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【みんな生きている】拉致問題を考える埼玉県民の集い編/産経新聞

《拉致は人権侵害の総本山!埼玉県の拉致被害者・特定失踪者を救出しろ!》

「救出を今か今かと待っている姿が見える」。
さいたま市内で9月27日開かれた「拉致問題を考える埼玉県民の集い」で、飯塚繁雄さん(76歳)や横田 滋さん(81歳)・早紀江さん(78歳)夫妻ら拉致被害者や特定失踪者の家族は、一刻も早い救出実現への後押しを訴えた。北朝鮮の再調査に引き延ばしの懸念が浮上する中、会場を埋めた約500人の県民は、家族の切実な願いに耳を傾けた。
最初に壇上にあがった田口八重子さん(59歳。拉致当時22歳)の兄で家族会代表の飯塚さんは、再調査対象について

「今、生きている拉致被害者が最優先だ」

と述べ、遺骨返還や日本人妻などの問題よりも、拉致被害者の帰還を急ぐべきだとの考えを強調した。
さらに

北朝鮮は日本が焦れば焦るほど足元を見て強い要求をしてくる」

と安易な妥協に警鐘を鳴らしたが、

「今年中に『結果』という目標を立てて頑張ってきたがそれもままならぬ」

と揺れる思いを語った。
一方、田口さんを含め8人の拉致被害者を「死亡」と回答した北朝鮮の説明には次々と虚偽が明らかになっており、

「交渉によって生き返らせないといけない。全国民、全県民が一体となって戦う世論ができれば」

と呼びかけた。


■元気なうちに

川口市出身の藤田 進さん(58歳。失踪当時19歳)の弟・隆司さん(56歳)は

「拉致かもしれないが、違う場合もある。政府認定はなく、特定失踪者の家族は二重の苦しみを背負っている」

と理解を求めた。
警察当局は900人近くの失踪者に拉致の疑いがあるとみて捜査・調査しており、

拉致被害者は1,000人を超えるかもしれない。北朝鮮拉致問題は世界で認識されつつあり、国民の皆様にも思いを共有していただきたい」

と話した。
壇上には井上克美さん(64歳。失踪当時21歳)、佐々木正和さん(64歳。失踪当時37歳)ら埼玉ゆかりの特定失踪者の家族も登壇。
佐々木悦子さん(50歳。失踪当時27歳)の母・アイ子さん(75歳)は

「日本に戻るまで生きて頑張る。ご支援をお願いします」

と語った。
県民の集いは、北朝鮮に拉致された日本人を救出する埼玉の会や県が主催。
参加した川越市の主婦(74歳)は

北朝鮮が全員を帰還させてから人道支援などを行うべきだ」

と話していた。


■横田さん夫妻への質問コーナー

今回の集いでは、横田さん夫妻への質問コーナーが新たに設けられた。
夫妻は娘・めぐみさん(49歳。拉致当時13歳)への思いを熱く語っていた。

Q・めぐみさんはどんな子供だったか?性格は?
早紀江さん:「小さいころから声が大きく、小学校で習った唱歌をよく歌っていた。西城秀樹さんが好きで大きなポスターを貼っていた。やんちゃで明るく元気いっぱい。男の子みたいに駆け回っていた」
Q・滋さんが大切にしている櫛があると聞いたが?
滋さん:「めぐみがいなくなった前日が私の誕生日。『プレゼントです。おしゃれに気をつけてね』と。親のことにも気がついて中学生は違うと感じた」
Q・モンゴルで面会しためぐみさんの娘、キム・ウンギョンさんについて
滋さん:「ずいぶん大人びていた。(機微に触れることを)聞いて、あとから咎められたら困るので触れなかった」
早紀江さん:「生きてきてよかったなと。声がめぐみに似ていた。幸せな時間が何十年もかかってやってきたのに、肝心の人(めぐみさん)がどうしてここにいないのか、言いようのない思いがよぎった」
Q・これまでに何回くらい講演してきたのか?
滋さん:「正確には分からないが、1,400回ぐらいでは。北海道から沖縄まで。始めたころは『拉致なんてあるんですか』と聞かれたが、今ではたくさんの方に来ていただける」

