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【みんな生きている】日・朝協議編/NHK

日本と北朝鮮の政府間協議は予定していた日程を終え、日本側は拉致問題について再調査等解決に向けた具体的な取り組みを求め、日・朝間の懸案を話し合うため、今後も協議を継続していくことで一致しました。
一昨年11月以来となる日本と北朝鮮の政府間協議は、3月30日から中国の北京で開かれ、2日目の協議は、日本大使館で日本時間の31日午前11時半から4時間余りにわたって行われました。
協議では、拉致、核、ミサイルといった日・朝間の懸案を巡って突っ込んだ意見交換が行われ、日本側は拉致問題について、拉致被害者に加え、北朝鮮に拉致された可能性が排除できない特定失踪者の再調査等解決に向けた具体的な取り組みを求めました。
また、北朝鮮が先週、日本海に向けて弾道ミサイルを発射したことに対し、日朝平壌宣言や国連の安保理決議に違反しているとして厳重に抗議し、強く自制を求めた他、30日に北朝鮮が「核実験を排除しない」とする声明を発表したことに遺憾の意を伝えました。
これに対し北朝鮮側は、日本による制裁措置の解除や、日本の「植民地支配」に対する過去の清算を求めました。
また、競売にかけられていた朝鮮総連の本部が香川県高松市の企業に売却される決定が裁判所から出されたことについて、「在日朝鮮人にとって重要な意味を持ち、日・朝関係に大きな影響がある」と強い懸念を示したということです。
そして、協議では拉致問題をはじめとする日・朝間の懸案を話し合うため、今後も協議を継続していくことで一致し、北京の大使館ルートを通じて次回の会合の調整を進めることを確認しました。
このあと外務省の伊原純一アジア大洋州局長は記者団に対し、
「1年4か月ぶりとなる協議で、双方が関心を有する幅広い諸懸案について、真摯で率直に議論できた」
と述べました。
そのうえで伊原局長は、拉致問題に対する北朝鮮側の姿勢について、
拉致問題を含めて協議を継続していくことになっており、詳細を説明することは控えたい。少なくとも議論を拒絶するという対応ではなかった」
と述べました。


■首相「拉致解決に全力尽くす」

安倍晋三総理大臣は自民党の役員会で、「北朝鮮は、弾道ミサイルの発射を正当化する等、国際社会への挑発を繰り返しており、こうした行為をやめるよう求めていくことは言うまでもない。拉致問題も重要な問題であることに変わりはなく、政府としては、1日も早い被害者全員の帰国に向けて、全力を尽くしていく」と述べました。


横田めぐみさん両親「一歩前進か」

日本と北朝鮮が、拉致問題をはじめとする日・朝間の懸案に関する協議を継続することで一致したことについて、拉致被害者横田めぐみさんの父親の滋さん(81歳)は
「この2年近く協議が行われていなかっただけに、それが開かれ、継続協議で一致したことは一歩前進かなと思います」
と話しました。
また、母親の早紀江さん(78歳)は
北朝鮮は今もミサイルを打ったりしていて、その真意は分かりかねますし、協議がどうなっていくのか結果が出るまでは分かりませんが、こうやって協議が続き、解決につながることを願っています」
と話しました。
一方で早紀江さんは
「これ以上、何日も何か月も待つということになれば、みんな倒れてしまいます。北朝鮮にいる被害者も年を重ねていますので一刻も早くしてほしい。早くお互いが幸せになろうという、そういう交渉になることを期待したい」
と話しました。

◆昭和52(1977)年11月15日
少女拉致容疑事案
被害者:横田めぐみさん(拉致被害時13歳)
新潟市において下校途中に失踪。
平成16年11月に開催された第3回実務者協議において、北朝鮮側はめぐみさんが1994(平成6)年4月に死亡したとし「遺骨」を提出したが、めぐみさんの「遺骨」とされた骨の一部からは同人のものとは異なるDNAが検出されたとの鑑定結果を得た。
平成18年4月には日本政府の実施したDNA検査により、横田めぐみさんの夫が昭和53年に韓国より拉致された当時高校生の韓国人拉致被害者・金英男(キム・ヨンナム)氏である可能性が高いことが判明した。

※「拉致された人たちが家族のところに帰るのは人間として当たり前のこと」
横田早紀江さん。拉致被害者横田めぐみさんの母)

◆昭和53(1978)年6月頃
元飲食店店員拉致容疑事案
被害者:田中 実さん(拉致被害時28歳)
欧州に向け出国したあと失踪。
平成14年10月にクアラルンプールで行われた日・朝国交正常化交渉第12回本会談及び平成16年に計3回行われた日・朝実務者協議において我が方から北朝鮮側に情報提供を求めたが、第3回協議において北朝鮮側より北朝鮮に入境したことは確認できなかった旨回答があった。
平成17年4月に田中 実さんが拉致認定されて以降、政府は北朝鮮側に対し即時帰国及び事案に関する真相究明を求めてきているが、これまでに回答はない。

