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【みんな生きている】COI編/FNN

北朝鮮の人権侵害について調べる国連の調査委員会(COI)は、拉致等の行為について、国家レベルでの「人道に対する犯罪」とする初めての報告書を公表しました。
2013年3月に設置された調査委員会が、1年近くかけてまとめた最終報告書には、横田めぐみさんの両親たち拉致被害者家族の聞き取りの内容についても盛り込まれた。
この中で委員会は、拉致等の人権侵害は金日成(キム・イルソン)主席や金正日キム・ジョンイル)総書記ら国家最高レベルの決定によって行われたと断定。「人道に対する罪」にあたると認定し、この問題をICC(国際刑事裁判所)に付託するよう、国連の安全保障理事会に勧告しました。
これに対し、北朝鮮は「報告書はでたらめだ」と批判する声明を発表しています。

◆昭和52(1977)年11月15日
少女拉致容疑事案
被害者:横田めぐみさん(拉致被害時13歳)
新潟市において下校途中に失踪。
平成16年11月に開催された第3回実務者協議において、北朝鮮側はめぐみさんが1994(平成6)年4月に死亡したとし「遺骨」を提出したが、めぐみさんの「遺骨」とされた骨の一部からは同人のものとは異なるDNAが検出されたとの鑑定結果を得た。
平成18年4月には日本政府の実施したDNA検査により、横田めぐみさんの夫が昭和53年に韓国より拉致された当時高校生の韓国人拉致被害者・金英男(キム・ヨンナム)氏である可能性が高いことが判明した。

◆昭和58(1983)年7月頃
欧州における日本人女性拉致容疑事案
被害者:有本恵子さん(拉致被害時23歳)
欧州にて失踪。
よど号」犯人の元妻は、北朝鮮当局と協力して有本さんを拉致したことを認めている。
捜査当局は拉致実行犯である「よど号」犯人の魚本(旧姓安部)公博について、平成14年9月逮捕状の発付を得て国際手配するとともに、政府として北朝鮮側に身柄の引き渡しを要求しているが北朝鮮側はこれに応じていない。
北朝鮮側は、有本さんは1988(昭和63)年11月にガス事故で石岡 亨さんと共に死亡したとしているが、これを裏付ける資料等の提供はなされていない。

◆昭和55(1980)年5月頃
欧州における日本人男性拉致容疑事案
被害者:松木 薫さん(拉致被害時26歳)
被害者:石岡 亨さん(拉致被害時22歳)
2人とも欧州滞在中の昭和55年に失踪。
昭和63年に石岡さんから日本の家族に出した手紙(ポーランドの消印)が届き、石岡さん、松木さん、そして有本恵子さんが北朝鮮に在住すると伝えてきた。
北朝鮮側は、石岡 亨さんは1988(昭和63)年11月にガス事故で有本恵子さんと共に死亡したとしているが、これを裏付ける資料等の提供はなされていない。
また、同様に松木 薫さんについても、1996(平成8)年8月に交通事故で死亡したとして、平成14年9月及び平成16年11月に開催された第3回日朝実務者協議と2回にわたり、北朝鮮側から松木さんの「遺骨」の可能性があるとされるものが提出されたが、そのうちの一部からは、同人のものとは異なるDNAが検出されたとの鑑定結果を得た。
捜査当局は拉致実行犯である「よど号」犯人の妻・森 順子及び若林(旧姓:黒田)佐喜子について、平成19年6月に逮捕状の発付を得て国際手配するとともに、政府として北朝鮮側に身柄の引渡しを要求している。

◆昭和52(1977)年10月21日
女性拉致容疑事案
被害者:松本京子さん(拉致被害時29歳)
自宅近くの編み物教室に向かったまま失踪。
平成14年10月にクアラルンプールで行われた日朝国交正常化交渉第12回本会談及び平成16年に計3回行われた日朝実務者協議において、我が方から北朝鮮側に情報提供を求めたが、第3回協議において、北朝鮮側より、北朝鮮に入境したことは確認できなかった旨回答があった。
平成18年11月に松本京子さんが拉致認定されて以降政府は北朝鮮側に対し即時帰国及び事案に関する真相究明を求めてきているが、これまでに回答はない。

《特定失踪者・大屋敷正行さんについて》
◆氏名:大屋敷 正行
(おおやしきまさゆき)
◆失踪年月日:昭和44(1969)年7月27日
◆生年月日:昭和27(1952)年12月5日
◆性別:男
◆当時の年齢:16歳
◆身長:165cm~168cm
◆当時の身分:江東商業高校2年生
◆当時の住所:東京都江戸川区
◆特徴:
1)やせ型
2)色弱
◆失踪場所:静岡県沼津市大瀬崎海岸

【失踪状況】
当時東京都江戸川区在住。
友達4~5人と沼津市の大瀬崎海岸へバイクで海水浴へ行く。
夜中にトイレに行くと外へ出たまま戻らず。
枕元に腕時計、財布、免許証など残したまま。
平成16年1月29日、警視庁に告発状提出。

《特定失踪者・鈴木清江さんについて》
◆氏名:鈴木 清江
(すずききよえ)
◆失踪年月日:昭和57(1982)年2月5日
◆生年月日:昭和33(1958)年3月27日
◆性別:女性
◆当時の年齢:23歳
◆身長:156cm
◆体重:43kg
◆当時の身分:会社員(事務職)
◆当時の住所:静岡県袋井市宇刈
◆特徴:丸顔
◆失踪場所:静岡県袋井市

