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【みんな生きている】拉致被害者・特定失踪者再調査編[宋日昊]/JN N

安倍晋三総理大臣と金正恩キム・ジョンウン)第1書記トップ同士の決断で合意した拉致被害者らの再調査。「金正恩第1書記は本気だ」、いや、「安倍総理は裏切られるのではないのか」。政府内には、こういった期待や疑念が渦巻いています。
5月30日、中国の北京空港。スウェーデンで日・朝協議の北朝鮮側代表を務めた宋日昊ソン・イルホ)大使が姿を現し、記者団の前で、用意した発表文を手に、こう切り出しました。

「我々の方は時間が遅くなり、発表できませんでした」
宋日昊・日朝国交正常化大使)

読み上げたのは、日・朝協議での合意内容。29日、日本政府が発表したものと同じものです。北朝鮮では29日、国営テレビ等が合意内容を報じているにもかかわらず、なぜ、わざわざ読み上げる事態となったのでしょうか。

「(北朝鮮側は)全ての日本人の包括的全面調査を行うことを、日本側に約束をいたしました」
安倍晋三総理大臣)

29日夕方、日本政府が発表した合意内容。北朝鮮側は特別調査委員会を設置して、拉致被害者や行方不明者を含む全ての日本人に関する調査を開始し、日本側はその状況を見極め、制裁措置を段階的に解除する、等としています。
しかし、北朝鮮で報じられた合意内容では、日本側と表現が異なる部分や、項目の順番が違う部分がみられたのです。
宋大使は、29日夕方の日本政府による発表を前にJNNの取材にこう応えていました。

「全てにおいて信頼関係醸成が、一番重要だと考える」
宋日昊大使)

その初めの一歩でつまづいた形の北朝鮮

(Q.わざとそういうふうに発表したのでは?)
「そういう疑念を抱いてはいけません」(宋日昊大使)

宋大使は、日本側への配慮の姿勢を見せるためにも、改めて自ら発表文を読み上げ、朝鮮中央通信も日本側発表と同じ合意内容を改めて報道しました。しかし、北朝鮮側の対応は、これまでも二転三転し、日本側には、根強い不信感があります。

今回の合意についても、拉致被害者の家族は期待する一方で、警戒の声を上げています。

「カードを完全な解決の方向に向かないまま、切ってしまうのが怖い。この期待を裏切られないように逐一確認したい」
飯塚繁雄さん。拉致被害者田口八重子さんの兄)
「生きているのは絶対生きていると、私は思ってますけど。そんなに手放しでは喜べませんよね。はっきりするまではね」
横田早紀江さん。拉致被害者横田めぐみさんの母)

横田めぐみさんの両親、滋さんと早紀江さんは30日、福島県会津若松市で、めぐみさんが拉致された時と同じ中学1年生を前に講演に立ちました。

「(皆さんは)めぐみがいなくなったときと、同い年になっている。(今回の変化は)いいチャンスだと思っている」
(横田 滋さん。拉致被害者横田めぐみさんの父)
「本当に何年待ったことでしょうか。私たちは良かったなぁと思いました。今回だけは、最後のチャンスだと思っている」
横田早紀江さん)

北朝鮮側が約束通り再調査を実行するのかどうか。閣僚からも慎重に交渉を続ける必要がある、との発言が相次いでいます。

「ぬか喜びさせられるのはあまり面白くはないからね。こういうのは交渉だから、相手も相手だからそんな簡単な交渉じゃないよ」
麻生太郎副総理)

菅 義偉官房長官は、北朝鮮が再調査の結果を出す期限について、「1年を超えることはないと思っている」と語り、安倍総理北朝鮮側による“実行”を強く求めていく考えです。

北朝鮮が約束を実行するように、強く促していく考えです」
安倍晋三首相)

政府は30日午後、拉致被害者の家族に対して、北朝鮮との合意内容について、直接、説明しました。

拉致被害者の皆さん全員を取り戻すために政府一丸となって国際社会とも協力しながら、奪還を目指していきたいと思います」
古屋圭司拉致問題担当大臣

宋日昊大使は、ヨーロッパで有本恵子さんら3人を拉致したとして国際手配されているよど号ハイジャック犯のメンバーについては、帰国につながる再調査の対象になるかどうかについて明言を避けました。
今回の合意を受け、よど号犯の一人はJNNの取材に対し、こう述べました。

「(拉致問題の)解明に我々としては、どんな形であれ協力する。再調査・事情聴取を受ける用意がある」
よど号メンバー・若林盛亮容疑者)

再調査の開始に合意した北朝鮮。その思惑とは一体、何なのでしょうか?

「全体的に在日朝鮮人問題をどのように扱っていくかということが、我々の立場であり、これがとても重要である」
宋日昊大使)

日・朝消息筋によると、北朝鮮は日本との関係改善をテコに、アメリカとの関係の改善を図る狙いがあるとみられます。
ただ、核実験等の挑発行為の可能性もにじませる北朝鮮が今後、すんなりと対話路線に転換するかどうか、予断を許さない状況が続きます。