《特定失踪者・金田竜光さんについて》
◆氏名:金田 竜光
(かねだたつみつ)
◆失踪年月日:昭和54(1979)年ごろ
◆生年月日:昭和27(1952)年
◆性別:男
◆当時の年齢:26歳
◆身長:180cm
◆当時の身分:ラーメン店店員
◆当時の住所:兵庫県神戸市東灘区青木
◆失踪場所:神戸市東灘区

【失踪状況】
金田さんは韓国籍
田中 実さん(昭和53年に拉致)と同じ施設で育った。
昭和52年ごろ、田中 実さん拉致実行犯・韓竜大(ハン・ヨンデ)が経営するラーメン店「来大」に就職。昭和53年に田中 実さんを「来大」に紹介し、ともに働く。同年、韓竜大の誘いにより、田中 実さんがオーストリア・ウィーンに出国。
半年ほどして、田中 実さんが差出人になっているオーストリアからの国際郵便を受け取る。その内容は「オーストリアはいいところであり、仕事もあるのでこちらに来ないか」との誘いであった。
田中さんの誘いを受け、打ちあわせと言って東京に向かったが、以後一切連絡がなく、行方不明となる。
連絡がないことを不思議に思った友人が、この間の事情を知る韓竜大に再三説明を求めたが、「知らない」と繰り返す。
その後失踪した2人を知る友人たちの間で「2人は北朝鮮にいる」との噂が広まり、韓竜大に近づく者がいなかった。
救う会兵庫」は平成14年10月に韓竜大、15年7月にその共犯である曹廷楽(チョ・ジョンガリ)についての告発状を兵庫県警に提出している。

《特定失踪者・藤田 進さんについて》
※国連人権理事会が調査要請を受理した事案
◆氏名:藤田 進
(ふじたすすむ)
◆失踪年月日:昭和51(1976)年2月7日
◆生年月日:昭和31(1956)年6月16日
◆性別:男
◆当時の年齢:19歳
◆当時の身分:東京学芸大学教育学部1年生
◆当時の住所:埼玉県川口市南町
◆特徴:
1)家ではあまりしゃべらないタイプ
2)ギターがうまかった
◆失踪場所:埼玉県川口市の自宅

【失踪状況】
失踪当日6:30~7:00頃、以前から言っていた新宿のガードマンのバイトに行くといって服を持って家を出たまま帰らず。
後に新宿にある全ての警備会社に電話で問い合わせたが該当者はいなかった。
脱北者北朝鮮から持ち出した写真が鑑定の結果、藤田 進さんである可能性が極めて高いことが判明。
平成16年1月28日、埼玉県警に告発状提出。



拉致事件、捜査の現状】
北朝鮮による拉致事件を巡り、日本の警察はこれまで実行犯や指示役として北朝鮮の元工作員たち合わせて11人を国際手配しています。
拉致には金正日キム・ジョンイル)総書記が掌握していた対外情報調査部と呼ばれる工作機関が組織的に関わっていた疑いが強いと見て捜査を続けています。
このうち、福井県の地村保志さん・富貴恵さん夫妻を拉致した実行犯として元工作員辛光洙シン・グァンス)容疑者が手配されています。
また、大阪府の原 敕晁さんが拉致された事件では、辛容疑者とともに金吉旭(キム・キルウク)容疑者も共犯者として手配されています。
この他、東京都の久米 裕さん拉致事件では金世鎬(キム・セホ)容疑者が、新潟県曽我ひとみさん拉致事件にはキム・ミョンスク容疑者がそれぞれ関わったとして手配されています。
北海道出身の渡辺秀子さんの子供2人の拉致事件では、工作員グループのリーダー格で北朝鮮にいると見られる洪寿恵(ホン・スヘ)こと木下陽子容疑者が手配されています。
新潟県の蓮池 薫さん・祐木子さん夫妻の拉致事件ではチェ・スンチョル容疑者が実行犯として手配されている他、金総書記が掌握していた対外報調査部と呼ばれる北朝鮮の工作機関の幹部であるハン・クムニョン容疑者とキム・ナンジン容疑者が拉致の実行を指示したとして手配されています。
ハン容疑者たちは工作機関で「指導員」と呼ばれる立場で、辛光洙容疑者たちもこの組織の一員だったことがわかっており、警察は北朝鮮が組織的に拉致を実行した疑いが強いと見て捜査を続けています。
よど号ハイジャック事件のメンバーたちも1980年代にヨーロッパで相次いだ3人の日本人拉致に関わった疑いで国際手配されています。
このうち、有本恵子さん拉致事件では魚本公博(安部公博)容疑者が、石岡 亨さんと松木 薫さん拉致事件ではよど号メンバーの妻の森 順子・若林佐喜子両容疑者がそれぞれ手配されています。