もずの独り言・はてなスポーツ+物置

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【みんな生きている】インチキブランド製作編

北朝鮮で製造されたスポーツシューズ。
国営テレビで新製品として誇らしげに紹介されたものですが、日本のスポーツ用品メーカーの製品とデザインが瓜二つです。メーカー側は「どう見てもコピーだ」としながらも対応に苦慮しています。

「今回、いろいろなデザインの靴を生産しましたが、中でも新たにスポーツ部門に必要なシューズを生産しました」
北朝鮮のキム・ヘリョン技術準備員。朝鮮中央テレビ11月15日放送分)

北朝鮮の新商品として朝鮮中央テレビが紹介した色とりどりのスポーツシューズ。北朝鮮の女性が手にとって紹介する靴、どこか見覚えはないでしょうか?
アシックスのスポーツシューズのデザインと瓜二つなのです。そこで日本のアシックス本社に話を聞いてみると…

「全体的なデザイン、何よりもストライプのデザインはどう見ても我が社のコピー。遺憾に思う」
(アシックス広報担当)

アシックスと言えば、イチロー選手やサッカーの小野伸二選手、高橋尚子さんたち多くのプロ選手が契約を結ぶ日本を代表するスポーツ用品メーカーです。

リュウォン靴工場でいろいろなデザインのシューズを生産しました」
朝鮮中央テレビ。11月15日)

リュウォン工場とは、1988年に開業し、しばしば模範的な工場として紹介される平壌の靴工場です。

「これは重量挙げ用の靴です。重たい物を持ち上げても耐えられるよう、かかとの部分は木材を削って加工しました」
(キム・ヘリョン技術準備員。朝鮮中央テレビ11月15日放送分)

アシックスにそっくりなこのシューズは重量挙げ用で、重たい物にも耐えられるようかかと部分は木材を削って作ったと説明しています。本家アシックス製の重量上げ用シューズもかかと部分には木材が使用されていて、30年近くデザインも変わっていないといいます。
ロンドンオリンピックで銀メダルを獲得した三宅宏美選手と、女子高校生選手として話題になった八木かなえ選手もアシックスのシューズを愛用しています。
ちなみに、北朝鮮は重量挙げで3つの金メダルを獲得。足元を見るとアシックスのシューズです。

北朝鮮ロンドンオリンピックで3つ重量挙げで金メダルを取ったということで、今一番人気のある競技が重量挙げ。今回、この工場で新たに作られたシューズとして(人気のある)卓球、サッカー、重量挙げ、この3つが紹介されている」
(『コリア・レポート』辺真一編集長)

また、金正恩キム・ジョンウン)第1書記はNBAの大ファンで、「ナイキのスニーカー好き」として知られています。

レスリングにバスケット、陸上や卓球のシューズも、スポーツの特徴に合うよう通気性や靴の摩擦力を強化しました」(キム・ヘリョン技術準備員。朝鮮中央テレビ11月15日放送分)

4月には金第1書記も鑑賞したモランボン楽団の公演にミッキーマウスくまのプーさんにそっくりなキャラクターが登場。しかしディズニー側はこれを容認したことはないと表明しました。

「(北朝鮮は)アメリカ、あるいは日本と国交がない。だから無断で使用しても意に介さない。金正恩氏の“外国のいい物は積極的に取り入れろ”という一声があって、その結果、こういう靴が出てきたのではないかと」
(『コリア・レポート』辺真一編集長)

アシックス側はシューズのデザインに関して、横2本、縦2本のラインが交差する「アシックス・ストライプ」は、国交がある国ではほぼ全て商標登録しています。そのため、類似品は商標権の侵害で販売差し止めや損害賠償を求めることができるのです。しかし、北朝鮮とは国交がないため商標の申請ができず、対応に困っています。



【アシックス】
株式会社アシックス(英: ASICS Corporation)は、兵庫県神戸市中央区港島中町に本社を置く、競技用シューズを中心とするスポーツ用品メーカー。