もずの独り言・はてなスポーツ+物置

半蔵ともず、はてなでも独り言です。

【みんな生きている】国井えり子さん/HBC

北朝鮮による拉致の疑いがある全国の失踪者を調べている特定失踪者問題調査会(調査会)は6月6日、北見や網走を回り、3日間にわたる道内での調査を終えました。
最終日の6日、調査会のメンバーが訪れたのは、北見に住む特定失踪者の家族です。

「きょうは少し早く(学校に)行くからと、ちょっといつもより早く家を出た」
(国井えり子さんの母親・国井信子さん〈86歳〉)

網走に住んでいた国井えり子さん(当時17歳)は、1968年12月12日の朝、いつもより早く「学校に行く」と家族に伝えて家を出たまま行方不明になりました。
失踪後、何度か自宅に無言の電話がかかってきたことや、脱北者による北朝鮮での生存情報等があり、調査会は「拉致の疑いが濃厚」と見ています。
国井さんの両親は、北朝鮮に向けたラジオ放送「しおかぜ」で娘に呼びかけるメッセージを収録しました。

「お父さんはね、1日も娘のことを忘れたことはないよ…帰ってきてください」
(国井えり子さんの父親・国井 力さん〈88歳〉)

午後から行われた当時の自宅周辺の調査には、北海道職員2人も同行しました。
稚内から網走までを回る3日間の現地調査は、6日で終了しました。調査会は今後、新たな発見や情報をまとめ、来週中に調査結果を発表する予定です。

《特定失踪者・国井えり子さんについて》
◆氏名:国井 えり子
(くにいえりこ)
◆失踪年月日:昭和43(1968)年12月12日
◆生年月日:昭和26(1951)年10月11日
◆性別:女性
◆当時の年齢:17歳
◆当時の身分:高校2年生
◆失踪場所:北海道網走市内の自宅から

【失踪状況】
失踪する数日前から、家には「学校へ行く」と言って出かけていたが、家族が仕事に出かけたあとで家に戻り、自分の部屋に閉じこもっていた(知人の証言)。
失踪した日の午前7時30分頃、「学校で試験があるのでいつもより早く学校へ行く」といってみかんを半分だけ食べて自宅を出たまま行方不明。
失踪時の服装は高校の制服。
普段かけていた眼鏡は部屋に置かれたままで、日記も2冊あった(日記は警察に提出し、その後処分された)。
衣服などは持ち出した形跡はなかったが、アルバムがなくなっていた。
高校生だったのでお金もそんなにもっていない。家のお金にも手をつけていない。
失踪後、数日してから無言電話が3~4回かかってきた。家族が出ると一方的に切れるものだった。
同様の無言電話が複数の親戚のところにもあった。
脱北者がもたらした写真が、国井えり子さんである可能性がある。
平成17年9月30日、北海道警に告発状を提出。

《特定失踪者・高 敬美さんについて》
警察庁北朝鮮による拉致と断定
◆氏名:高 敬美
(こう きよみ)
◆失踪年月日:昭和48(1973)年12月頃
◆生年月日:昭和42(1967)年4月10日
◆性別:女性
◆当時の年齢:6歳
◆当時の身分:幼児
◆失踪場所:東京都目黒区のマンション

【失踪状況】
弟の高 剛さんとともに失踪。
2人は釧路出身の在日朝鮮人工作員である高大基(コ・デキ)と日本人渡辺秀子さんの子供。秀子さんは高が工作員であることは知らずに結婚した。
昭和48年6月頃、高大基が突然失踪したため、その行方を追って秀子さんは子供2人を連れ、東京都品川区にあるユニバース・トレーディング社の高の勤務先周辺を探し歩いていた。同社は表向きは貿易会社だが、北朝鮮が工作活動を行うための会社であった。
工作組織はそのことが明るみに出るのをおそれ、親子3人を誘い出し、上記マンションに監禁したうえ、秀子さんを殺害、子供2人を北朝鮮へ連れ去ったと見られている。
この事件については朝日放送の石高健次氏が月刊『文藝春秋』平成12年12月号で明らかにした。
平成15年1月30日、殺人と国外移送目的誘拐の疑いで、氏名不祥の数人を容疑者とする告訴状を警視庁に提出。

《特定失踪者・高 剛さんについて》
警察庁北朝鮮による拉致と断定
◆氏名:高 剛
(こう つよし)
◆失踪年月日:昭和48(1973)年12月頃
◆生年月日:昭和45(1970)年6月29日
◆性別:男
◆当時の年齢:3歳
◆当時の身分:幼児
◆失踪場所:東京都目黒区のマンション

