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【みんな生きている】COI編/ロイター

2月17日、国連調査委(COI)は報告書を公表し、北朝鮮が甚大な人権侵害を行っているとして、北朝鮮国際刑事裁判所(ICC)に付託するよう国連に勧告した。
国連調査委員会は17日、拉致や拷問等、北朝鮮における人権侵害に関する報告書を公表し、北朝鮮の最高指導部が関与する人権侵害を非難した。
人道に対する罪への責任を追及するため、国際刑事裁判所(ICC)への付託や国連特別法廷の設置を国連安全保障理事会に勧告した。
調査委のマイケル・カービー(Michael Kirby)委員長が金正恩キム・ジョンウン)第1書記に1月20日付で送った書簡も公表。金氏本人が人道に対する罪で責任を追及される可能性もあると指摘した。
報告書は、日本や韓国、イギリス、アメリカで脱北者たちに行った公聴会等を通じ1年にわたる調査の末まとめられ、372ページに及ぶ。
国連調査委員会が国家元首を今回のような公に非難は極めて異例。ただ、国連安保理で中国が拒否権を発動することが見込まれる中、ICCへの付託が実現する公算は小さい。
また、カービー委員長による金第1書記に対する警告は、北朝鮮をさらに孤立化させ、非核化に向けた韓国や西側諸国の取り組みを困難にする可能性がある。
報告者はさらに、中国が脱北者を本国に強制送還し、脱北者は拷問や抑留、即決処刑、妊娠中絶の強制や性的暴力を受けていると指摘。人道に対する罪を手助けしている恐れがあるとして、関係者に注意を促すよう在ジュネーブの中国大使に求めた。
報告書では、最高指導部が人権侵害に関与している実態についても指摘し、収容所などでは多数の受刑者が「意図的な飢え」によって罰せられているとした。
カービー委員長は、金第1書記に宛てた書簡で、北朝鮮の当局者が金氏の個人的な意志に基づき行動していると推定することも可能だと述べた。
報告書は人権侵害に関わったとみられる者の名前は公表していないものの、証拠や証言に基づき容疑者のデータベースをまとめたことを明らかにした。
北朝鮮は報告書について、アメリカや欧州連合(EU)、日本に支援されている抵抗勢力がでっち上げた資料に基づいていると批判し、「全く受け入れられない」との立場を示した。
北朝鮮ジュネーブ代表部を通じてロイターに送った声明で、同報告書が「社会主義体制の妨害を狙った政治的策略の手段」だと非難。報告書で指摘されている人権侵害は「存在しない」とした。
そのうえで、「我々は『人権保護』の名の下での体制転換へのいかなる試みにも圧力にも引き続き断固とした対応を取る」と表明した。



《参考・全巨里教化所》

脱北者が証言する北朝鮮教化所での「狂気の沙汰」(2011年)】

「遺体から流れた血や体液でぐちゃぐちゃになった床を歩いたことがあるだろうか?私は毎日がそうだった。遺体を食べて丸まると太ったネズミを見たことがあるだろうか?私はそれを毎日見かけていた」
脱北者のイ・スボクさん(55歳)は北朝鮮北東部の咸鏡北道会寧市にある全巨里教化所に収監されていた当時、遺体の処理を担当していた。教化所は刑務所に相当する施設で、政治犯や経済犯が収容されているとされる。
イさんは

「教化所では遺体を50体~60体ずつ積み上げていた。これほどの地獄は他に無い」

と当時の残酷な光景を思い起こした。
イさんは1990年半ばに先に脱北した異母兄弟から生活資金の支援を受けていたことが保衛部に発覚、「スパイだ」として拷問を受けて教化所に連れて行かれた。
イさんは「密輸犯」として1999年6月~2001年1月まで服役した。その後、北朝鮮で外貨稼ぎをしていたところ「反動」扱いされ、昨年8月に脱北して韓国に渡った。
イさんは

「1年6ヶ月の服役期間に教化所で850人の遺体を処理した」

と証言した。
当時、全巨里教化所には最大約1,200人が収容されていた。イさんが担当していた遺体保管所は3m四方で、床はセメントだった。また、収容者は栄養状態が極度に悪く、病気になっても治療を受けられないまま重労働をさせられていた。

