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【みんな生きている】日・朝協議編

日本と北朝鮮の局長級による政府間協議が11月15日からモンゴルで始まり、この中で日本側は北朝鮮側の出方を慎重に探りながら、拉致問題の早期解決に向けた具体的な取り組みなどを北朝鮮側に求めることにしています。
日本と北朝鮮の局長級による政府間協議は、日本時間15日午前11時前、モンゴルの首都ウランバートルにあるモンゴル政府の迎賓館で始まり、日本側からは外務省の杉山アジア大洋州局長が、北朝鮮側からは宋日昊ソン・イルホ)日朝国交正常化担当大使が出席しています。
協議に先立って、杉山局長は宿泊先のホテルで記者団に対し、
「協議の進展に向け全力を尽くす」
と述べました。
15日は協議の冒頭部分の撮影が報道陣に許可されましたが、杉山局長と宋大使が握手をしたり、言葉を交わしたりすることはありませんでした。
今回の局長級による協議は、今年8月に中国の北京で行われた課長級協議において「より高いレベルで議論すること」で合意したのを受けて開催されたものです。
協議は15日から2日間行われる予定で、この中で日本側は、拉致問題の早期解決に向けた具体的な取り組み等を北朝鮮側に求めることにしています。
ただ、北朝鮮側は、局長級の協議の開催には応じたものの、これまで「拉致問題は最終的に解決された」という立場を崩していないことから、日本側は、北朝鮮側の出方を慎重に探りながら、協議を進めているものと見られます。


■横田さん夫妻“被害者の帰国を”

日本と北朝鮮の局長級による政府間協議が始まったことについて、拉致被害者横田めぐみさんの父親の滋さんは
「『拉致問題は解決済みだ』としている北朝鮮の主張を受け入れることなく、出来る限り多くの被害者が帰国出来るよう努力してほしい」
と求めました。
また、母親の早紀江さんは
北朝鮮が交渉にどう応じてくるかですが、一部の人だけが帰ってくるという悲劇を繰り返すことなく、拉致がどんなに非道なことなのかを伝え、全面解決のために粘り強く交渉していただきたい」
と求めました。
一方、政府が、両親に北朝鮮を訪れてもらい、めぐみさんの娘との面会等が出来ないか、北朝鮮側と非公式に協議していることについて、早紀江さんは
「消息が分からないままのめぐみや、多くの拉致被害者を取り返すことだけが私たちの目標なので、めぐみの状況が分からないうちに、北朝鮮を訪問したり、孫に会いにいくことは、家族全員全く考えていません」
と話し、北朝鮮を訪問する意思が無いことを明らかにしました。
滋さんも
「こちらから訪問をお願いしたこともなく、政府から打診もありません。孫と会いたいという気持ちはありますが、今の状態では、面会するつもりは全くありません」
と話しました。


官房長官“35年を重く受け止め”

藤村 修官房長官は記者会見で、
横田めぐみさんが拉致被害に遭ってから35年間という月日が流れたことを、重く受け止めなければならない。横田めぐみさんをはじめ、すべての拉致被害者が、一刻も早く帰国出来るようにしなければならない。4年ぶりに再開した日・朝政府間協議は、ちょうど、今日から局長級協議がスタートしたので、日本政府としては拉致問題の解決に向け全力を尽くしてがんばっていく」
と述べました。

◆昭和52(1977)年11月15日
少女拉致容疑事案
被害者:横田めぐみさん(拉致被害時13歳)
新潟市において下校途中に失踪。
平成16年11月に開催された第3回実務者協議において、北朝鮮側はめぐみさんが1994(平成6)年4月に死亡したとし「遺骨」を提出したが、めぐみさんの「遺骨」とされた骨の一部からは同人のものとは異なるDNAが検出されたとの鑑定結果を得た。
平成18年4月には日本政府の実施したDNA検査により、横田めぐみさんの夫が昭和53年に韓国より拉致された当時高校生の韓国人拉致被害者・金英男(キム・ヨンナム)氏である可能性が高いことが判明した。



拉致事件、捜査の現状】
北朝鮮による拉致事件を巡り、日本の警察はこれまで実行犯や指示役として北朝鮮の元工作員たち合わせて11人を国際手配しています。
拉致には金正日キム・ジョンイル)総書記が掌握していた対外情報調査部と呼ばれる工作機関が組織的に関わっていた疑いが強いと見て捜査を続けています。
このうち、福井県の地村保志さん・富貴恵さん夫妻を拉致した実行犯として元工作員辛光洙シン・グァンス)容疑者が手配されています。
また、大阪府の原 敕晁さんが拉致された事件では、辛容疑者とともに金吉旭(キム・キルウク)容疑者も共犯者として手配されています。
この他、東京都の久米 裕さん拉致事件では金世鎬(キム・セホ)容疑者が、新潟県曽我ひとみさん拉致事件にはキム・ミョンスク容疑者がそれぞれ関わったとして手配されています。
北海道出身の渡辺秀子さんの子供2人の拉致事件では、工作員グループのリーダー格で北朝鮮にいると見られる洪寿恵(ホン・スヘ)こと木下陽子容疑者が手配されています。
新潟県の蓮池 薫さん・祐木子さん夫妻の拉致事件ではチェ・スンチョル容疑者が実行犯として手配されている他、金総書記が掌握していた対外報調査部と呼ばれる北朝鮮の工作機関の幹部であるハン・クムニョン容疑者とキム・ナンジン容疑者が拉致の実行を指示したとして手配されています。
ハン容疑者たちは工作機関で「指導員」と呼ばれる立場で、辛光洙容疑者たちもこの組織の一員だったことがわかっており、警察は北朝鮮が組織的に拉致を実行した疑いが強いと見て捜査を続けています。
よど号ハイジャック事件のメンバーたちも1980年代にヨーロッパで相次いだ3人の日本人拉致に関わった疑いで国際手配されています。
このうち、有本恵子さん拉致事件では魚本公博(安部公博)容疑者が、石岡 亨さんと松木 薫さん拉致事件ではよど号メンバーの妻の森 順子・若林佐喜子両容疑者がそれぞれ手配されています。