もずの独り言・はてなスポーツ+物置

半蔵ともず、はてなでも独り言です。

【みんな生きている】拉致被害者・特定失踪者再調査編/NHK(4)- 1

北朝鮮拉致被害者や拉致された可能性が排除できない、いわゆる特定失踪者の包括的、全面調査を行うと約束したことを安倍晋三総理大臣が明らかにしました。
これについて拉致被害者の家族たちは次のように話しています。


■「最後の機会政府は成果を」

拉致被害者横田めぐみさんの父親の滋さん(81歳)は

「もっと長引くのではないかと思っていたが、早い時期に動きが出てよかった。北朝鮮側もやはりこの時点で解決しなければまずいと感じたのではないかと思う。これが最後の機会と思っているので、政府は成果を上げて欲しい」

と話しました。
そのうえで、

「日本政府は、北朝鮮に直接、調査の進み方を確認しなければならないし、全く調査が実行されていないということであれば制裁を解除しないということも検討して欲しい」

と求めました。
母親の早紀江さん(78歳)は

「両国が納得できて、『よかった』と言えるようになってほしい。親としては娘や被害者と再会できることを切に願っていますし、日本と北朝鮮が平和になることを望んでいます」

と話しました。
そのうえで、

「今回、北朝鮮には、誠実に再調査をして頂きたいし、日本は北朝鮮の態度を見極めて間違うことがないようにしてほしい。今度こそ、偽りのないはっきりとしたことを北朝鮮は出してきてほしい」

と求めました。


■「調査の経過を逐一確認したい」

拉致被害者の家族会代表で、田口八重子さんの兄の飯塚繁雄さんは、

「昨日まで前進がなかったが、今まで我々が待っていた『きっかけ』ができたという思いです。私たちは一刻も早くという思いで活動してきたが、兆しが見えたことはうれしいと思いますし期待も膨らんできます。不安がないことはないが、北朝鮮がこれを反故にすれば思惑がずれてしまうと思っています。期待を裏切られないように政府に要請していきますし、調査の経過も逐一確認していきたい」

と話しました。


■「被害者の帰国に結びつけて」

拉致被害者・増元るみ子さんの弟の照明さんは、

「政府には、北朝鮮がどういう組織・人員で調査を行うのかしっかり見極めて欲しい。決してだまされることなく被害者の帰国に結びつけてほしい」

と話しています。


■「このチャンス逃さず全員帰国を」

拉致被害者松本京子さんの兄の孟さんは、

拉致被害者の家族は高齢な人が多いので、1日でも早くしっかりとした再調査を行ってほしい。そして、このチャンスを逃さず、拉致被害者全員が1日も早く元気に帰ってきてもらうことを望みます」

と話しました。


■「日本政府は強い態度で交渉を」

神戸市出身の拉致被害者有本恵子さんの母親の嘉代子さん(88歳)は

「こんなに早く再調査になるとは思っていなかったので本当によかった。北朝鮮の国内も大変な状況で再調査が得策だと感じたのではないか。結果が出ないうちに日本政府が制裁を解除することはないと思うので、早く再調査に取りかかり、答えを出してもらいたい。自分たちが元気な間に、一日も早く恵子が帰ってきてほしい」

と話していました。
また、父親の明弘さん(85歳)は

「再調査が行われること自体はよかったが、拉致の被害に遭った人が日本に帰る前に、経済制裁を一部解除するのは時期尚早ではないか。これまでだまされてきたという思いがあるので、日本政府は強い態度で交渉を進めてほしい」

と話していました。


■「家族も高齢化。本当に時間がない」

拉致被害者の市川修一さんの兄の健一さんは、

「昨日の政府間協議にはがっかりしていましたが、大きなニュースが飛び込んできてびっくりしました。政府は拉致問題解決の最大のチャンスととらえて対応してもらいたい。うまくいかなければ解決は何年先になるか分からず、被害者全員が無事に帰国できるように総理大臣にはしっかりとやってほしい。私の父も99歳になり、他の家族も高齢化してきていて本当に時間がないので、解決に向けて1歩でも2歩でも前に進めてもらいたい」

