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【みんな生きている】横田めぐみさん

11月15日は横田めぐみさんが拉致されてちょうど35年になりますが、横田 滋さん・早紀江さん夫妻は政治の混乱にいっそう不信感を募らせています。
階段の手すりをつかみ、一歩一歩降りていく横田 滋さん。11月14日、80歳の誕生日を迎えました。
1977年に当時13歳だった横田めぐみさんが新潟市内でバドミントン部の練習帰りに北朝鮮に拉致されて15日で35年になります。

「今の日本政府のあり方では、誰も助けていただけない」
横田早紀江さん。拉致被害者横田めぐみさんの母)

拉致問題の担当大臣と家族の間に一定の信頼関係が出来たかと思えば、すぐ交代。民主党政権の3年2か月の間で、大臣はすでに8人を数えました。

「うんざりしますね、これだけ長いと…政府の今の状況を見ていると、本当にうんざりしますよ。もう分からない。どういう人が総理になるのがいいのか。安倍さんのような強硬派がいいのか、今のような形で柔軟にやる方がいいのか…」
横田早紀江さん)

「本当に孫娘に会いたければ、こちら(平壌)に来てください」
横田めぐみさんの娘、キム・ヘギョンさん〔2006年〕)
2人は、北朝鮮にいるめぐみさんの娘・へギョンさんに会いたい気持ちも押さえ続けてきました。

「(拉致問題とは別に)人道問題として面会できれば(ヘギョンさんに会いに)行ってみようかなと思います」
(横田 滋さん。拉致被害者横田めぐみさんの父)
「思ってるの?はぁ…」
横田早紀江さん)
「(拉致と)無関係で面会するのなら」(横田 滋さん)

15日から始まった日・朝局長級協議。
政府間協議はこの夏、4年ぶりにようやく再開されました。
先週末、横田さん夫妻は協議の行方にこう期待を込めました。
「1回の協議ではどうにもならないと思うけど、『そろそろしっかりやっていただかないとダメだから』と言った…」
(早紀江さん)
「交渉した以上は結果を出してほしい」
(滋さん)

ところが、政府関係者の1人は「局長級協議は選挙前のパフォーマンスに過ぎない」と語ります。
「中身に進展は望めないが野田政権が、拉致問題で努力した痕跡は残る」
というのです。そして、協議が始まるまさに前日…
「16日に解散します」
野田佳彦首相)

横田さん夫妻は政治への不信感をいっそう募らせています。

「政治の運営が全部そうです。何か分からないけど、おかしいことになっていく…めぐみちゃんのことが何とか早く分かってほしい」
(早紀江さん)

◆昭和52(1977)年11月15日
少女拉致容疑事案
被害者:横田めぐみさん(拉致被害時13歳)
新潟市において下校途中に失踪。
平成16年11月に開催された第3回実務者協議において、北朝鮮側はめぐみさんが1994(平成6)年4月に死亡したとし「遺骨」を提出したが、めぐみさんの「遺骨」とされた骨の一部からは同人のものとは異なるDNAが検出されたとの鑑定結果を得た。
平成18年4月には日本政府の実施したDNA検査により、横田めぐみさんの夫が昭和53年に韓国より拉致された当時高校生の韓国人拉致被害者・金英男(キム・ヨンナム)氏である可能性が高いことが判明した。



拉致事件、捜査の現状】
北朝鮮による拉致事件を巡り、日本の警察はこれまで実行犯や指示役として北朝鮮の元工作員たち合わせて11人を国際手配しています。
拉致には金正日キム・ジョンイル)総書記が掌握していた対外情報調査部と呼ばれる工作機関が組織的に関わっていた疑いが強いと見て捜査を続けています。
このうち、福井県の地村保志さん・富貴恵さん夫妻を拉致した実行犯として元工作員辛光洙シン・グァンス)容疑者が手配されています。
また、大阪府の原 敕晁さんが拉致された事件では、辛容疑者とともに金吉旭(キム・キルウク)容疑者も共犯者として手配されています。
この他、東京都の久米 裕さん拉致事件では金世鎬(キム・セホ)容疑者が、新潟県曽我ひとみさん拉致事件にはキム・ミョンスク容疑者がそれぞれ関わったとして手配されています。
北海道出身の渡辺秀子さんの子供2人の拉致事件では、工作員グループのリーダー格で北朝鮮にいると見られる洪寿恵(ホン・スヘ)こと木下陽子容疑者が手配されています。
新潟県の蓮池 薫さん・祐木子さん夫妻の拉致事件ではチェ・スンチョル容疑者が実行犯として手配されている他、金総書記が掌握していた対外報調査部と呼ばれる北朝鮮の工作機関の幹部であるハン・クムニョン容疑者とキム・ナンジン容疑者が拉致の実行を指示したとして手配されています。
ハン容疑者たちは工作機関で「指導員」と呼ばれる立場で、辛光洙容疑者たちもこの組織の一員だったことがわかっており、警察は北朝鮮が組織的に拉致を実行した疑いが強いと見て捜査を続けています。
よど号ハイジャック事件のメンバーたちも1980年代にヨーロッパで相次いだ3人の日本人拉致に関わった疑いで国際手配されています。
このうち、有本恵子さん拉致事件では魚本公博(安部公博)容疑者が、石岡 亨さんと松木 薫さん拉致事件ではよど号メンバーの妻の森 順子・若林佐喜子両容疑者がそれぞれ手配されています。