【失踪状況】
車で帰宅途中の清江さんを、別の車に乗った母と妹が見かける。
清江さんの車の前に、男性が追い越すように車を停め、降車して清江さんと話をしている様子だったという。清江さんはそのまま帰らず。
翌朝、道路横の空き地に本人の車が鍵をかけた状態で止まっていた。
バッグはなく、財布と買い物をしたものが残されていた。
失踪する理由は思い当たらない。
警察も調べたが何の結果も出なかった。

《特定失踪者・橘 邦彦さんについて》
◆氏名:橘 邦彦
(たちばなくにひこ)
◆失踪年月日:平成3(1991)年10月15日
◆生年月日:昭和47(1972)年9月3日
◆性別:男
◆当時の年齢:19歳
◆身長:160cm
◆体重:56kg
◆当時の身分:専門学校生
◆当時の住所:静岡県沼津市岡宮
◆特徴:
1)4歳のとき両足の小指が少し合指していたので手術をした
2)飲酒・喫煙をする
3)右手人差し指で鼻を上げる仕草
4)肩ががっちりしている
◆失踪場所:静岡県沼津市の自宅から外出して

【失踪状況】
10月15日夜、男性から電話があり沼津市の自宅から出ていったまま失踪。
免許証の更新もせず部屋もそのまま。
北朝鮮にいるとの不確定情報がある。

《特定失踪者・高橋太一さんについて》
◆氏名:高橋 太一
(たかはしたいち)
◆失踪年月日:昭和38(1963)年6月初旬頃
◆生年月日:昭和16(1941)年11月21日
◆性別:男
◆当時の年齢:21歳
◆身長:165cmくらい
◆体重:60kgくらい
◆当時の身分:会社員
◆当時の住所:神奈川県川崎市
◆特徴:
1)右手首内側、手首より10cmくらい上の位置に大豆粒くらいの大きさのホクロあり
2)喉に手術痕あり
◆失踪場所:神奈川県川崎市内の下宿先

【失踪状況】
家主から「6月初旬から下宿に帰って来ない」との連絡の葉書がある。
室内は身の回り品を残したまま。
衣類、布団はたたんであった。
免許証や危険物取扱主任者免状、実印等も置いたまま。
自衛官

《特定失踪者・高見 到さんについて》
◆氏名:高見 到
(たかみいたる)
◆失踪年月日:平成15(2003)年10月5日
◆生年月日:昭和34(1959)年10月11日
◆性別:男
◆当時の年齢:43歳
◆身長:170cm
◆体重:60kg
◆当時の身分:地方公務員
◆当時の住所:兵庫県尼崎市
◆特徴:眼鏡、コンタクトレンズ使用
◆失踪場所:兵庫県尼崎市

【失踪状況】
平成15年10月6日、職場を無断欠勤。自宅マンションの部屋は日常生活そのままで、今にも帰ってくるような状態であった。
銀行通帳、キャッシュカード、運転免許証、健康保険証、印鑑、全て室内に置かれたまま。持って行ったのは通常使用している、財布、私用の手帳、通勤定期券のみ。
外出、通勤時は必ずコンタクトレンズを使用していたが、それも置いたまま。室内で日常使用する眼鏡はなかった。
5日に阪急塚口駅前のりそな銀行塚口支店で15時14分に現金21万円を引き出していたことが後に分かった。
10月下旬には父親が自宅マンションを訪ねる予定だった。
母親の13回忌を12月に行うことになっており、本人は必ず東京に来ると言っていた。



拉致事件、捜査の現状】
北朝鮮による拉致事件を巡り、日本の警察はこれまで実行犯や指示役として北朝鮮の元工作員たち合わせて11人を国際手配しています。
拉致には金正日キム・ジョンイル)総書記が掌握していた対外情報調査部と呼ばれる工作機関が組織的に関わっていた疑いが強いと見て捜査を続けています。
このうち、福井県の地村保志さん・富貴恵さん夫妻を拉致した実行犯として元工作員辛光洙シン・グァンス)容疑者が手配されています。
また、大阪府の原 敕晁さんが拉致された事件では、辛容疑者とともに金吉旭(キム・キルウク)容疑者も共犯者として手配されています。
この他、東京都の久米 裕さん拉致事件では金世鎬(キム・セホ)容疑者が、新潟県曽我ひとみさん拉致事件にはキム・ミョンスク容疑者がそれぞれ関わったとして手配されています。
北海道出身の渡辺秀子さんの子供2人の拉致事件では、工作員グループのリーダー格で北朝鮮にいると見られる洪寿恵(ホン・スヘ)こと木下陽子容疑者が手配されています。
新潟県の蓮池 薫さん・祐木子さん夫妻の拉致事件ではチェ・スンチョル容疑者が実行犯として手配されている他、金総書記が掌握していた対外報調査部と呼ばれる北朝鮮の工作機関の幹部であるハン・クムニョン容疑者とキム・ナンジン容疑者が拉致の実行を指示したとして手配されています。
ハン容疑者たちは工作機関で「指導員」と呼ばれる立場で、辛光洙容疑者たちもこの組織の一員だったことがわかっており、警察は北朝鮮が組織的に拉致を実行した疑いが強いと見て捜査を続けています。
よど号ハイジャック事件のメンバーたちも1980年代にヨーロッパで相次いだ3人の日本人拉致に関わった疑いで国際手配されています。
このうち、有本恵子さん拉致事件では魚本公博(安部公博)容疑者が、石岡 亨さんと松木 薫さん拉致事件ではよど号メンバーの妻の森 順子・若林佐喜子両容疑者がそれぞれ手配されています。