力で船に戻れるはずであり、遭難しても大掛かりな捜索から遺体が発見されたはずである。
出港直後、不審な船が接近している。
京都府の東端に位置し、北朝鮮絡みの事件が多発する地域に隣接する。
北朝鮮にいるとの不確定情報がある。

《特定失踪者・小久保稔史さんについて》
◆氏名:小久保 稔史
(こくぼとしひと)
◆失踪年月日:昭和55(1980)年1月13日
◆生年月日:昭和22(1947)年8月1日
◆性別:男
◆当時の年齢:32歳
◆身長:163cm
◆体重:57kg
◆当時の身分:船員
◆当時の住所:三重県鳥羽市
◆特徴:
1)やせ型
2)浅黒
3)口の右上に3mmくらいのほくろ
4)盲腸の手術痕あり
◆失踪場所:京都府舞鶴市

【失踪状況】
舞鶴のスナックを一人で出た後不明。
午後7時に「パチンコ屋の横から」と言って自宅に普通の口調で電話があった。
船室もそのままだった。コートも置いてあった。
北朝鮮にいるとの不確定情報がある。

《特定失踪者・西安義行さんについて》
◆氏名:西安 義行
(にしやすよしゆき)
◆失踪年月日:昭和62(1987)年3月15日
◆生年月日:昭和40(1965)年6月27日
◆性別:男
◆当時の年齢:21歳
◆身長:170cm
◆体重:70kg
◆当時の身分:無職
◆当時の住所:兵庫県氷上郡市島町
◆血液型:A型
◆特徴:
1)近眼で眼鏡使用
2)中学生の頃、交通事故で右鎖骨を骨折し治療跡がある
◆失踪場所:京都府山陰本線綾部駅

【失踪状況】
友人と舞鶴方面へドライブ。帰り道、綾部駅前で友人と別れた後失踪。
度々、舞鶴に出かけていた。
当日はいつになく、服装を気にしていた。
綾部で降車する理由が見当たらず、舞鶴線舞鶴に引き返した可能性が高い。
失踪後、不可思議な電話が連続した。
失踪後1年ほどして、名古屋中央郵便局消印で、該当者のいない電話番号入りのはがきが届く。
1998年頃、不審な車が西安家の様子を伺い、周辺に聞き込みを行った。
北朝鮮からの未確認情報がある。

京都府警公開特定失踪者・高橋猶治さんについて》
◆氏名:高橋 猶治
(たかはしゆうじ)
◆当時の年齢:22歳(昭和52年当時)
◆当時の住所:広島市中区
◆職業:大学生
◆身長:168cmくらい
◆特徴:指先の欠損(左右いずれかの示指、1cm)

【失踪状況】
昭和52年10月頃、広島市内の自宅から行方不明となっています。

京都府警公開特定失踪者・池畑真琴さんについて》
◆氏名:池畑 真琴
(いけはたまこと)
◆当時の年齢:33歳(平成4年当時)
◆当時の住所:京都市中京区
◆職業:会社員
◆身長170cmくらい

【失踪時の状況】
平成4年11月頃、勤務先を無断欠勤した後、京都市内の自宅から行方不明となっています。



拉致事件、捜査の現状】
北朝鮮による拉致事件を巡り、日本の警察はこれまで実行犯や指示役として北朝鮮の元工作員たち合わせて11人を国際手配しています。
拉致には金正日キム・ジョンイル)総書記が掌握していた対外情報調査部と呼ばれる工作機関が組織的に関わっていた疑いが強いと見て捜査を続けています。
このうち、福井県の地村保志さん・富貴恵さん夫妻を拉致した実行犯として元工作員辛光洙シン・グァンス)容疑者が手配されています。
また、大阪府の原 敕晁さんが拉致された事件では、辛容疑者とともに金吉旭(キム・キルウク)容疑者も共犯者として手配されています。
この他、東京都の久米 裕さん拉致事件では金世鎬(キム・セホ)容疑者が、新潟県曽我ひとみさん拉致事件にはキム・ミョンスク容疑者がそれぞれ関わったとして手配されています。
北海道出身の渡辺秀子さんの子供2人の拉致事件では、工作員グループのリーダー格で北朝鮮にいると見られる洪寿恵(ホン・スヘ)こと木下陽子容疑者が手配されています。
新潟県の蓮池 薫さん・祐木子さん夫妻の拉致事件ではチェ・スンチョル容疑者が実行犯として手配されている他、金総書記が掌握していた対外報調査部と呼ばれる北朝鮮の工作機関の幹部であるハン・クムニョン容疑者とキム・ナンジン容疑者が拉致の実行を指示したとして手配されています。
ハン容疑者たちは工作機関で「指導員」と呼ばれる立場で、辛光洙容疑者たちもこの組織の一員だったことがわかっており、警察は北朝鮮が組織的に拉致を実行した疑いが強いと見て捜査を続けています。
よど号ハイジャック事件のメンバーたちも1980年代にヨーロッパで相次いだ3人の日本人拉致に関わった疑いで国際手配されています。
このうち、有本恵子さん拉致事件では魚本公博(安部公博)容疑者が、石岡 亨さんと松木 薫さん拉致事件ではよど号メンバーの妻の森 順子・若林佐喜子両容疑者がそれぞれ手配されています。