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【みんな生きている】北朝鮮人権決議案編/デイリーNK

北朝鮮人権決議案、採択》

国連は脱北者に対する強制送還の禁止ならびに政治犯収容所に強制拘禁されている住民の即刻釈放を要求する「北朝鮮人権決議案」を11月19日(現地時間)、コンセンサス(Consensus、合意)方式で採択した。
第68回国連総会3委員会は同日、ニューヨーク・マンハッタンにある国連本部で会議を開き、上記の内容の北朝鮮人権決議案に合意した。
同日採択された決議案は来月の国連総会に公式に上程される。
国連が北朝鮮人権決議案をコンセンサス方式で採択したのは、昨年に続き二度目。表決を省略し採択されたことから、北朝鮮の人権状況が深刻であるという国際社会の共通認識が反映されたと評価できる。
決議案は北朝鮮公開処刑、拷問、不法拘禁、連座制が持続的に行われており、良心と表現の自由が制限されている点に対し懸念を表明した。また、女性や児童たち社会的弱者に対する人権侵害についても指摘された。
決議案はまた、今年3月の国連人権理事会の決議により「国連北朝鮮人権事実調査委員会」が設立されたことを歓迎するとし、北朝鮮当局が同委員会の訪朝調査活動を認めるべきと要求した。離散家族再会行事の再開を希望するとの内容も盛り込まれた。
さらに北朝鮮の人権状況が持続的に悪化しているとし、政治犯収容所の人権侵害を指摘、無条件の即刻釈放を要求した。脱北者に対する強制送還を禁止し、強制送還された脱北者に対しては弾圧を禁止することも求めた。
今回の北朝鮮人権決議案はヨーロッパ連合(EU)と日本が主導し、韓国、アメリカ、カナダ、オーストラリア等50カ国以上が共同提案国として参加した。一方、中国、ロシア、キューバベネズエラ、イランと当事国の北朝鮮は参加しなかった。



《参考・北朝鮮人権・難民問題国際会議》

【人身売買に虐待。脱北女性の人権を守れ!(2010年)】

北朝鮮による人権侵害を告発し、国際社会とともに改善策を話し合う第10回北朝鮮人権・難民問題国際会議が8月21日、カナダのトロントで行われた。
カナダのオブライ外務政務官は基調演説で

北朝鮮で行われている恣意的な処罰や、海外からの援助食糧の差別的分配等の人権侵害行為に深い憂慮を表明する」

と述べた。
北韓人権市民連合のユン・ヒョン理事長は

北朝鮮の人権改善運動を全世界の市民運動として展開するためには、青年たちによる活動が重要だ」
と訴えた。


◆脱北女性、中国で受難

会議では中国国内での脱北女性に対する人権侵害問題が集中的に話し合われた。
韓国関東大学(江原道)の李元雄(イ・ウォンユン)教授(政治外交学)は

脱北者の70%が女性で、大半が人身売買や強制労働に苦しんでいる。脱北女性は中国内陸部に暮らす農夫の妻として売られて過酷な労働を強いられたり、都市で性的奴隷として働いている」

と指摘した。
会議に出席した脱北女性は

豆満江(中国名・図們江)を越えると、向こう岸に中国の人身売買犯が待機している。中国で頼る先もなく、公安に摘発されれば強制送還されるため、大半の脱北女性は抵抗も出来ずに性的暴行を受けて売られていく」

と語った。
脱北女性は20代女性で8,000元(約10万1000円)以上、年齢がそれより上の場合は2,000元(約2万5000円)程度で売買されるという。


◆強制送還後の悲惨な収監生活

脱北女性たちは

「強制送還されたあと、北朝鮮の国境地域にある国家安全保衛部に到着するや、ゴム手袋をはめた軍医官に子宮や肛門に手を入れられて現金を隠し持っていないか調べられる。妊婦か処女かも関係ない。そして、立ったり座ったりの動作を100回近くさせられる」

と語った。
キム・ミランさんは

北朝鮮の保衛部員は中国で捕まった妊婦を見ると、『犬の子を孕んだ』と言って外に連れて行って強制的に中絶させる。堕胎によって監獄で大量に出血しても、まともな治療を受けられずに死んでいく女性が多い」

と証言した。『犬』は中国人のことを指す。
キムさんはまた、

平安南道の甑山教化所に収監されていた頃、遺体を埋める裏山を『花の山』と呼んでいた。人が死ねば埋葬しなくてはならないが、冬になると地面が凍って深く掘ることが出来ず、人の手足を折って簡単に土を被せるだけだった。その際、蕾のような起伏が出来ていたからだ」

とも話した。


脱北者難民認定すべき

アメリカ・ブルッキングス研究所のロベルタ・コーヘン上級研究員は

「中国は難民の地位に関する条約の締結国でありながら難民認定の手続きがなく、国連難民高等弁務官事務所UNHCR)に対しても中国にいる脱北者との接触を認めていない。他国の難民には中国定住を認める一方で、搾取や人身売買にさらされた脱北者に難民の地位を認めないのは国際法に違反する行為だ」

と指摘した。
会議の出席者は北朝鮮の人権改善に向けて、国連組織とともに脱北者の強制送還等人権侵害の実態を世界各国に伝えていく努力を続けることで一致した。
今回の会議は韓国の北韓人権市民連合とカナダの北朝鮮人権問題に関する青年団体・ハンボイスが共催したもので、アメリカ国立民主主義基金朝鮮日報社等が後援した。
ハンボイスは韓国系2世の青年たちが中心となり、北朝鮮の人権問題に対する怒りから2007年にトロントで設立された団体で、約200人のメンバーが活動している。
ハンボイスにはユダヤ人3世等、外国人も20%含まれている。



脱北者Fさんは恵山保衛部に拘禁された当時、中国から強制送還された妊婦がいた。
Fさんは「9ヶ月目に入った妊婦が真夜中に呼び出され、3、4時間後に戻って来ると泣いてばかりいた。病院で中絶の注射を打たれたという。その少しあとで男の子を死産した。赤ちゃんを裸のまま見送ることが出来なかった母親は、垢がついたランニングシャツを脱いで赤ちゃんをくるんだ。そして、プラスチックの盥に入れようとした瞬間、抑えていた怒りを堪えきれず嗚咽した。しかし、保衛部職員は“中国の種子”などと暴言を吐いてその女性の顔を殴った」と記した。
脱北者の手記集より)