◆昭和53(1978)年6月頃
李恩恵(リ・ウネ)拉致容疑事案
被害者:田口八重子さん(拉致被害時22歳)
昭和62年11月の大韓航空機(KAL)爆破事件で有罪判決を受けた元北朝鮮諜報員金賢姫(キム・ヒョンヒ)氏は「李恩恵(リ・ウネ)」という女性から日本人の振る舞い方を学んだと主張している。この李恩恵は行方不明となった田口さんと同一人物と考えられる。
北朝鮮側は、田口さんは1984(昭和59)年に原 敕晁さんと結婚し、1986(昭和61)年の原さんの病死後すぐに自動車事故で死亡したとしているが、これを裏付ける資料等の提供はなされていない。
平成21年3月、金賢姫氏と飯塚家との面会において、金氏より田口さんの安否にかかる重要な参考情報(注)が新たに得られたことから、現在、同情報についての確認作業を進めている。
(注)金氏の発言:「87年1月にマカオから帰ってきて、2月か3月頃、運転手から田口さんがどこか知らないところに連れて行かれたと聞いた。86年に一人暮らしの被害者を結婚させたと聞いたので、田口さんもどこかに行って結婚したのだと思った」

※「八重子さんが北朝鮮南浦港に着いたとき、女性通訳に“私には子供が二人いて、どうしても日本に帰らなくてはならないので、返してほしい”と何回も言ってお願いしたそうです。八重ちゃんの思いは最初から最後まで子供のことでいっぱいでしたし、今でも間違い無く“今、彩ちゃんはいくつになって、耕ちゃんはいくつになった”と毎年計算して、どんな大人になったか知りたがっているはずです。すごく会いたがっていると思います」
拉致被害者・地村富貴恵さんの証言)

◆昭和55(1980)年6月中旬
辛光洙シン・グァンス)事件
被害者:原 敕晁さん(拉致被害時43歳)
宮崎県内で発生。
本件については、北朝鮮工作員辛光洙シン・グァンス)が韓国当局に対し、原さん拉致を認める証言をしている。
捜査当局は辛光洙について、これまで原さんに成りかわった容疑で逮捕状の発付を得て国際手配するとともに、政府として北朝鮮側に身柄の引渡しを要求してきたが、平成18年4月には、新たに拉致容疑の主犯として逮捕状が発付されている。
北朝鮮側は身柄の引渡しに応じていないどころか、同人を「英雄」として称えている。
また、捜査当局は原さん拉致容疑の共犯者である金吉旭(キム・キルウク)についても逮捕状の発付を得ており、国際手配を行うなどの所要の措置を講じている。
北朝鮮側は、原さんは1984(昭和59)年に田口八重子さんと結婚し、1986(昭和61)年に肝硬変で死亡したとしているが、これを裏付ける資料等の提供はなされていない。

※「辛光洙は原 敕晁さんになりすますために、原さんについてのあらゆることを調べあげた。それこそ、チャーハンの作り方まで調べあげた」
(石高健次さん)

◆昭和52(1977)年11月15日
少女拉致容疑事案
被害者:横田めぐみさん(拉致被害時13歳)
新潟市において下校途中に失踪。
平成16年11月に開催された第3回実務者協議において、北朝鮮側はめぐみさんが1994(平成6)年4月に死亡したとし「遺骨」を提出したが、めぐみさんの「遺骨」とされた骨の一部からは同人のものとは異なるDNAが検出されたとの鑑定結果を得た。
平成18年4月には日本政府の実施したDNA検査により、横田めぐみさんの夫が昭和53年に韓国より拉致された当時高校生の韓国人拉致被害者・金英男(キム・ヨンナム)氏である可能性が高いことが判明した。

※「拉致された人たちが家族のところに帰るのは人間として当たり前のこと」
横田早紀江さん。拉致被害者横田めぐみさんの母)



拉致事件、捜査の現状】
北朝鮮による拉致事件を巡り、日本の警察はこれまで実行犯や指示役として北朝鮮の元工作員たち合わせて11人を国際手配しています。
拉致には金正日キム・ジョンイル)総書記が掌握していた対外情報調査部と呼ばれる工作機関が組織的に関わっていた疑いが強いと見て捜査を続けています。
このうち、福井県の地村保志さん・富貴恵さん夫妻を拉致した実行犯として元工作員辛光洙シン・グァンス)容疑者が手配されています。
また、大阪府の原 敕晁さんが拉致された事件では、辛容疑者とともに金吉旭(キム・キルウク)容疑者も共犯者として手配されています。
この他、東京都の久米 裕さん拉致事件では金世鎬(キム・セホ)容疑者が、新潟県曽我ひとみさん拉致事件にはキム・ミョンスク容疑者がそれぞれ関わったとして手配されています。
北海道出身の渡辺秀子さんの子供2人の拉致事件では、工作員グループのリーダー格で北朝鮮にいると見られる洪寿恵(ホン・スヘ)こと木下陽子容疑者が手配されています。
新潟県の蓮池 薫さん・祐木子さん夫妻の拉致事件ではチェ・スンチョル容疑者が実行犯として手配されている他、金総書記が掌握していた対外報調査部と呼ばれる北朝鮮の工作機関の幹部であるハン・クムニョン容疑者とキム・ナンジン容疑者が拉致の実行を指示したとして手配されています。
ハン容疑者たちは工作機関で「指導員」と呼ばれる立場で、辛光洙容疑者たちもこの組織の一員だったことがわかっており、警察は北朝鮮が組織的に拉致を実行した疑いが強いと見て捜査を続けています。
よど号ハイジャック事件のメンバーたちも1980年代にヨーロッパで相次いだ3人の日本人拉致に関わった疑いで国際手配されています。
このうち、有本恵子さん拉致事件では魚本公博(安部公博)容疑者が、石岡 亨さんと松木 薫さん拉致事件ではよど号メンバーの妻の森 順子・若林佐喜子両容疑者がそれぞれ手配されています。