「年齢や性別を問わず、ほぼ毎日麻袋やビニール袋に入った遺体1、2体が運ばれて来た」
遺体は保管所に積み上げて置き、1ヶ月に1回ほど火葬場にトラックで運んで処理されていた。
イさんは

「遺体をすぐに火葬せずに積み上げるのは、遺体を運ぶトラックの燃料が足りないためだ」

と説明した。
イさんは6月21日、こうした北朝鮮の人権侵害状況を韓国国家人権委員会北韓人権センターに届け出た。6月22日で設置から100日目を迎えた同センターには23件、申し立て人数計718人の届け出が寄せられた。
イさんは

「遺体を食べるネズミの姿が今でも忘れられない。体が30cmにも達するネズミもいて、丸まると太っていた。積み上げられた遺体はネズミやウジ虫に食べられて軽くなるほどだ」

と語った。
教化所内部でも遺体保管室は秘密施設だったという。教化所の病院に隣り合う遺体保管室の横では常に武装した軍人が警備にあたっており、一般の収容者は中を覗き見ることが出来なかった。
教化所で人の死は日常の出来事だったという。
イさんは

「腹が減ったまま働いて倒れたり、山で毒草を食べて死んだりするケースも多かった。拷問を受けたり、殴り殺されたりする例も頻繁にあった」

と語った。
収容者が死んでいくことは全く問題視されなかったという。

イさんは

「教化所の収容者は『どうせ反動分子だ』と思われていたため、収容者が死ぬことを気にかける人はいなかった」

と話した。

【反動、反動分子】
北朝鮮では反体制のことを反動と呼ぶ。また、反体制者のことを反動分子と呼ぶ。
ちなみに、日本人は「日本反動分子」。

北朝鮮の拘禁施設では女性が性暴力にさらされており、変態的な性的拷問が蔓延している。
また、2歳の乳児にさえ虐待を加えている。



拉致事件、捜査の現状】
北朝鮮による拉致事件を巡り、日本の警察はこれまで実行犯や指示役として北朝鮮の元工作員たち合わせて11人を国際手配しています。
拉致には金正日キム・ジョンイル)総書記が掌握していた対外情報調査部と呼ばれる工作機関が組織的に関わっていた疑いが強いと見て捜査を続けています。
このうち、福井県の地村保志さん・富貴恵さん夫妻を拉致した実行犯として元工作員辛光洙シン・グァンス)容疑者が手配されています。
また、大阪府の原 敕晁さんが拉致された事件では、辛容疑者とともに金吉旭(キム・キルウク)容疑者も共犯者として手配されています。
この他、東京都の久米 裕さん拉致事件では金世鎬(キム・セホ)容疑者が、新潟県曽我ひとみさん拉致事件にはキム・ミョンスク容疑者がそれぞれ関わったとして手配されています。
北海道出身の渡辺秀子さんの子供2人の拉致事件では、工作員グループのリーダー格で北朝鮮にいると見られる洪寿恵(ホン・スヘ)こと木下陽子容疑者が手配されています。
新潟県の蓮池 薫さん・祐木子さん夫妻の拉致事件ではチェ・スンチョル容疑者が実行犯として手配されている他、金総書記が掌握していた対外報調査部と呼ばれる北朝鮮の工作機関の幹部であるハン・クムニョン容疑者とキム・ナンジン容疑者が拉致の実行を指示したとして手配されています。
ハン容疑者たちは工作機関で「指導員」と呼ばれる立場で、辛光洙容疑者たちもこの組織の一員だったことがわかっており、警察は北朝鮮が組織的に拉致を実行した疑いが強いと見て捜査を続けています。
よど号ハイジャック事件のメンバーたちも1980年代にヨーロッパで相次いだ3人の日本人拉致に関わった疑いで国際手配されています。
このうち、有本恵子さん拉致事件では魚本公博(安部公博)容疑者が、石岡 亨さんと松木 薫さん拉致事件ではよど号メンバーの妻の森 順子・若林佐喜子両容疑者がそれぞれ手配されています。