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【みんな生きている】横田めぐみさん

1977年に北朝鮮に拉致された横田めぐみさん(拉致被害時13歳)の父・滋さん(80歳)と母・早紀江さん(77歳)が3月27日、愛媛県松山市湊町5丁目のいよてつ高島屋で講演し、約200人を前に拉致被害者の一日も早い救出に協力を求めました。
滋さんは、長距離弾道ミサイル打ち上げ問題等で日・朝政府間協議が延期される等、解決に向けた交渉が進んでいない現状を
「政府は(北朝鮮への)制裁と拉致問題を引っ掛けないでほしい」
と強調。
「世論は解決のために大きな力になる。今後も関心を持って見守って」
と呼び掛けました。
早紀江さんは
「明日はもう会えないかもしれないという状況が35年も続いている。体力が弱ってきたが、まだ立てる間はめぐみちゃんと一目会うまで一生懸命に政府に訴え続ける」
と力を込めて訴えました。
講演会は、横田さん夫妻の活動に協力する「あさがおの会」(神奈川県川崎市)が、27日に同店で始まった「めぐみちゃんと家族のメッセージ~横田 滋写真展」(同会主催)に合わせて開きました。
写真展は4月2日まで。滋さんたちが撮影しためぐみさんの写真や作文等を展示しています。

◆昭和52(1977)年11月15日
少女拉致容疑事案
被害者:横田めぐみさん(拉致被害時13歳)
新潟市において下校途中に失踪。
平成16年11月に開催された第3回実務者協議において、北朝鮮側はめぐみさんが1994(平成6)年4月に死亡したとし「遺骨」を提出したが、めぐみさんの「遺骨」とされた骨の一部からは同人のものとは異なるDNAが検出されたとの鑑定結果を得た。
平成18年4月には日本政府の実施したDNA検査により、横田めぐみさんの夫が昭和53年に韓国より拉致された当時高校生の韓国人拉致被害者・金英男(キム・ヨンナム)氏である可能性が高いことが判明した。

◆昭和53(1978)年6月頃
元飲食店店員拉致容疑事案
被害者:田中 実さん(拉致被害時28歳)
欧州に向け出国したあと失踪。
平成14年10月にクアラルンプールで行われた日・朝国交正常化交渉第12回本会談及び平成16年に計3回行われた日・朝実務者協議において我が方から北朝鮮側に情報提供を求めたが、第3回協議において北朝鮮側より北朝鮮に入境したことは確認できなかった旨回答があった。
平成17年4月に田中 実さんが拉致認定されて以降、政府は北朝鮮側に対し即時帰国及び事案に関する真相究明を求めてきているが、これまでに回答はない。

《特定失踪者・金田竜光さんについて》
◆氏名:金田 竜光
(かねだたつみつ)
◆失踪年月日:昭和54(1979)年ごろ
◆生年月日:昭和27(1952)年
◆性別:男
◆当時の年齢:26歳
◆身長:180cm
◆当時の身分:ラーメン店店員
◆失踪場所:神戸市東灘区

【失踪状況】
金田さんは韓国籍
田中 実さん(昭和53年に拉致)と同じ施設で育った。
昭和52年ごろ、田中 実さん拉致実行犯・韓竜大(ハン・ヨンデ)が経営するラーメン店「来大」に就職。昭和53年に田中 実さんを「来大」に紹介し、ともに働く。同年、韓竜大の誘いにより、田中 実さんがオーストリア・ウィーンに出国。
半年ほどして、田中 実さんが差出人になっているオーストリアからの国際郵便を受け取る。その内容は「オーストリアはいいところであり、仕事もあるのでこちらに来ないか」との誘いであった。
田中さんの誘いを受け、打ちあわせと言って東京に向かったが、以後一切連絡がなく、行方不明となる。
連絡がないことを不思議に思った友人が、この間の事情を知る韓竜大に再三説明を求めたが、「知らない」と繰り返す。
その後失踪した2人を知る友人たちの間で「2人は北朝鮮にいる」との噂が広まり、韓竜大に近づく者がいなかった。
救う会兵庫」は平成14年10月に韓竜大、15年7月にその共犯である曹廷楽(チョ・ジョンガリ)についての告発状を兵庫県警に提出している。

