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【みんな生きている】有本恵子さん

《『産経新聞』が伝える有本恵子さんとよど号ルート拉致事件

1988年9月、拉致被害者の石岡 亨さんの実家に届いた手紙には、石岡さんと有本恵子さん、赤ちゃんの写真が同封されていた。

拉致被害者曽我ひとみさん(53歳)と、夫で元脱走米兵のチャールズ・ジェンキンスさん(73歳)は1986年6月、平壌にある外貨ショップ「楽園百貨店」にいた。同じ集落で暮らすレバノン人被害者のシハーム・シュライテフさん(拉致被害時21歳)と夫の元脱走米兵、ジェリー・パリッシュさん(故人)と一緒に買い物に訪れたのだ。
入り口から夫婦とみられる日本人らしき男女が入ってきた。シハームさんが、女性のほうに近づき、親しげに挨拶を交わした。会話が終わると、曽我さんは「知り合い?」とシハームさんに尋ねた。「産院が一緒だった日本人。数日違いで出産した」とシハームさんは説明した。
女性は、1983年7月、イギリス留学中に北朝鮮に拉致された有本恵子さん(拉致被害時23歳)で、一緒にいた男性は、1980年5月、スペインから連れ去られた石岡 亨さん(拉致被害時22歳)とみられる。
曽我さんは帰国後、警察当局の聴取に応じ、このエピソードは「有本さんが出産して1、2カ月後のことだった」と話している。


■「テロ集団が拉致」

有本さん拉致事件では、日航よど号を乗っ取り北朝鮮に渡った元共産主義者同盟(共産同)赤軍派メンバー、魚本(旧姓・安部)公博容疑者(65歳)が、石岡さん事件では、別のよど号犯メンバーの妻、森 順子(59歳)と若林佐喜子(58歳)の両容疑者が国際手配されているが、よど号犯グループは拉致を全面的に否定している。だが、シハームさんは曽我さんにこうも囁いていた。
「2人を連れてきたのは1970年にハイジャック事件を起こしたテロ集団のメンバーたちと言っていた」
「テロ集団」がよど号犯を指すことは明白だ。
有本さんと石岡さんについては、2002年に脱北し08年に韓国の北朝鮮向け短波放送「自由北朝鮮放送」に、自分が管理する等した拉致被害者の情報を綴った手紙を送付した朝鮮労働党の元工作員(58歳)がこう記している。

《1985年から1988年ごろまで平壌市サンメ地区招待所にて夫婦で訓練を受ける》
《1988年から1991年ごろ、平壌順安(スナン)区域招待所に移転》…

この情報は何を示唆しているのか。
よど号犯グループによる欧州ルートの日本人拉致は、金正日キム・ジョンイル)総書記の直筆指令に基づき、勢力拡大を目的としていた疑いが浮上している。グループの拠点である「日本革命村」は元新里(ウォンシンリ)地区にあるとされるが、サンメ地区や順安区域は全く別の場所だ。
拉致被害者の支援組織「救う会」の西岡 力会長は

「(脱北した元工作員の)手紙の内容が正しいとすれば、有本さんや石岡さんはよど号犯グループと離れて暮らしていたのではないか」

と指摘。

よど号犯グループが洗脳に成功していれば、日本革命村にいるはずだ」

と話す。


■「手から離れた」

石岡さんの実家に88年9月、北朝鮮で有本さんたちと暮らしていることを伝える手紙が届いた後、日本革命村を訪れ、田宮高麿最高幹部(故人)と面会した関係者は、田宮幹部に石岡さんや有本さんたちの消息を尋ねたことがあるという。関係者は、そのとき田宮幹部が「(石岡さんと有本さんたちは)自分たちの手から離れちゃっている」と話していたことを明らかにした。
よど号犯グループに洗脳されなかった石岡さんと有本さんが北朝鮮当局の管理下に置かれていった様子が浮かぶ。よど号犯グループの活動と、北朝鮮の“闇”を目の当たりにした2人は「知りすぎた被害者」になってしまったのだ。

よど号ルート拉致被害者について》
◆昭和55(1980)年5月頃
欧州における日本人男性拉致容疑事案
被害者:石岡 亨さん(拉致被害時22歳)
被害者:松木 薫さん(拉致被害時26歳)
2人とも欧州滞在中の昭和55年に失踪。
昭和63年に石岡さんから日本の家族に出した手紙(ポーランドの消印)が届き、石岡さん、松木さん、そして有本恵子さんが北朝鮮に在住すると伝えてきた。
北朝鮮側は、石岡 亨さんは1988(昭和63)年11月にガス事故で有本恵子さんと共に死亡したとしているが、これを裏付ける資料等の提供はなされていない。
また、同様に松木 薫さんについても、1996(平成8)年8月に交通事故で死亡したとして、平成14年9月及び平成16年11月に開催された第3回日朝実務者協議と2回にわたり、北朝鮮側から松木さんの「遺骨」の可能性があるとされるものが提出されたが、そのうちの一部からは、同人のものとは異なるDNAが検出されたとの鑑定結果を得た。
捜査当局は拉致実行犯である「よど号」犯人の妻・森 順子及び若林(旧姓:黒田)佐喜子について、平成19年6月に逮捕状の発付を得て国際手配するとともに、政府として北朝鮮側に身柄の引渡しを要求している。

◆昭和58(1983)年7月頃
欧州における日本人女性拉致容疑事案
被害者:有本恵子さん(拉致被害時23歳)
欧州にて失踪。
よど号」犯人の元妻は、北朝鮮当局と協力して有本さんを拉致したことを認めている。
捜査当局は拉致実行犯である「よど号」犯人の魚本(旧姓安部)公博について、平成14年9月逮捕状の発付を得て国際手配するとともに、政府として北朝鮮側に身柄の引き渡しを要求しているが北朝鮮側はこれに応じていない。
北朝鮮側は、有本さんは1988(昭和63)年11月にガス事故で石岡 亨さんと共に死亡したとしているが、これを裏付ける資料等の提供はなされていない。



