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【みんな生きている】日・朝非公式会合編(2)/毎日新聞

日本と北朝鮮の外交当局が先週末、ベトナムの首都ハノイで非公式に協議していたことが分かった。拉致問題や公式協議の再開等について話し合ったとみられる。日本側には北朝鮮の出方を探る狙いがあり、北朝鮮側には米・中との対話が進まない中、日本に接近する思惑があるが、北朝鮮の今後の動向は不透明で、拉致問題が進展するかどうかは予断を許さない。


◇日本側、「局長級」再開を模索

1月25、26両日の非公式協議には、日本から外務省の伊原純一アジア大洋州局長ら、北朝鮮から宋日昊ソン・イルホ)朝・日国交正常化交渉担当大使らが出席したとみられる。日・朝間の協議は2012年11月に外務省局長級協議が行われて以来となる。
拉致問題を巡っては、野田政権下の12年11月の局長級協議で、北朝鮮が従来の「拉致問題は解決済み」との立場を変更する可能性に言及。当時の首相・野田佳彦氏はその後、毎日新聞のインタビューに、「拉致問題の再調査をさせるところまで戻せるチャンスがあった」と語り、進展する可能性が高まっていた。しかし、同年12月に北朝鮮弾道ミサイルを発射し協議は中断したままだった。
ここにきて日本が非公式協議に踏み込んだのは、局長級協議の再開にこぎ着け、行き詰まった状況を打開したいとの意向があるからだ。拉致被害者の家族は高齢化しており、早期解決は待ったなしの状況ともいえる。安倍晋三首相は28日の衆院本会議で、「関係各国と連携しつつ、拉致問題の解決に全力を尽くす」と改めて解決へ強い意欲を示した。
ただ、北朝鮮には核開発・ミサイル問題もあり、日本が突出すれば米・韓の反発を招く。また、北朝鮮はこれまで対話姿勢と強硬姿勢を交互に繰り返しており、先行きは不透明だ。日・朝外交筋は「北朝鮮親中派だった張成沢チャン・ソンテク)元国防副委員長を処刑後、対中関係が悪化している。日本を対中外交のカードに使う意味合いがあるのではないか」と指摘した。


◇孤立に危機感…北朝鮮

北朝鮮が日本との非公式協議に乗り出した背景には、安倍政権の自国に対する政策を正確に把握するとともに、張成沢チャン・ソンテク)元国防副委員長の粛清によって自国内に動揺がないことを説明する意図があったとみられる。北朝鮮は最近、韓国に対しても融和姿勢を見せており、日本も合わせた周辺国との関係改善の糸口を探り、経済再建の道筋をつかみたい考えのようだ。
北朝鮮にとって日本との関係改善は「金正恩キム・ジョンウン)第1書記が最高指導者になられた直後から強く求めてきた優先事項」(指導部に近い関係者)とされる。
北京の外交関係者によると、昨秋以後、中国やモンゴル等で数回にわたり、日本政府当局者と北朝鮮外務省関係者による水面下の接触が進められてきたという。同関係者は「北朝鮮側には、対外的に強気の発言を繰り返す安倍政権が対北朝鮮交渉を本気で進める意思があるのか、日本側は張氏粛清の余波がどの程度深刻なのか確認する狙いがあった」と説明する。
北朝鮮では、金第1書記による唯一指導体系を徹底させる一方、新たな経済改革措置の実施に向けた準備が進められている。ただ、これを軌道に乗せるため、周辺国との関係改善を図る必要がある。
最近、北朝鮮は消極的だった離散家族再会に応じる等、南北関係改善に前向きな姿勢を見せている。対日関係でも融和ムードを演出したい考えだが、拉致問題等重要懸案で具体的な措置を取る決断ができているかは明らかではない。

