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【みんな生きている】日・朝協議継続編

日本と北朝鮮の局長級による政府間協議は、拉致問題をはじめとする日朝間の諸懸案について協議を継続していくことで一致しました。
しかし、北朝鮮側は衆議院選挙の結果を見極めようとしているという指摘もあり、協議の進展は選挙後の政権に委ねられることになりそうです。
野田佳彦総理大臣が衆議院を解散する中で行われた日本と北朝鮮の局長級による協議は、強力な政権でなければ拉致問題の解決は難しいことを改めて浮き彫りにした形となりました。
モンゴルのウランバートルで2日間にわたって行われた協議では、拉致問題をはじめ、核やミサイルなど、日・朝間の諸懸案について協議を継続していくことでは一致し、できるだけ早い時期に再び局長級の協議を行うことを確認しました。
協議を終えた外務省の杉山晋輔アジア大洋州局長は
「真剣かつ率直な協議だった」
と述べています。
しかし、次回の協議については、北朝鮮側が前向きだったとする関係者もいますが、開催時期のめどは立っていません。
また、外務省幹部は今回の協議の内容から、北朝鮮側が「拉致問題は解決済み」という従来の立場を変えたかどうかは判断できないとしています。
協議では宋日昊ソン・イルホ)大使が日本の政治情勢について発言する場面もあったということで、北朝鮮衆議院選挙後にどのような政権ができるのか見極めようとしているという指摘もあります。
拉致問題の解決に向けた日朝協議の進展は、選挙後の政権に委ねられることになりそうです。


拉致被害者家族は

日本と北朝鮮の局長級による政府間協議で、拉致問題も含め協議を継続していくことで一致したことについて、拉致被害者の家族会代表で田口八重子さんの兄の飯塚繁雄さんは
「これまで全く進展がなかっただけに期待を持っています。『拉致問題の解決なくして北朝鮮との国交正常化はない』という姿勢を貫いていただき、戦略を持って次の協議につなげてほしいし、選挙を控えていても国の責任で今後の経過をフォローしてほしい」
と求めました。
また、増元るみ子さんの弟の照明さんは
「時間を引き延ばされることなく、年内にもう1度、協議を行っていただきたいし、政府はそのために力を尽くしてほしい」
と話しました。

◆昭和53(1978)年6月頃
李恩恵(リ・ウネ)拉致容疑事案
被害者:田口八重子さん(拉致被害時22歳)
昭和62年11月の大韓航空機(KAL)爆破事件で有罪判決を受けた元北朝鮮諜報員金賢姫(キム・ヒョンヒ)氏は「李恩恵(リ・ウネ)」という女性から日本人の振る舞い方を学んだと主張している。この李恩恵は行方不明となった田口さんと同一人物と考えられる。
北朝鮮側は、田口さんは1984(昭和59)年に原 敕晁さんと結婚し、1986(昭和61)年の原さんの病死後すぐに自動車事故で死亡したとしているが、これを裏付ける資料等の提供はなされていない。
平成21年3月、金賢姫氏と飯塚家との面会において、金氏より田口さんの安否にかかる重要な参考情報(注)が新たに得られたことから、現在、同情報についての確認作業を進めている。
(注)金氏の発言:「87年1月にマカオから帰ってきて、2月か3月頃、運転手から田口さんがどこか知らないところに連れて行かれたと聞いた。86年に一人暮らしの被害者を結婚させたと聞いたので、田口さんもどこかに行って結婚したのだと思った」

◆昭和53(1978)年8月12日
アベック拉致容疑事案
被害者:市川修一さん(拉致被害時23歳)
被害者:増元るみ子さん(拉致被害時24歳)
「浜に夕日を見に行く」と言って出かけたまま失踪。
北朝鮮側は、1979(昭和54)年7月に2人は結婚し、市川修一さんは同年9月に心臓麻痺で死亡し、増元るみ子さんは1981(昭和56)年に心臓麻痺で死亡したとしているが、これを裏付ける資料等の提供はなされていない。



拉致事件、捜査の現状】
北朝鮮による拉致事件を巡り、日本の警察はこれまで実行犯や指示役として北朝鮮の元工作員たち合わせて11人を国際手配しています。
拉致には金正日キム・ジョンイル)総書記が掌握していた対外情報調査部と呼ばれる工作機関が組織的に関わっていた疑いが強いと見て捜査を続けています。
このうち、福井県の地村保志さん・富貴恵さん夫妻を拉致した実行犯として元工作員辛光洙シン・グァンス)容疑者が手配されています。
また、大阪府の原 敕晁さんが拉致された事件では、辛容疑者とともに金吉旭(キム・キルウク)容疑者も共犯者として手配されています。
この他、東京都の久米 裕さん拉致事件では金世鎬(キム・セホ)容疑者が、新潟県曽我ひとみさん拉致事件にはキム・ミョンスク容疑者がそれぞれ関わったとして手配されています。
北海道出身の渡辺秀子さんの子供2人の拉致事件では、工作員グループのリーダー格で北朝鮮にいると見られる洪寿恵(ホン・スヘ)こと木下陽子容疑者が手配されています。
新潟県の蓮池 薫さん・祐木子さん夫妻の拉致事件ではチェ・スンチョル容疑者が実行犯として手配されている他、金総書記が掌握していた対外報調査部と呼ばれる北朝鮮の工作機関の幹部であるハン・クムニョン容疑者とキム・ナンジン容疑者が拉致の実行を指示したとして手配されています。
ハン容疑者たちは工作機関で「指導員」と呼ばれる立場で、辛光洙容疑者たちもこの組織の一員だったことがわかっており、警察は北朝鮮が組織的に拉致を実行した疑いが強いと見て捜査を続けています。
よど号ハイジャック事件のメンバーたちも1980年代にヨーロッパで相次いだ3人の日本人拉致に関わった疑いで国際手配されています。
このうち、有本恵子さん拉致事件では魚本公博(安部公博)容疑者が、石岡 亨さんと松木 薫さん拉致事件ではよど号メンバーの妻の森 順子・若林佐喜子両容疑者がそれぞれ手配されています。