と話しました。


■「冷静に結果を待ちたい」

拉致被害者・石岡 亨さんの兄の章さんは、

「いい結果を期待する気持ちもあるが、私たち拉致被害者の家族はさんざん苦い思いをしてきた。だからこそ、北朝鮮がしっかりした結果を示すかどうか冷静に待ちたい」

と話しています。


■「まだ喜ぶ段階ではない」

熊本市出身の拉致被害者松木 薫さんの姉の斉藤文代さんは、

「ニュースを聞いてただただびっくりしている。北朝鮮側にはしっかりと誠意ある調査をしてもらい、一刻も早く弟を含む拉致被害者全員が帰国できるようにしてほしい」

と求めました。
そのうえで、

「今回で拉致問題が前進するのであればうれしいが、今はまだ喜ぶ段階ではない。しっかりと今後の推移を見守りたい」

と話しました。


■「亡くなった母によい報告したい」

新潟県糸魚川市で昭和40年に行方が分からなくった特定失踪者、藤田 進さんの妹の冷子さんは

「50年近くたち、待ち続けた母も先月、亡くなってしまった。これまで北朝鮮の対応に振り回されてきたので半信半疑だが、母によい報告ができるよう結果を待ちたい」

と話しています。


■「期待して調査結果待ちたい」

平成10年に新潟から韓国に出国したあと行方が分からなくなった特定失踪者で、新潟県長岡市の中村三奈子さんの母親のクニさんは

「信じられない気持ちでいっぱいだ。12年前に拉致被害者が帰国した光景が頭に浮かんだ。期待して調査結果を待ちたい」

と話しています。


■「必ず解決につなげて」

新潟県佐渡市で昭和49年に行方が分からなくなった特定失踪者・大澤孝司さんの兄の昭一さんは、

「ようやく調査が始まることになって喜んでいる。政府は有言実行で必ず問題の解決につなげてほしい。北朝鮮も誠実に対応してほしい」

と話しています。


■「少し扉が開いた気がする」

昭和63年に宮崎市の青島沖にボートで釣りに出かけたあと行方が分からなくなった、特定失踪者・水居 明さんの長男の徹さんは、

「驚いたというのが正直な感想だ。今回は拉致被害者のみならず、父を含む特定失踪者も調査されるということで、相当、進展があったと受け止めている。大変な前進だ」

と話しました。
そのうえで、

「日本側が交渉するうえでのカードをいくつか持ち、北朝鮮側には逼迫した事情があると思うので、しっかり交渉して欲しい。26年が経ち、自分にとって唯一の肉親は父親だけになってしまったので生きているものなら会いたい。一歩なのか半歩なのか分からないが、少し前向きに扉が開いた気がする」

と話しました。



拉致事件、捜査の現状】
北朝鮮による拉致事件を巡り、日本の警察はこれまで実行犯や指示役として北朝鮮の元工作員たち合わせて11人を国際手配しています。
拉致には金正日キム・ジョンイル)総書記が掌握していた対外情報調査部と呼ばれる工作機関が組織的に関わっていた疑いが強いと見て捜査を続けています。
このうち、福井県の地村保志さん・富貴恵さん夫妻を拉致した実行犯として元工作員辛光洙シン・グァンス)容疑者が手配されています。
また、大阪府の原 敕晁さんが拉致された事件では、辛容疑者とともに金吉旭(キム・キルウク)容疑者も共犯者として手配されています。
この他、東京都の久米 裕さん拉致事件では金世鎬(キム・セホ)容疑者が、新潟県曽我ひとみさん拉致事件にはキム・ミョンスク容疑者がそれぞれ関わったとして手配されています。
北海道出身の渡辺秀子さんの子供2人の拉致事件では、工作員グループのリーダー格で北朝鮮にいると見られる洪寿恵(ホン・スヘ)こと木下陽子容疑者が手配されています。
新潟県の蓮池 薫さん・祐木子さん夫妻の拉致事件ではチェ・スンチョル容疑者が実行犯として手配されている他、金総書記が掌握していた対外報調査部と呼ばれる北朝鮮の工作機関の幹部であるハン・クムニョン容疑者とキム・ナンジン容疑者が拉致の実行を指示したとして手配されています。
ハン容疑者たちは工作機関で「指導員」と呼ばれる立場で、辛光洙容疑者たちもこの組織の一員だったことがわかっており、警察は北朝鮮が組織的に拉致を実行した疑いが強いと見て捜査を続けています。
よど号ハイジャック事件のメンバーたちも1980年代にヨーロッパで相次いだ3人の日本人拉致に関わった疑いで国際手配されています。
このうち、有本恵子さん拉致事件では魚本公博(安部公博)容疑者が、石岡 亨さんと松木 薫さん拉致事件ではよど号メンバーの妻の森 順子・若林佐喜子両容疑者がそれぞれ手配されています。