◆昭和52(1977)年11月15日
少女拉致容疑事案
被害者:横田めぐみさん(拉致被害時13歳)
新潟市において下校途中に失踪。
平成16年11月に開催された第3回実務者協議において、北朝鮮側はめぐみさんが1994(平成6)年4月に死亡したとし「遺骨」を提出したが、めぐみさんの「遺骨」とされた骨の一部からは同人のものとは異なるDNAが検出されたとの鑑定結果を得た。
平成18年4月には日本政府の実施したDNA検査により、横田めぐみさんの夫が昭和53年に韓国より拉致された当時高校生の韓国人拉致被害者・金英男(キム・ヨンナム)氏である可能性が高いことが判明した。

※「白い翼でも黒い翼でも、赤い翼でも青い翼でも、何でも結構なんで、帰って来られる翼をめぐみに与えてほしい」
横田早紀江さん。拉致被害者横田めぐみさんの母)

◆昭和53(1978)年6月頃
李恩恵(リ・ウネ)拉致容疑事案
被害者:田口八重子さん(拉致被害時22歳)
昭和62年11月の大韓航空機(KAL)爆破事件で有罪判決を受けた元北朝鮮諜報員金賢姫(キム・ヒョンヒ)氏は「李恩恵(リ・ウネ)」という女性から日本人の振る舞い方を学んだと主張している。この李恩恵は行方不明となった田口さんと同一人物と考えられる。
北朝鮮側は、田口さんは1984(昭和59)年に原 敕晁さんと結婚し、1986(昭和61)年の原さんの病死後すぐに自動車事故で死亡したとしているが、これを裏付ける資料等の提供はなされていない。
平成21年3月、金賢姫氏と飯塚家との面会において、金氏より田口さんの安否にかかる重要な参考情報(注)が新たに得られたことから、現在、同情報についての確認作業を進めている。
(注)金氏の発言:「87年1月にマカオから帰ってきて、2月か3月頃、運転手から田口さんがどこか知らないところに連れて行かれたと聞いた。86年に一人暮らしの被害者を結婚させたと聞いたので、田口さんもどこかに行って結婚したのだと思った」

※「八重子さんが北朝鮮南浦港に着いたとき、女性通訳に“私には子供が二人いて、どうしても日本に帰らなくてはならないので、返してほしい”と何回も言ってお願いしたそうです。八重ちゃんの思いは最初から最後まで子供のことでいっぱいでしたし、今でも間違い無く“今、彩ちゃんはいくつになって、耕ちゃんはいくつになった”と毎年計算して、どんな大人になったか知りたがっているはずです。すごく会いたがっていると思います」
拉致被害者・地村富貴恵さんの証言)

◆昭和55(1980)年6月中旬
辛光洙シン・グァンス)事件
被害者:原 敕晁さん(拉致被害時43歳)
宮崎県内で発生。
本件については、北朝鮮工作員辛光洙シン・グァンス)が韓国当局に対し、原さん拉致を認める証言をしている。
捜査当局は辛光洙について、これまで原さんに成りかわった容疑で逮捕状の発付を得て国際手配するとともに、政府として北朝鮮側に身柄の引渡しを要求してきたが、平成18年4月には、新たに拉致容疑の主犯として逮捕状が発付されている。
北朝鮮側は身柄の引渡しに応じていないどころか、同人を「英雄」として称えている。
また、捜査当局は原さん拉致容疑の共犯者である金吉旭(キム・キルウク)についても逮捕状の発付を得ており、国際手配を行うなどの所要の措置を講じている。
北朝鮮側は、原さんは1984(昭和59)年に田口八重子さんと結婚し、1986(昭和61)年に肝硬変で死亡したとしているが、これを裏付ける資料等の提供はなされていない。

※「辛光洙は原 敕晁さんになりすますために、原さんについてのあらゆることを調べあげた。それこそ、チャーハンの作り方まで調べあげた」
(石高健次さん)

