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【みんな生きている】深夜会議編(1)

《金第1書記、朝鮮人民軍最高司令部作戦会議を招集》

北朝鮮金正恩キム・ジョンウン)第1書記は3月29日0時30分、朝鮮人民軍北朝鮮軍)最高司令部作戦会議を招集し「アメリカ本土、ハワイ、グアム、南朝鮮(韓国)の米軍基地をいつでも攻撃できるよう、戦略ロケット(ミサイル)を発射待機させよ」と命じた。これは北朝鮮朝鮮中央通信が報じた。金正恩氏は「米帝アメリカ)のステルス戦略爆撃機B2が南朝鮮上空を飛行した。これは核戦争を起こすという最後通告だ」と述べ、その上で上記のように指示したという。
金正恩氏が深夜に軍事会議を招集し、これを北朝鮮メディアが直ちに報じるのはこれまでほとんどなかったことだ。今回、韓・米合同軍事演習に姿を現したステルス爆撃機「B2」は北朝鮮のレーダーではほとんど捕捉できず、しかも核爆弾も搭載可能なため、金正恩氏はやむなく今回の会議を招集したようにも見える。
しかし、核爆弾の搭載が可能なB52とB2が韓・米合同軍事演習に参加し、韓・米連合司令部がその訓練中の様子を写真で公表したのは、今年になってからは確かに初めてだが、過去に例がなかったわけではない。B52とB2が今回演習に参加したのは、北朝鮮が連日「アメリカ本土と南朝鮮に対して核による先制攻撃を行う」等と脅迫的な言動を続けていることへの警告であり、また実際に挑発行為を牽制するためでもある。
北朝鮮ではここ1カ月近く、事実上の戦時体制といえる状況にある。北朝鮮メディアは連日「核戦争は目の前の現実」等と騒ぎ立てており、また各所で忠誠競争でもするかのように「全面的な火の海」等と過激な言葉を並べ立てている。
朝鮮人民軍最高司令部は哨戒艦「天安」爆沈からちょうど3年目を迎えた3月26日、いつでも戦争に突入できる「1号戦闘態勢」を発動した。
ところが北朝鮮は27日、開城工業団地への立ち入りについて協議を行う軍用通信ラインを遮断する一方で、工団内での操業は一切妨害しなかった。先日中国を訪問した北朝鮮の朝鮮観光総局長も中国側に「朝鮮半島で戦争は行われないので、観光客を送ってほしい」と要請したという。つまり、現在の北朝鮮の言動は非常に戦術的で計算されたものであり、緊張状態を意図的に造成するものと考えられるわけだ。
しかし、北朝鮮の動きについてこのように合理的な観点からだけで予測や判断を行い、それに合わせた対応を取るのは非常に危険だ。2011年12月に金正日キム・ジョンイル)総書記が急死して以降、北朝鮮の動きは今なお不安定な状態が続いている。現在の北朝鮮の動きが完全に金正恩氏の統制下にあるとは考えにくいが、それでも通常では考えられない数々の過激な言動は、金正恩氏の年齢や経歴コンプレックスに基づいているという見方も可能だ。
金正恩氏は少年時代、海外のごく普通の環境と社会の中で成長したが、それでもわずか29歳ではその判断力に未熟さが露呈するのは避けられず、時には衝動的な言動を示してもおかしくない。そのため、例え北朝鮮が意図的に緊張を高める戦術を取っているとしても、この未熟さと衝動が後に予測不可能な事態を招く恐れもある。
我々はこのことを忘れず、絶対に警戒を緩めてはならない。



※「親北勢力は胸に手を当てて考えて欲しい。もし、あなたの子供たちが食べ物に飢えて栄養失調になり、骨だけの痩せ細った体で勉強を諦め、市場のゴミ捨て場を漁っていたら、どんな気持ちになるだろうか。そうせざるを得ない社会に憧れを持つことなど出来るだろうか」
脱北者Aさん。脱北者手記集より)