【失踪状況】
姉の高 敬美さんとともに失踪。
2人は釧路出身の在日朝鮮人工作員である高大基(コ・デキ)と日本人渡辺秀子さんの子供。秀子さんは高が工作員であることは知らずに結婚した。
昭和48年6月頃、高大基が突然失踪したため、その行方を追って秀子さんは子供2人を連れ、東京都品川区にあるユニバース・トレーディング社の高の勤務先周辺を探し歩いていた。同社は表向きは貿易会社だが、北朝鮮が工作活動を行うための会社であった。
工作組織はそのことが明るみに出るのをおそれ、親子3人を誘い出し、上記マンションに監禁したうえ、秀子さんを殺害、子供2人を北朝鮮へ連れ去ったと見られている。
この事件については朝日放送の石高健次氏が月刊『文藝春秋』平成12年12月号で明らかにした。
平成15年1月30日、殺人と国外移送目的誘拐の疑いで、氏名不祥の数人を容疑者とする告訴状を警視庁に提出。

《特定失踪者・渡辺秀子さんについて》
警察庁北朝鮮による拉致と断定した2児の母親
◆氏名:渡辺 秀子
(わたなべひでこ)
◆失踪年月日:昭和48(1973)年12月頃
◆生年月日:昭和16(1941)年6月5日
◆性別:女性
◆当時の年齢:32歳
◆当時の身分:主婦
◆失踪場所:東京都目黒区のマンション

【失踪状況】
夫の在日朝鮮人工作員・高大基(コ・デキ)が突然失踪したため、その行方を追って秀子さんは子供2人を連れ、東京都品川区にあるユニバース・トレーディング社の高の勤務先周辺を探し歩いていた。同社は表向きは貿易会社だが、北朝鮮が工作活動を行うための会社であった。
工作組織はそのことが明るみに出るのをおそれ、親子3人を誘い出し、上記マンションに監禁したうえ、秀子さんを殺害、子供2人を北朝鮮へ連れ去ったと見られていた(月刊『文藝春秋』平成12年12月号。石高健次氏の論考)。
平成15年1月30日、殺人と国外移送目的誘拐の疑いで、氏名不祥の数人を容疑者とする告訴状を警視庁に提出。
しかし、遺体も見つかっておらず、拉致の可能性も否定できない。



拉致事件、捜査の現状】
北朝鮮による拉致事件を巡り、日本の警察はこれまで実行犯や指示役として北朝鮮の元工作員たち合わせて11人を国際手配しています。
拉致には金正日キム・ジョンイル)総書記が掌握していた対外情報調査部と呼ばれる工作機関が組織的に関わっていた疑いが強いと見て捜査を続けています。
このうち、福井県の地村保志さん・富貴恵さん夫妻を拉致した実行犯として元工作員辛光洙シン・グァンス)容疑者が手配されています。
また、大阪府の原 敕晁さんが拉致された事件では、辛容疑者とともに金吉旭(キム・キルウク)容疑者も共犯者として手配されています。
この他、東京都の久米 裕さん拉致事件では金世鎬(キム・セホ)容疑者が、新潟県曽我ひとみさん拉致事件にはキム・ミョンスク容疑者がそれぞれ関わったとして手配されています。
北海道出身の渡辺秀子さんの子供2人の拉致事件では、工作員グループのリーダー格で北朝鮮にいると見られる洪寿恵(ホン・スヘ)こと木下陽子容疑者が手配されています。
新潟県の蓮池 薫さん・祐木子さん夫妻の拉致事件ではチェ・スンチョル容疑者が実行犯として手配されている他、金総書記が掌握していた対外報調査部と呼ばれる北朝鮮の工作機関の幹部であるハン・クムニョン容疑者とキム・ナンジン容疑者が拉致の実行を指示したとして手配されています。
ハン容疑者たちは工作機関で「指導員」と呼ばれる立場で、辛光洙容疑者たちもこの組織の一員だったことがわかっており、警察は北朝鮮が組織的に拉致を実行した疑いが強いと見て捜査を続けています。
よど号ハイジャック事件のメンバーたちも1980年代にヨーロッパで相次いだ3人の日本人拉致に関わった疑いで国際手配されています。
このうち、有本恵子さん拉致事件では魚本公博(安部公博)容疑者が、石岡 亨さんと松木 薫さん拉致事件ではよど号メンバーの妻の森 順子・若林佐喜子両容疑者がそれぞれ手配されています。