《特定失踪者・藤田 進さんについて》
※国連人権理事会が調査要請を受理した事案
◆氏名:藤田 進
(ふじたすすむ)
◆失踪年月日:昭和51(1976)年2月7日
◆生年月日:昭和31(1956)年6月16日
◆性別:男
◆当時の年齢:19歳
◆当時の身分:東京学芸大学教育学部1年生
◆当時の住所:埼玉県川口市南町
◆特徴:
1)家ではあまりしゃべらないタイプ
2)ギターがうまかった
◆失踪場所:埼玉県川口市の自宅

【失踪状況】
失踪当日6:30~7:00頃、以前から言っていた新宿のガードマンのバイトに行くといって服を持って家を出たまま帰らず。
後に新宿にある全ての警備会社に電話で問い合わせたが該当者はいなかった。
脱北者北朝鮮から持ち出した写真が鑑定の結果、藤田 進さんである可能性が極めて高いことが判明。
平成16年1月28日、埼玉県警に告発状提出。

《特定失踪者・藤田 慎さんについて》
◆氏名:藤田 慎
(ふじたしん)
◆失踪年月日:昭和35(1960)年
◆生年月日:昭和6(1931)年9月5日
◆性別:男
◆当時の年齢:29歳
◆身長:165cmくらい
◆当時の身分:三菱重工に勤務
◆失踪場所:東京都大田区蒲田本町(姉夫婦の当時の居住地)

【失踪状況】
長兄に「旅行に行く」と新品の靴を借りに来る。
次兄夫婦には、「結婚したい人がいる」と相談。
また、弟にお金を借りに来る。
その後音信不通。
失踪から数年後、兄夫婦宅(埼玉県川口市仲町)に年賀状が届く。字体は達筆(本人の字体に似ていた)。差出人の名前がなかった。消印は世田谷だったようである。
昭和51年2月7日、埼玉県川口市で失踪した藤田 進さんの叔父にあたる。
北朝鮮にいるとの不確定情報がある。



拉致事件、捜査の現状】
北朝鮮による拉致事件を巡り、日本の警察はこれまで実行犯や指示役として北朝鮮の元工作員たち合わせて11人を国際手配しています。
拉致には金正日キム・ジョンイル)総書記が掌握していた対外情報調査部と呼ばれる工作機関が組織的に関わっていた疑いが強いと見て捜査を続けています。
このうち、福井県の地村保志さん・富貴恵さん夫妻を拉致した実行犯として元工作員辛光洙シン・グァンス)容疑者が手配されています。
また、大阪府の原 敕晁さんが拉致された事件では、辛容疑者とともに金吉旭(キム・キルウク)容疑者も共犯者として手配されています。
この他、東京都の久米 裕さん拉致事件では金世鎬(キム・セホ)容疑者が、新潟県曽我ひとみさん拉致事件にはキム・ミョンスク容疑者がそれぞれ関わったとして手配されています。
北海道出身の渡辺秀子さんの子供2人の拉致事件では、工作員グループのリーダー格で北朝鮮にいると見られる洪寿恵(ホン・スヘ)こと木下陽子容疑者が手配されています。
新潟県の蓮池 薫さん・祐木子さん夫妻の拉致事件ではチェ・スンチョル容疑者が実行犯として手配されている他、金総書記が掌握していた対外報調査部と呼ばれる北朝鮮の工作機関の幹部であるハン・クムニョン容疑者とキム・ナンジン容疑者が拉致の実行を指示したとして手配されています。
ハン容疑者たちは工作機関で「指導員」と呼ばれる立場で、辛光洙容疑者たちもこの組織の一員だったことがわかっており、警察は北朝鮮が組織的に拉致を実行した疑いが強いと見て捜査を続けています。
よど号ハイジャック事件のメンバーたちも1980年代にヨーロッパで相次いだ3人の日本人拉致に関わった疑いで国際手配されています。
このうち、有本恵子さん拉致事件では魚本公博(安部公博)容疑者が、石岡 亨さんと松木 薫さん拉致事件ではよど号メンバーの妻の森 順子・若林佐喜子両容疑者がそれぞれ手配されています。