《参考・『東アジア黙示録』2011年7月8日掲載記事を転載》

「楽しい楽しい革命村、歌声いつも響いている♪僕ら、僕ら、育ち行く、元帥様のちびっ子戦士♪さあ、革命の勉強だ、父さん母さんと戦うぞ♪」
よど号」グループのリーダー田宮高麿が作詞した“童謡”の一節である。この歌は思想教育の為に作られ、「よど号」犯の子供が通う北朝鮮の託児所で合唱された。
託児所の保母は朝鮮労働党のエリート党員。託児所には金日成(キム・イルソン)と金正日キム・ジョンイル)の顔写真が掲げられ、「よど号」犯の子供たちは、無条件で金親子を崇拝していたと目撃者は証言する。
よど号」犯の元妻だった八尾 恵さんは、平成14年に出版した手記の中で、子供たちがどのような教育を受けたか、詳述している。想像を超えた衝撃的な内容だ。

「『よど号』グループは、図書館だった建物を改築して、日本革命村小学校を造りました。(略)子ども達には金日成金正日の戦士となるように教育する方針で、校長は田宮でした」
(手記より)

日本革命村とは「よど号」犯が暮らす平壌郊外の特殊集落。
村に用意された学校で子供たちには徹底的な洗脳教育が施される。単に北朝鮮式の捏造史を学ぶだけではない。
「立派な金日成主義革命家になるようによく勉強してください」学校での田宮高麿の挨拶が全てを物語っている。「よど号」犯の子供たちには、金王朝の権力継承と同様、「代を継いで」革命を遂行することが求められているのだ。

【二代目革命戦士の“里帰り”情報も】
平成16年1月、“元帥様のちびっ子戦士”の1人が我が国に入国した。田宮高麿の長男・森 大志である。金王朝の革命戦士は、20歳の青年に成長していた。
そして今年4月、元ちびっ子戦士は、統一地方選で東京・三鷹市議選に「市民の党」から立候補。幸い落選したが、立候補に当たって森 大志は出自などを一切隠蔽。負い目があることを自ら証明するものだ。
森 大志は田宮の長男であると同時に、森 順子(もり・よりこ)の愛息でもある。在日朝鮮人を父に持つ森 順子は、いわゆる「よど号」妻のリーダー格に留まらない。
1980年にマドリードで石岡 亨さんと松木 薫さんを拉致した北のエリート工作員が森 順子だ。
この凶悪犯は、結婚目的誘拐容疑で国際手配を受けながらも、帰国を拒否し、平壌に潜伏している。森 大志は「金正日の銃弾」となる教育を受けた2代目の革命戦士なのだ。
7年前の入国後、日本国籍を取得した森 大志は毎年、北朝鮮に里帰りしているとの未確認情報もある。潜伏する容疑者との接触が事実であれば、犯人蔵匿・隠避につながる犯罪が成立する。
森 大志が日本人拉致という非道な連続犯罪を正当化する思想を保っていることは明らかだ。拉致を批判すれば森 順子は追放されるが、未だに北朝鮮当局の保護下にある。
そして森 大志を擁立した「市民の党」も、日本人拉致を正当化する親北組織。朝鮮労働党からの工作指令を受け、我が国を拠点に活動する実行部隊だ。

拉致事件、捜査の現状】
北朝鮮による拉致事件を巡り、日本の警察はこれまで実行犯や指示役として北朝鮮の元工作員たち合わせて11人を国際手配しています。
拉致には金正日キム・ジョンイル)総書記が掌握していた対外情報調査部と呼ばれる工作機関が組織的に関わっていた疑いが強いと見て捜査を続けています。
このうち、福井県の地村保志さん・富貴恵さん夫妻を拉致した実行犯として元工作員辛光洙シン・グァンス)容疑者が手配されています。
また、大阪府の原 敕晁さんが拉致された事件では、辛容疑者とともに金吉旭(キム・キルウク)容疑者も共犯者として手配されています。
この他、東京都の久米 裕さん拉致事件では金世鎬(キム・セホ)容疑者が、新潟県曽我ひとみさん拉致事件にはキム・ミョンスク容疑者がそれぞれ関わったとして手配されています。
北海道出身の渡辺秀子さんの子供2人の拉致事件では、工作員グループのリーダー格で北朝鮮にいると見られる洪寿恵(ホン・スヘ)こと木下陽子容疑者が手配されています。
新潟県の蓮池 薫さん・祐木子さん夫妻の拉致事件ではチェ・スンチョル容疑者が実行犯として手配されている他、金総書記が掌握していた対外報調査部と呼ばれる北朝鮮の工作機関の幹部であるハン・クムニョン容疑者とキム・ナンジン容疑者が拉致の実行を指示したとして手配されています。
ハン容疑者たちは工作機関で「指導員」と呼ばれる立場で、辛光洙容疑者たちもこの組織の一員だったことがわかっており、警察は北朝鮮が組織的に拉致を実行した疑いが強いと見て捜査を続けています。
よど号ハイジャック事件のメンバーたちも1980年代にヨーロッパで相次いだ3人の日本人拉致に関わった疑いで国際手配されています。
このうち、有本恵子さん拉致事件では魚本公博(安部公博)容疑者が、石岡 亨さんと松木 薫さん拉致事件ではよど号メンバーの妻の森 順子・若林佐喜子両容疑者がそれぞれ手配されています。