◆昭和53(1978)年6月頃
元飲食店店員拉致容疑事案
被害者:田中 実さん(拉致被害時28歳)
欧州に向け出国したあと失踪。
平成14年10月にクアラルンプールで行われた日・朝国交正常化交渉第12回本会談及び平成16年に計3回行われた日・朝実務者協議において我が方から北朝鮮側に情報提供を求めたが、第3回協議において北朝鮮側より北朝鮮に入境したことは確認できなかった旨回答があった。
平成17年4月に田中 実さんが拉致認定されて以降、政府は北朝鮮側に対し即時帰国及び事案に関する真相究明を求めてきているが、これまでに回答はない。

《特定失踪者・金田竜光さんについて》
◆氏名:金田 竜光
(かねだたつみつ)
◆失踪年月日:昭和54(1979)年ごろ
◆生年月日:昭和27(1952)年
◆性別:男
◆当時の年齢:26歳
◆身長:180cm
◆当時の身分:ラーメン店店員
◆当時の住所:兵庫県神戸市東灘区青木
◆失踪場所:神戸市東灘区

【失踪状況】
金田さんは韓国籍
田中 実さん(昭和53年に拉致)と同じ施設で育った。
昭和52年ごろ、田中 実さん拉致実行犯・韓竜大(ハン・ヨンデ)が経営するラーメン店「来大」に就職。昭和53年に田中 実さんを「来大」に紹介し、ともに働く。同年、韓竜大の誘いにより、田中 実さんがオーストリア・ウィーンに出国。
半年ほどして、田中 実さんが差出人になっているオーストリアからの国際郵便を受け取る。その内容は「オーストリアはいいところであり、仕事もあるのでこちらに来ないか」との誘いであった。
田中さんの誘いを受け、打ちあわせと言って東京に向かったが、以後一切連絡がなく、行方不明となる。
連絡がないことを不思議に思った友人が、この間の事情を知る韓竜大に再三説明を求めたが、「知らない」と繰り返す。
その後失踪した2人を知る友人たちの間で「2人は北朝鮮にいる」との噂が広まり、韓竜大に近づく者がいなかった。
救う会兵庫」は平成14年10月に韓竜大、15年7月にその共犯である曹廷楽(チョ・ジョンガリ)についての告発状を兵庫県警に提出している。

《特定失踪者・藤田 進さんについて》
※国連人権理事会が調査要請を受理した事案
◆氏名:藤田 進
(ふじたすすむ)
◆失踪年月日:昭和51(1976)年2月7日
◆生年月日:昭和31(1956)年6月16日
◆性別:男
◆当時の年齢:19歳
◆当時の身分:東京学芸大学教育学部1年生
◆当時の住所:埼玉県川口市南町
◆特徴:
1)家ではあまりしゃべらないタイプ
2)ギターがうまかった
◆失踪場所:埼玉県川口市の自宅

【失踪状況】
失踪当日6:30~7:00頃、以前から言っていた新宿のガードマンのバイトに行くといって服を持って家を出たまま帰らず。
後に新宿にある全ての警備会社に電話で問い合わせたが該当者はいなかった。
脱北者北朝鮮から持ち出した写真が鑑定の結果、藤田 進さんである可能性が極めて高いことが判明。
平成16年1月28日、埼玉県警に告発状提出。

《特定失踪者・川合健二さんについて》
◆氏名:川合 健二
(かわいけんじ)
◆失踪年月日:昭和54(1979)年4月4日
◆生年月日:昭和22(1947)年2月6日
◆性別:男
◆当時の年齢:35歳
◆身長:167cm
◆体重:55kg
◆当時の身分:会社員
◆当時の住所:山梨県中巨摩郡(現・山梨県甲斐市
◆特徴:左利き
◆失踪場所:山梨県中巨摩郡

【失踪状況】
車で接触事故を起こし、被害者を病院に送り届けてから行方不明。
車も見つかっていない。
失踪直前、10万円くらい小分けにして300万円が引き出されていた。