愛媛県の特定失踪者について》

(1)大政 由美さん
◆氏名:大政 由美
(おおまさゆみ)
◆失踪年月日:平成3(1991)年3月28日
◆生年月日:昭和42(1967)年4月5日
◆性別:女性
◆当時の年齢:23歳
◆身長:150cm
◆当時の身分:三重大学研究生
◆特徴:下唇の下に縫合跡(2歳6カ月の時に5針くらい)
◆失踪場所:韓国慶州市
【失踪状況】
同年3月に三重大を卒業。考古学専攻。
3月27日夜、慶州ユースホステルにチェックインし、翌朝10時に荷物を置いたまま外出し、その後消息不明。現地、慶州警察署で捜索。
1991年3月~1994年10月の間に数回無言電話。正確な日付は不明だが、午後から夕方にかけてがほとんど。受話器を取ると人の息、生活音も聞こえず受話器を置くまで一言も話さなかった。
北朝鮮にいるとの複数の不確定情報がある。

(2)二宮 喜一さん
◆氏名 二宮 喜一
(にのみやよしかず)
◆失踪年月日:昭和37(1962)年9月頃
◆生年月日:昭和13(1938)年1月15日
◆性別:男
◆当時の年齢:24歳
◆身長:156cm~157cm
◆体重:52kg
◆当時の身分:会社員。夜は専門学校生
◆特徴:
1)やせ形
2)面長
◆失踪場所:東京都品川区
【失踪状況】
「ちょっと頭を冷やしに十和田湖に行ってくる」とメモを残して失踪。
1ヶ月位後に下宿先から「帰ってこないが、実家に帰っていないか」と家族に連絡が来た。
将来は無線通信士を目指していた。

(3)山下 綾子さん
◆氏名 山下 綾子
(やましたあやこ)
◆失踪年月日:昭和46(1971)年4月
◆生年月日:昭和17(1942)年9月20日
◆性別:女性
◆当時の年齢:28歳
◆当時の身分:看護師
◆失踪場所:愛媛県今治市
【失踪状況】
4月のある日、自宅から出たまま行方不明となった。
翌日、国鉄今治駅(当時)に自転車が置いたままになっているのが発見される。
自宅から勤務先の病院には自転車で通勤しており、鉄道は使っていなかった。
また、その病院も失踪一週間前に自ら辞めていたことがあとからわかった。
自転車の前カゴに桜の小枝が一本入っていた。
普段着のままの外出で、家には預金通帳・印鑑などがそのまま残っていた。



拉致事件、捜査の現状】
北朝鮮による拉致事件を巡り、日本の警察はこれまで実行犯や指示役として北朝鮮の元工作員たち合わせて11人を国際手配しています。
拉致には金正日キム・ジョンイル)総書記が掌握していた対外情報調査部と呼ばれる工作機関が組織的に関わっていた疑いが強いと見て捜査を続けています。
このうち、福井県の地村保志さん・富貴恵さん夫妻を拉致した実行犯として元工作員辛光洙シン・グァンス)容疑者が手配されています。
また、大阪府の原 敕晁さんが拉致された事件では、辛容疑者とともに金吉旭(キム・キルウク)容疑者も共犯者として手配されています。
この他、東京都の久米 裕さん拉致事件では金世鎬(キム・セホ)容疑者が、新潟県曽我ひとみさん拉致事件にはキム・ミョンスク容疑者がそれぞれ関わったとして手配されています。
北海道出身の渡辺秀子さんの子供2人の拉致事件では、工作員グループのリーダー格で北朝鮮にいると見られる洪寿恵(ホン・スヘ)こと木下陽子容疑者が手配されています。
新潟県の蓮池 薫さん・祐木子さん夫妻の拉致事件ではチェ・スンチョル容疑者が実行犯として手配されている他、金総書記が掌握していた対外報調査部と呼ばれる北朝鮮の工作機関の幹部であるハン・クムニョン容疑者とキム・ナンジン容疑者が拉致の実行を指示したとして手配されています。
ハン容疑者たちは工作機関で「指導員」と呼ばれる立場で、辛光洙容疑者たちもこの組織の一員だったことがわかっており、警察は北朝鮮が組織的に拉致を実行した疑いが強いと見て捜査を続けています。
よど号ハイジャック事件のメンバーたちも1980年代にヨーロッパで相次いだ3人の日本人拉致に関わった疑いで国際手配されています。
このうち、有本恵子さん拉致事件では魚本公博(安部公博)容疑者が、石岡 亨さんと松木 薫さん拉致事件ではよど号メンバーの妻の森 順子・若林佐喜子両容疑者がそれぞれ手配されています。