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【みんな生きている】日比谷公会堂編/産経新聞(2)

4月27日、東京都内で拉致被害者家族会等が開いた国民大集会。
横田めぐみさん(拉致当時13歳)の母・早紀江さん(78歳)は3月のめぐみさんの娘、キム・ウンギョンさん(26歳)との面会を、

「長い苦労の中でやっと灯(とも)ったともしびを経験させていただいた」

と表現した。
集会で早紀江さんはモンゴルでのウンギョンさんとの面会の様子について報告。面会自体は「喜び」としながらも、現地では北朝鮮側が設置したビデオカメラに向け、全拉致被害者の帰国を祈っている日本の状況を訴えたと説明した。
緊張のため、帰国後には体重が一時2kg減ったといい、面会を通じて

「非常に難しい国と対峙しているんだなと改めて思わされた」

との心境を吐露。めぐみさんたち拉致被害者の早期帰国のため、「みなさんの力が必要です」と聴衆に支援を呼びかけた。
集会を前に、家族会は総会を開催。昭和38年に日本海で出漁中に行方不明となり、死亡したとされる寺越昭二さん(拉致当時36歳)の家族が昭二さんの墓参目的では訪朝しない方針を確認した。
昭二さんは漁船上で北朝鮮工作員に殺害された疑いがもたれている。

◆昭和52(1977)年11月15日
少女拉致容疑事案
被害者:横田めぐみさん(拉致被害時13歳)
新潟市において下校途中に失踪。
平成16年11月に開催された第3回実務者協議において、北朝鮮側はめぐみさんが1994(平成6)年4月に死亡したとし「遺骨」を提出したが、めぐみさんの「遺骨」とされた骨の一部からは同人のものとは異なるDNAが検出されたとの鑑定結果を得た。
平成18年4月には日本政府の実施したDNA検査により、横田めぐみさんの夫が昭和53年に韓国より拉致された当時高校生の韓国人拉致被害者・金英男(キム・ヨンナム)氏である可能性が高いことが判明した。

※「拉致された人たちが家族のところに帰るのは人間として当たり前のこと」
横田早紀江さん。拉致被害者横田めぐみさんの母)

石川県警公開特定失踪者・寺越昭二さんについて》
◆氏名:寺越 昭二
(てらこししょうじ)
◆当時の年齢:36歳
◆当時の住所:石川県羽咋郡志賀町
◆当時の職業:漁業
◆身長:170cm

【失踪状況】
昭和38年5月11日、高浜港から弟・外雄さんらとともに出港。
翌朝、船体が破壊して浸水した漁船が無人の状態で発見されています。

石川県警公開特定失踪者・寺越外雄さんについて》
◆氏名:寺越 外雄
(てらこしそとお)
◆当時の年齢:24歳
◆当時の住所:石川県羽咋郡志賀町
◆当時の職業:漁業
◆身長:170cm

【失踪状況】
昭和38年5月11日、高浜港から兄・昭二さんらとともに出港。
翌朝、船体が破壊して浸水した漁船が無人の状態で発見されています。



拉致事件、捜査の現状】
北朝鮮による拉致事件を巡り、日本の警察はこれまで実行犯や指示役として北朝鮮の元工作員たち合わせて11人を国際手配しています。
拉致には金正日キム・ジョンイル)総書記が掌握していた対外情報調査部と呼ばれる工作機関が組織的に関わっていた疑いが強いと見て捜査を続けています。
このうち、福井県の地村保志さん・富貴恵さん夫妻を拉致した実行犯として元工作員辛光洙シン・グァンス)容疑者が手配されています。
また、大阪府の原 敕晁さんが拉致された事件では、辛容疑者とともに金吉旭(キム・キルウク)容疑者も共犯者として手配されています。
この他、東京都の久米 裕さん拉致事件では金世鎬(キム・セホ)容疑者が、新潟県曽我ひとみさん拉致事件にはキム・ミョンスク容疑者がそれぞれ関わったとして手配されています。
北海道出身の渡辺秀子さんの子供2人の拉致事件では、工作員グループのリーダー格で北朝鮮にいると見られる洪寿恵(ホン・スヘ)こと木下陽子容疑者が手配されています。
新潟県の蓮池 薫さん・祐木子さん夫妻の拉致事件ではチェ・スンチョル容疑者が実行犯として手配されている他、金総書記が掌握していた対外報調査部と呼ばれる北朝鮮の工作機関の幹部であるハン・クムニョン容疑者とキム・ナンジン容疑者が拉致の実行を指示したとして手配されています。
ハン容疑者たちは工作機関で「指導員」と呼ばれる立場で、辛光洙容疑者たちもこの組織の一員だったことがわかっており、警察は北朝鮮が組織的に拉致を実行した疑いが強いと見て捜査を続けています。
よど号ハイジャック事件のメンバーたちも1980年代にヨーロッパで相次いだ3人の日本人拉致に関わった疑いで国際手配されています。
このうち、有本恵子さん拉致事件では魚本公博(安部公博)容疑者が、石岡 亨さんと松木 薫さん拉致事件ではよど号メンバーの妻の森 順子・若林佐喜子両容疑者がそれぞれ手配されています。