《特定失踪者・山本美保さんについて》
◆氏名:山本 美保
(やまもとみほ)
◆失踪年月日:昭和59(1984)年6月4日
◆生年月日:昭和39(1964)年3月3日
◆性別:女性
◆当時の年齢:20歳
◆身長:160cm
◆体重:51kg
◆当時の身分:大学受験生
◆当時の住所:山梨県甲府市
◆特徴:
1)左目の下に3針縫った跡
2)左手にしもやけの軽いケロイド
◆靴のサイズ:23.5cm
◆失踪場所:山梨県甲府市の自宅を出て以来消息不明

【失踪状況】
「図書館に行く」と言ってバイクで出かけたまま失踪。甲府駅前にバイクが置かれているのが発見された。
4日後、新潟県柏崎市荒浜海岸にセカンドバックが落ちていたとの連絡。
失踪半年後の11月6日から無言電話が4年半ほど続く。
無言電話はほとんど数秒で切れるものだったが、失踪から3年4ヶ月後と3年6ヶ月後の2回の電話は10分~15分ほど続き、相手はじっと聞いている様子だった。
3年6ヶ月後の電話はすすり泣くような声が聞かれた。
平成16年1月29日、山梨県警に告発状提出。

《特定失踪者・角田麻衣さんについて》
◆氏名:角田 麻衣
(つのだまい)
◆失踪年月日:平成14(2002)年11月13日
◆生年月日:昭和57(1982)年2月12日
◆性別:女性
◆当時の年齢:20歳
◆身長:153cm
◆体重:44kg~46kg
◆当時の身分:大学3年生
◆失踪場所:東京または山梨

【失踪状況】
11月11~13日は学校を休んでいたが、それまで連絡なしで学校を休んだことはなかった。
13日朝7時頃、兄が起きたときはすでに姿がなかった。
失踪後の11月13日、山梨県で携帯電話の電波を交換機がキャッチするも、その後は交信無し。



拉致事件、捜査の現状】
北朝鮮による拉致事件を巡り、日本の警察はこれまで実行犯や指示役として北朝鮮の元工作員たち合わせて11人を国際手配しています。
拉致には金正日キム・ジョンイル)総書記が掌握していた対外情報調査部と呼ばれる工作機関が組織的に関わっていた疑いが強いと見て捜査を続けています。
このうち、福井県の地村保志さん・富貴恵さん夫妻を拉致した実行犯として元工作員辛光洙シン・グァンス)容疑者が手配されています。
また、大阪府の原 敕晁さんが拉致された事件では、辛容疑者とともに金吉旭(キム・キルウク)容疑者も共犯者として手配されています。
この他、東京都の久米 裕さん拉致事件では金世鎬(キム・セホ)容疑者が、新潟県曽我ひとみさん拉致事件にはキム・ミョンスク容疑者がそれぞれ関わったとして手配されています。
北海道出身の渡辺秀子さんの子供2人の拉致事件では、工作員グループのリーダー格で北朝鮮にいると見られる洪寿恵(ホン・スヘ)こと木下陽子容疑者が手配されています。
新潟県の蓮池 薫さん・祐木子さん夫妻の拉致事件ではチェ・スンチョル容疑者が実行犯として手配されている他、金総書記が掌握していた対外報調査部と呼ばれる北朝鮮の工作機関の幹部であるハン・クムニョン容疑者とキム・ナンジン容疑者が拉致の実行を指示したとして手配されています。
ハン容疑者たちは工作機関で「指導員」と呼ばれる立場で、辛光洙容疑者たちもこの組織の一員だったことがわかっており、警察は北朝鮮が組織的に拉致を実行した疑いが強いと見て捜査を続けています。
よど号ハイジャック事件のメンバーたちも1980年代にヨーロッパで相次いだ3人の日本人拉致に関わった疑いで国際手配されています。
このうち、有本恵子さん拉致事件では魚本公博(安部公博)容疑者が、石岡 亨さんと松木 薫さん拉致事件ではよど号メンバーの妻の森 順子・若林佐喜子両容疑者がそれぞれ手配されています。