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【みんな生きている】田口八重子さん

田口八重子さんが幼い子どもを残したまま北朝鮮に拉致されてから、今月下旬で34年がたちました。
北朝鮮の指導部が新しい体制に移行したあとも拉致問題に依然、進展が見られない中、家族は解決に向けた政府の全力の取り組みを求めています。
田口八重子さん(当時22)は34年前の昭和53年6月下旬、1歳と2歳の幼い子ども2人を残したまま北朝鮮に拉致されました。
八重子さんの消息を巡っては、一時期、大韓航空機爆破事件の実行犯、金賢姫(キム・ヒョンヒ)元死刑囚の日本語教育係をさせられていたことが分かっていますが、北朝鮮が「死亡した」と説明している時期よりもあとに現地で韓国人と結婚した可能性があることや、2000年に入って以降の生存情報が政府に寄せられていることが明らかになっています。
その一方で、金正日キム・ジョンイル)総書記が死亡し指導部が新しい体制に移行したあとも、北朝鮮は事実上のミサイルの発射などで国際的な孤立を深めており、日本と北朝鮮の公式協議も、4年前を最後に開かれていません。
この間、八重子さんも56歳になり、帰国に結びつく進展もないまま34年が経過したことに家族は危機感を募らせています。
八重子さんの兄の飯塚繁雄さんは
「34年の月日はあまりにも長く重い。政府は全力でやっているというが、私たちが欲しいのは結果であり、帰国につながる具体的な成果が出る取り組みを政府には求めたい」
と話しています。
田口八重子さんの北朝鮮での消息は、帰国した拉致被害者大韓航空機(KAL機)爆破事件の実行犯、金賢姫元死刑囚の証言などから、その一部が明らかになっています。
八重子さんは拉致されてから1年あまりの間、帰国した拉致被害者の地村富貴恵さんと一緒に北朝鮮の「招待所」と呼ばれる施設で暮らしていました。
その後、北朝鮮当局の指示で、1981年から83年にかけて、大韓航空機爆破事件の実行犯、金賢姫元死刑囚に日本語や日本の風習を教えていました。
1984年には「チュンリョンリ」と呼ばれるピョンヤン市南東の山あいの地区に移され、厳しい監視のもとで拉致被害者横田めぐみさんと共に、金元死刑囚の同期生だった「淑姫(スクヒ)」という名前の女性工作員に日本語を教えていました。
八重子さんはその後、北朝鮮が「死亡した」と説明している時期よりもあとの1986年夏以降、「敵工部」と呼ばれる軍の拠点に連れて行かれ、韓国人の拉致被害者と結婚した可能性があることが、帰国した拉致被害者の証言などから明らかになっています。
また、一昨年には、当時の中井拉致問題担当大臣が「2000年に入って以降も八重子さんが元気でいる」という情報が寄せられたことを明らかにしており、北朝鮮の説明の信憑性には多くの疑問が持たれています。



※「日本国内にいる親北の連中に言っておくことがある。それは、拉致被害者に何かがあったら、我々は『報復するぞ』と」
(荒木和博・特定失踪者問題調査会代表)
※「北朝鮮の国家安全保衛部に日本人拉致被害者が約10人、朝鮮労働党の工作機関に日本人拉致被害者が約30人管理されている。このうち、保衛部に管理されている日本人拉致被害者2名については朝鮮名が『カン・クンナム』と『リ・チョルヨン』であることはわかっている。そして管理されている拉致被害者が資料の翻訳等の仕事をさせられていることもわかっている」
(西岡 力・救う会会長)
拉致事件、捜査の現状】
北朝鮮による拉致事件を巡り、日本の警察はこれまで実行犯や指示役として北朝鮮の元工作員たち合わせて11人を国際手配しています。
拉致には金正日キム・ジョンイル)総書記が掌握していた対外情報調査部と呼ばれる工作機関が組織的に関わっていた疑いが強いと見て捜査を続けています。
このうち、福井県の地村保志さん・富貴恵さん夫妻を拉致した実行犯として元工作員辛光洙シン・グァンス)容疑者が手配されています。
また、大阪府の原 敕晁さんが拉致された事件では、辛容疑者とともに金吉旭(キム・キルウク)容疑者も共犯者として手配されています。
この他、東京都の久米 裕さん拉致事件では金世鎬(キム・セホ)容疑者が、新潟県曽我ひとみさん拉致事件にはキム・ミョンスク容疑者がそれぞれ関わったとして手配されています。
北海道出身の渡辺秀子さんの子供2人の拉致事件では、工作員グループのリーダー格で北朝鮮にいると見られる洪寿恵(ホン・スヘ)こと木下陽子容疑者が手配されています。
新潟県の蓮池 薫さん・祐木子さん夫妻の拉致事件ではチェ・スンチョル容疑者が実行犯として手配されている他、金総書記が掌握していた対外報調査部と呼ばれる北朝鮮の工作機関の幹部であるハン・クムニョン容疑者とキム・ナンジン容疑者が拉致の実行を指示したとして手配されています。
ハン容疑者たちは工作機関で「指導員」と呼ばれる立場で、辛光洙容疑者たちもこの組織の一員だったことがわかっており、警察は北朝鮮が組織的に拉致を実行した疑いが強いと見て捜査を続けています。
よど号ハイジャック事件のメンバーたちも1980年代にヨーロッパで相次いだ3人の日本人拉致に関わった疑いで国際手配されています。
このうち、有本恵子さん拉致事件では魚本公博(安部公博)容疑者が、石岡 亨さんと松木 薫さん拉致事件ではよど号メンバーの妻の森 順子・若林佐喜子両容疑者がそれぞれ手配されています。