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【みんな生きている】拉致問題を考える集いin宮城編

政府拉致問題対策本部と県が主催する「拉致問題を考える集いin宮城」が1月16日、宮城県仙台市青葉区のホテルで開かれました。関係者たち約200人が参加、北朝鮮による拉致被害者家族の横田 滋さん(80歳)と早紀江さん(76歳)夫妻や宮城県加美町出身の特定失踪者・早坂勝男さん(68歳)の兄・勇治さん(75歳)と弟の胞吉(えなきち)さん(63歳)が一日も早い救出に向けて協力を切々と訴えました。
両者主催の「集い」形式での開催はこれが初めてで、宮城県東日本大震災以降、復旧・復興事業を最優先し、拉致問題関係の事業は後回しにせざるを得ませんでした。
復旧がある程度進んだことから、宮城県が対策本部に開催を要請、県議会拉致議連救う会宮城との共催の形で今回の集会が実現しました。
昭和52年に新潟市で拉致された横田めぐみさん(拉致被害時13歳)を題材にしたアニメ「めぐみ」が上映され、開会の挨拶で村井嘉浩知事が
拉致問題は重大な人権問題。問題解決に一丸となって取り組むため関心がますます強まることを期待する」
と開催の意義を強調しました。
引き続き、北朝鮮に詳しい静岡県立大学の伊豆見 元教授が「拉致問題の解決のために」と題して講演。
安倍晋三首相が

(1)すべての拉致被害者の即時帰国
(2)安否不明者の真相究明
(3)実行犯の引き渡し

拉致問題解決の条件として改めて示したことを取り上げました。
伊豆見教授は
北朝鮮にこちらがやることを、明確伝えたことになる。重要な一歩を踏み出したことになる」
と高く評価しました。
そのうえで、「北朝鮮との間には拉致、核、ミサイルの3つの懸案がある」として、拉致問題単独の交渉ではなく、「包括した処理が必要」と強調、取引が前提の交渉はタフにならざるを得ないと分析しました。
消息が途絶えてから45年目を迎える特定失踪者・早坂勝男さんの兄、勇治さんは
「長過ぎる。安倍首相には長いスパンで問題に向かい合い解決してほしい」
と述べ、胞吉さんは
「両親は拉致問題も知らずに他界した。特定失踪者の問題も解決して墓前に報告したい」
と訴えました。
また、横田 滋さんは
「解決には世論が大事です。引き続き拉致問題に関心を持ってもらいたい」
と述べ、
早紀江さんは
「私たちはもう何年も何年も生きられない。政府に頑張っていただきたい」
と祈るように語り、最後に早紀江さん作詞の「コスモスのように」が披露されました。

拉致被害者と特定失踪者】
拉致被害者は、政府が認定した北朝鮮によるた北朝鮮による拉致事件の被害者で、17人が認定された。うち13人については北朝鮮側が公式に拉致を認め、5人が帰国している。
特定失踪者は、北朝鮮による拉致の可能性を排除できない日本人失踪者のことで、民間団体・特定失踪者問題調査会(調査会)が調査・公表している。
調査会によると特定失踪者は約470人に及ぶという。

《早坂勝男さんについて》
◆氏名:早坂 勝男
(はやさかかつお
◆失踪年月日:昭和43(1968)年4月頃
◆生年月日:昭和19(1944)年1月22日
◆性別:男
◆当時の年齢:24歳
◆身長:156cm
◆体重:55kg
◆当時の身分:印刷会社社員
◆特徴:印刷の仕事で指を怪我し、親指と人さし指がやや変形している。
◆失踪場所:東京都墨田区

【失踪状況】
墨田区の下宿先から失踪。正月に兄弟とその家族7人で過ごしている。
別の兄の話によると2月か3月にケガで入院した。
失踪後数ヶ月して、会社から本人の友人に荷物を引き取ってくれと電話あり。



拉致事件、捜査の現状】
北朝鮮による拉致事件を巡り、日本の警察はこれまで実行犯や指示役として北朝鮮の元工作員たち合わせて11人を国際手配しています。
拉致には金正日キム・ジョンイル)総書記が掌握していた対外情報調査部と呼ばれる工作機関が組織的に関わっていた疑いが強いと見て捜査を続けています。
このうち、福井県の地村保志さん・富貴恵さん夫妻を拉致した実行犯として元工作員辛光洙シン・グァンス)容疑者が手配されています。
また、大阪府の原 敕晁さんが拉致された事件では、辛容疑者とともに金吉旭(キム・キルウク)容疑者も共犯者として手配されています。
この他、東京都の久米 裕さん拉致事件では金世鎬(キム・セホ)容疑者が、新潟県曽我ひとみさん拉致事件にはキム・ミョンスク容疑者がそれぞれ関わったとして手配されています。
北海道出身の渡辺秀子さんの子供2人の拉致事件では、工作員グループのリーダー格で北朝鮮にいると見られる洪寿恵(ホン・スヘ)こと木下陽子容疑者が手配されています。
新潟県の蓮池 薫さん・祐木子さん夫妻の拉致事件ではチェ・スンチョル容疑者が実行犯として手配されている他、金総書記が掌握していた対外報調査部と呼ばれる北朝鮮の工作機関の幹部であるハン・クムニョン容疑者とキム・ナンジン容疑者が拉致の実行を指示したとして手配されています。
ハン容疑者たちは工作機関で「指導員」と呼ばれる立場で、辛光洙容疑者たちもこの組織の一員だったことがわかっており、警察は北朝鮮が組織的に拉致を実行した疑いが強いと見て捜査を続けています。
よど号ハイジャック事件のメンバーたちも1980年代にヨーロッパで相次いだ3人の日本人拉致に関わった疑いで国際手配されています。
このうち、有本恵子さん拉致事件では魚本公博(安部公博)容疑者が、石岡 亨さんと松木 薫さん拉致事件ではよど号メンバーの妻の森 順子・若林佐喜子両容疑者がそれぞれ手配されています。